有田芳生の『酔醒漫録』 ジャーナリスト、新党日本の副代表として挑む日本の根本的転換。その眼から見た日々の雑感を綴ります。「酔醒」は中国の「梁書」にある「酒を飲むこと能はざるも、賓客交遊を好む。終日獻酬して、其の酔醒を同にす」から取りました。 3月3日(土)田辺元さんの手紙を読み解き、パソコンに記録していった。日付は一九四八年十二月四日。群馬県吾妻郡北軽井沢から新潮社の編集者に出されたものだ。達筆、しかも哲学者らしい言葉遣いで所々に難解な表現がある。そのため判読に時間がかかった。田辺さんが「大哲」と表現した木村久夫さんの書簡3通を熟読。高知の面河渓で社会科学に目覚めたときの感動、京都大学生になりある学者と経済学について話を聞いたときの感想、インド洋のカーニコバル島に向う直前に恩師にあてて書いた手紙だ。昭和17年の手紙ではある学者が資本主義は崩壊に向いつつあると語ったことが紹介されている。木村