日本の大手派遣会社アバンセの林隆春社長の話を聞き、「在日日系人の多くは、ブラジルの貧困層を日本に再生産しているだけ」という部分があると痛感した。デカセギブームが始まった90年代前半、「先進国日本に行くんだから、連れて行った子供もブラジルより良い教育が受けられるはず」ぐらいの楽観的な気分だったが、約30年経った現在、それが「単なる幻想」だったことは明らかだ▼日本レベルの教育が受けられるのは、日本人とごく一部の外国人だけ。単純労働者として入った外国人の子供が、公教育に適応して社会上昇することは、よほど親子共に頑張らない限り難しい。林さんに「日本の産業界では、長期滞在できる日系人を、他の短期滞在外国人の上に立つ中間管理職として登用したり、熟練工に育てて日本人の後継者的な存在にする場合も出てきているのでは」と質問すると、「そういう人もいるが少数」という厳しい答えだった▼林さんは「多くのブラジル人は