社会的ひきこもり(以下、ひきこもり)は、就学・就労などの社会参加を回避し、半年以上に渡り家庭に留まり続けている状況のことで、ひきこもり者は15歳から39歳に限っても50万人を越え、少子高齢化を迎えている日本においてその打開は国家的急務です。様々な心理社会的支援や治療的介入がなされていますが、いまだ抜本的な解決策は見出されていません。 文部科学省科研費・新学術領域研究「意志動力学」などの支援により、九州大学大学院医学研究院・九州大学病院の神庭重信教授(精神医学)、加藤隆弘講師(同上)、早川宏平共同研究員(同上)、米国オレゴン健康科学大学のアラン テオ助教(精神医学)、マレーシア・モナッシュ大学の渡部幹准教授(社会心理学)らを中心とする国際共同研究グループは、ひきこもり評価のための診断面接法やパソコンを使った評価システムを近年開発しており、海外にもひきこもり者が存在することや、ひきこもり者の多