霧に包まれた重慶オリンピックスタジアム。記者席からはバックスタンドがかすんで見える【 photo by 宇都宮徹壱 】 重慶の空はどんよりと曇っていた。しかも、あいにくの小雨交じりの天気である。聞けば、冬の重慶はずっとこんな空模様なのだそうだ。17日から始まった東アジア選手権だが、大会期間中は一度として青空は望めそうにない。 中国を訪れるのは、4年前のアジアカップ以来のことである。 実はかねがね私は「今度、中国を訪れる機会があったら、重慶以外ならどこでもいいな」と強く願っていた。別に重慶そのものが嫌いなわけではない。ただ、4年前の滞在が2週間にも及び、すっかりあきてしまったのは間違いない。しかもその間はずっと、重慶名物の蒸し暑さと、激辛調味料の食事と、そして毎試合のように日本代表に浴びせられるブーイングに付き合ってきたのである。土地そのものに恨みはなくても「重慶以外ならどこでもいいな」