ゲーム音楽の世界ではDJ-MIX盤自体が希少なので、良し悪しを論じる以前に、多かれ少なかれイロモノじみて見えてしまうところはあるかもしれない(少なくともゲーム音楽DJという存在は、クラブカルチャー全体から見ればイロモノ以外の何者でもない)。だが本盤は、そこを超えていこうとする気概に満ち満ちている。「ゲーム音楽」という枠組みに甘えることなく、普通にクラブミュージックとして聴き応えのあるDJ-MIXを志向しているのだ。 ゲーム音楽のDJ-MIXには、大別してふたつの方向性がある。プレイヤーの思い入れを基準に繋いでいく「共感繋ぎ」と、純粋に音楽性で繋いでいく「スタイル繋ぎ」だ。本盤は形式的には後者に属し、セガの音楽について全く知らなくても楽しめる構成になっているといえる。選曲には大谷のセンスが存分に発揮されており、お洒落かつファンキー、そしてユーモラスに、PSG時代から今日に至る新旧の名曲を、有