若者の貧困について考えるイベントで、労働市場のあり方について話し合う雨宮さん(右)と赤木さん(21日、東京都内で) 「『何も持っていない』私からすれば、戦争は悲惨でも何でもなく、むしろチャンスとなる」。そう主張する論文が月刊総合誌に掲載され、今年の論壇で話題となった。富裕層と貧困層を流動化させるきっかけとして「戦争」に望みを託す過激な内容だ。 著者はフリーターの赤木智弘さん(32)。北関東の親元に同居し、夜遅く、アルバイト先のコンビニエンスストアへ出かける。8時間働き続けて明け方に帰宅。それで月給10万円強にしかならない。 「将来が不安でたまらない。ところが、自分のように、いくら働いても希望を持てないフリーターの救済策は常に後回し。現状の平和より、戦争が起きて国民全体が苦しみ続ける平等の方がまし」 ワーキングプア、ネットカフェ難民……。この1年、貧困にあえぐ若者に関心が集まった。路上