柄谷行人の書評(http://book.asahi.com/review/TKY200702270223.html)などで興味をひかれ読んだ。岡田暁生『西洋音楽史』もそうだったが、目から鱗の指摘を読み進みながら同時に以前から直観はしていたがううまく言葉にできず居心地のわるさを感じていた問題をついにいってくれたという喜びをあたえてくれる本だった。 オランダの経済学者にしてアーティストの著者は、なぜこんなにも多くのひとが経済学者としてみればあまりにもリスクの高くリターンのないアーティストとしての職業にこだわり長くそこに居続けるのか?という疑問から出発し、結果としてこの本は芸術というものがいまもって持つ神話を解体し、しかし同時にその神話が必要とされる理由も明るみにだすものになった。 この本の中で展開される議論を著者は109のテーゼにまとめており、その他にも「芸術の神話体系」といったリストが多く並