DIC川村記念美術館 Photographer: John S Lander/LightRocket/Getty Images 116年の歴史を持つ化学メーカーDICが、業績不振の中で保有する美術館を巡って、変革を求めるアクティビスト(物言う株主)の標的となっている。市場関係者や美術ファンが注目するのは、推定計10億ドル(約1400億円)超に上る所蔵品の行方だ。 事の発端は、DICが先月27日、運営するDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)を来年1月下旬から休館すると発表したことにある。同社は資本効率の観点から規模縮小と東京への移転を軸に事業を見直すと説明。美術館は20世紀の現代美術の世界的なコレクションで知られるが、このまま閉館する選択肢も排除していない。 「日本が誇る、至宝ともいえる美術館」。美術メディア「美術手帖」の岩渕貞哉総編集長は同館を高く評価する。ピカソやモネ、ルノワールなど日本