最近、中国の異質ぶりが浮き彫りとなる出来事が相次いでいる。尖閣諸島沖でおきた中国漁船衝突事件での日本への報復措置、ノーベル平和賞をめぐり服役中の民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏に授与しないようノーベル賞委員会(ノルウェー)にかけた圧力。エスカレートする中国の対応をみて、北朝鮮の核問題を巡る六カ国協議取材のため、たびたび北京を訪れた際、同僚記者に勧められた「中国の大盗賊・完全版」(高島俊男著、講談社現代新書)を思いだし、改めて読み直してみた。 同書では「中華人民共和国は、中国の歴史上、漢、明につづく強力な盗賊王朝である」と規定。漢の初代皇帝劉邦(りゅうほう)、明の初代皇帝朱元璋(しゅげんしょう)ともに「盗賊」だとする。ほかにも唐末の黄巣(こうそう)や明末の李自成など都を攻略した人物はいるが、長続きしたのは漢(約400年)と明(約300年)だった。 そして、毛沢東率いた中国共産党につい