『ルポ 川崎』では、若きラップスターたちをこの街のキーとして、希望として描いている。なぜ川崎はラップの街になったのか? そもそも日本でラップはどう広がったのか? 若きラッパーたちはいま、何を歌っているのか? (聞き手:望月優大) ラッパーの歌詞に共感する若者たち ――現在、川崎はヒップホップの新しい聖地として盛り上がっています。世界中にヒップホップはありますが、ヒップホップやラップが川崎のような背景をもつ街に結びつく必然性のようなものがあったのでしょうか? 磯部 まず、ポップ・ミュージックの中心がラップ・ミュージックになったということだと思います。 昨年、調査会社のニールセン・ミュージックによって、ヒップホップ/R&Bがアメリカで初めて「もっともヒットしたジャンル」になったと発表されましたが、おっしゃる通り、最早、ラップのない国はないと言ってもいい。 さらに、このジャンルには「自分のことを
社会問題と社会運動の歴史がセットになった街・川崎。2015年に川崎市中1男子生徒殺害事件や川崎市簡易宿泊所火災といった事件・事故が立て続けに発生したこの街には何があるのだろうか。 その背景には「現代日本が抱える大きな問題がある」と言うのは、『ルポ 川崎』著者の磯部涼さんだ。「ここは、地獄か?」という刺激的な帯も目を引くこの本は、発売から半年以上経っても話題になり売れ続けている。 日本の大問題とは何か? 川崎の街から、問題の見えなさ、が見えてくる――。 (聞き手:望月優大) 光と闇が表裏一体 ――『ルポ 川崎』、おもしろく読ませていただきました。まず、取材の拠点となっている川崎区という街について教えていただけますでしょうか。 磯部 地元の不良少年たちは「川崎はしがらみばっかりでクソだ」と言いつつ、「人情味があって暖かい」とも表現します。それは決して矛盾しているわけではなく、どちらも同地が持っ
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