伊勢湾フェリー(三重県鳥羽市)が、鳥羽港と伊良湖(いらご)港(愛知県田原市)を結ぶ航路を9月末に廃止すると表明していた問題で、同社が航路を存続する方向で最終調整に入ったことが、関係者の話で分かった。株式を半分ずつ持っていた近鉄と名鉄は株式を譲渡して経営から撤退し、株式の一部は三重、愛知両県、鳥羽、田原両市が持ち、経営の安定化をめざす。同社は、中部運輸局へ出した航路事業廃止届を取り下げ、運航を続ける見通しだ。 この問題は3月、伊勢湾フェリーが、高速道路の整備や料金割引などの影響で利用客が減少していることを理由に、同航路の廃止と同社の清算を発表していた。 これに対して、2県2市と中部運輸局などは4月、鳥羽伊良湖航路対策協議会を設立。航路存続をめざして、公設民営や第三セクターなど複数の案を検討してきた。 株主側からは「廃止撤回には行政の支援がないと難しい」との主張が強く、行政側も一定程度の