いま、企業や学校で、自分の考えを整理して書いたり話したりする“言語力”の低下が叫ばれている。報告書をまとめられない若手社員、何がしたいのか筋道立てて話せない学生など、若い世代をはじめ、ベテラン技術者やプロサッカー選手まで、社会全体に“言語力”で苦労する人が増えている。 こうした中、去年初めての「言語力検定」がスタート。「後部座席のシートベルトはなぜ必要か」など、知識を問うのではなく、自分の考えをきちんと説明する力が試される。 日本人の言語力に何が起きているのか? どうすれば言語力を高めることができるのだろうか? 4年前、1勝もできずに敗退したワールドカップ・サッカー日本代表。日本サッカー協会が敗因を分析した報告書で、意外な原因が指摘された。自分の意志を仲間に伝える力、つまり“言語力”の不足だ。 めまぐるしく状況が変わるサッカーのゲームでは、短時間でお互いの意志を伝える力が問われる。しかし4