(英エコノミスト誌 2012年8月11日号) 米国の金融規制当局が、新興市場で活躍する銀行を脅かしている。 ここ数年、スタンダードチャータードの株は同業他社と比べて高値で取引されてきた。これは主に、同行の事業がアフリカ、アジア、中東を主軸としてきたことによるものだ。本店はロンドンにあるものの、2011年のグループ全体の税引き前利益のうち、米大陸、英国、欧州から直接生み出されたものは5%にすぎない。 同行は世界で最も活力があり、なおかつ欧米の規制の地雷原の影響を最も受けていない地域を拠点にしていることを売りにできた。 イランとの取引で「重大な違法行為」を犯した「ならず者」金融機関 状況は変わった。8月6日に米ニューヨーク州金融サービス局(DFS)が27ページにわたる敵意に満ちた命令書を発表した後、同行の株価は急落した(図参照)。 DFSは命令で、スタンダードチャータードは「ならず者」の金融機