肺の感染症などの原因になる細菌「緑膿(りょくのう)菌」は、密集し生命活動がほとんど止まった状態になると多くの抗菌薬が効かなくなることが分かったと物質・材料研究機構などが発表しました。抗菌薬が効かない「耐性菌」の対策は世界的な課題になっていて、研究チームは新たな治療法を調べるうえで重要な成果だとしています。 「緑膿菌」は免疫の低下した人に感染すると慢性的な肺感染症や、敗血症などを起こす細菌で抗菌薬が効きにくい「耐性菌」が存在するため、対策が課題となっています。 この菌は「バイオフィルム」と呼ばれる密集した塊になり、酸素が不足した状態になると、活動が不活発になるとともに薬への耐性を持つことが知られていましたが、どの程度活動が低下すると耐性を獲得するのかは詳しく分かっていませんでした。 日本の物質・材料研究機構やアメリカのカリフォルニア工科大学の研究チームは、緑膿菌がエネルギーを消費する際の微弱