小林 田中さんは、元々は日立の原子炉製造技術者でいらっしゃったんですよね。それがいつ頃のことですか? 田中 1968年〜1977年までですね。正式にはバブコック日立という会社です。バブコック&ウィルコックス(B&W)というのはアメリカにある原子力発電や火力発電を作っている会社で、ウエスティングハウスやGEと並んで、原発メーカーでは3番目くらいに大きな会社なんです。イギリスにあるその兄弟会社と日立が半世紀以上前に合弁して作った会社だったんです。アメリカのB&W製で有名なのはスリーマイル原発ですね。 小林 僕が今日改めて田中さんにお聞きしたいのは、そもそもなぜ原子力の世界に入られて、何を疑問に思ってそこを出たのか? というところなんです。 田中 入社したのは、1968年。僕が25歳の時です。その頃日本は、何でもかんでもアメリカアメリカ、という時代だったんですね。 それから、戦後の高度成長期の中