本稿では,宇宙エレベーターの建設費を10年で回収できると仮定し,宇宙デブリ衝突による宇宙エレベーターの破断を考慮して,10年後の宇宙エレベーターの残存率を評価した結果を示す.その結果,宇宙エレベーターがその建設費を回収できるまで残存するためには,宇宙デブリ衝突による宇宙エレベーターの損傷を最小化するような冗長系だけでなく,現在の衝突フラックスと比してほぼ0%にまで宇宙デブリ環境を改善しなければ実現不可能であることが分かった.
本稿では,宇宙エレベーターの建設費を10年で回収できると仮定し,宇宙デブリ衝突による宇宙エレベーターの破断を考慮して,10年後の宇宙エレベーターの残存率を評価した結果を示す.その結果,宇宙エレベーターがその建設費を回収できるまで残存するためには,宇宙デブリ衝突による宇宙エレベーターの損傷を最小化するような冗長系だけでなく,現在の衝突フラックスと比してほぼ0%にまで宇宙デブリ環境を改善しなければ実現不可能であることが分かった.
アメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)は日本時間2024年10月13日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第5回飛行試験を実施しました。Starship宇宙船は宇宙空間を飛行後に大気圏へ再突入し、発射から1時間ほど後に予定通りインド洋への着水を行って飛行を終えています。 Starshipとは? Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれています。今回の飛行試験は2024年6月に続く5回目の無人飛行試験で、計画ではSuper Heavyブースターは発射約7分後に発射台へ帰還し、Starship宇宙船は発射約1時間5分後にインド洋の目標地点へ着水することになっていました。 関連
アメリカの民間宇宙企業SpaceX(スペースX)は日本時間2024年6月6日、同社が開発中の新型ロケット「Starship(スターシップ)」による第4回飛行試験を実施しました。Starship宇宙船は宇宙空間を飛行後に大気圏へ再突入し、予定されていたインド洋への着水を行って飛行を終えています。【最終更新:2024年6月6日23時台】 【▲ 米国テキサス州にあるSpaceX(スペースX)の施設「Starbase(スターベース)」から第4回飛行試験のために打ち上げられた新型ロケット「Starship(スターシップ)」。SpaceXのライブ配信より(Credit: SpaceX)】Starshipは1段目の大型ロケット「Super Heavy(スーパーヘビー)」と2段目の大型宇宙船「Starship」からなる全長121mの再利用型ロケットで、打ち上げシステムとしてもStarshipの名称で呼ばれ
米宇宙企業スペースXは2024年3月14日、開発中の巨大宇宙船「スターシップ」の3度目の飛行試験を実施した。 今回も宇宙からの帰還までは果たせなかったものの、初めて地球を回る軌道の一歩手前まで到達し、さらに宇宙空間でいくつかの技術実証にも挑んだ。 まだ課題は多いものの、同社が目指す月、そして火星への飛行に向け、また一歩前進した。そして早くも、次の飛行試験の準備が進んでいる。 スターベースから飛び立ったスターシップIFT-3 (C) SpaceX スターシップとこれまでの飛行試験 スターシップ(Starship)はスペースXが開発中の宇宙輸送システムで、人間や物資などを、地球周回軌道や月、火星、さらにその先へ運ぶことを目指している。 全長121m、直径は9mで、打ち上げ時の質量5000tという巨体を特徴とする。また、機体すべてを飛行後に着陸して回収し、再使用することができ、飛行機のように運用
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2024年1月20日午前0:20(日本標準時)に小型月着陸実証機(SLIM)を月面に着陸させ、地球との通信を確立させました。 しかしながら、SLIMの着陸時の姿勢等が計画通りではなかったことから、太陽電池からの電力発生ができず、同日午前2:57(日本標準時)に地上からのコマンドにより探査機の電源をオフにしました。 電源をオフにするまでに取得した各データの分析を行った結果、SLIMが当初の目標着地地点から東側に55m程度の位置で月面に到達していることが確認できました。また、ピンポイント着陸性能を示す障害物回避マヌーバ開始前(高度50m付近)の位置精度としては、10m程度以下、恐らく3~4m程度と評価しています。詳細データ評価は継続する必要があるものの、SLIMの主ミッションであった100m精度のピンポイント着陸の技術実証は達成できたものと考
月面への着陸に挑戦した無人探査機「SLIM」について、JAXAは午前2時すぎから会見を開き、「着陸には成功した」と発表しました。 この中で、JAXA宇宙科学研究所の國中均所長は「私どもとしましてはソフトランディングには成功したと考えている。その理由は、探査機が正常にテレメーターを地球に送信していて、搭載機器がおおむね健全に動いているということを意味している。高度10キロから降りたので、うまくいっていないのであれば高速で激突していたはずだ。そうなれば探査機の機能はすべて失われていたはずだが、着陸後もデータが地球に送り届けられているということは、当初の目的としていたソフトランディングに成功した証左だと考えている」と述べました。 会見で、太陽電池が電力を発生せず、バッテリーを使っている状況について、「いまのところは数時間、バッテリーの電力がもつであろうと考えている。バッテリー電力を温存するために
その降下速度は航空機の7倍にもあたる時速6400キロにもなるという。 精密な制御が求められる月面着陸に、JAXA=宇宙航空研究開発機構の無人探査機「SLIM」が20日未明に挑戦する。 去年、日本のベンチャー企業の着陸船が挑戦したが、月面に落下して失敗。今回成功すれば日本初となる。 月への着陸方法や今回のミッションをまとめた。 着陸スケジュールは SLIM 「SLIM」は、JAXA=宇宙航空研究開発機構の無人探査機で、月面への精密な着陸技術の実証を主な目的としている。高さはおよそ2.4メートル、燃料を除いた重さがおよそ200キロ。 デジタルカメラなどで人の顔を認識するのに使われる「画像認識」の技術を応用することで、月面のクレーターなど地形情報を識別し、目標地点に誤差100メートル以内で着陸することを目指している。 去年9月に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、4か月ほどかけておよそ
【▲ 種子島宇宙センターから打ち上げられたH-IIAロケット47号機。JAXAのライブ配信から引用(Credit: JAXA)】 三菱重工業株式会社は2023年9月7日、「H-IIA」ロケット47号機の打ち上げに成功しました。搭載されていた宇宙航空研究開発機構(JAXA)のX線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」と小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」について、三菱重工業はロケットからの分離が確認されたと報告しています。 打ち上げに関する情報は以下の通りです。 ■打ち上げ情報:H-IIA 202(XRISM&SLIM)ロケット:H-IIA 47号機 打ち上げ日時:日本時間2023年9月7日8時42分【成功】 発射場:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場(日本) ペイロード:XRISM、SLIM XRISMは2016年に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」(運用終了)の後継機としてアメリ
最近、世界中で再使用ロケット開発の機運が高まっている。再使用ロケット、つまり打ち上げた後に着陸・回収して繰り返し使うロケットのことだ。 これはSDGsの文脈が強くなってきたことに加え、SpaceXやBlue Originのロケットの派手な演出のためだろう。SpaceXのロケットの着陸する姿は多くの人を興奮させた。 ちなみに、スペースシャトルも1980年代には開発された再使用ロケットなのだが、色々あって再使用しても全く経済的で無かったので、最近では再使用ロケット枠に入れられてない資料もある。 SpaceXのFalcon Heavyロケットのブースター着陸国内状況国内の研究では90年代から再使用ロケットの研究(RVT→RV-X、CALLISTO等)がされている。RVTに関しては時期も早く、机上検討だけではなく実際にフライトまでしている現在から見るとかなり先駆けの研究である。 さらに、実用に向け
SpinLaunchは、人工衛星などを低コストかつ高頻度で打ち上げるためのソリューションとして軌道に乗せる専用加速器を考案。実験で使われた加速器は高さ約50mで、予定している加速器の3分の1の大きさという。同社では、同様の加速器を使ったテスト環境や高G環境に最適化させた衛星アーキテクチャなども提供する。 同社は2014年に創業。CEOのジョナサン・ヤニー氏は、コンサルティング、IT、建設、航空宇宙業界で15年の経験を持つ起業家という。 関連記事 Amazon、衛星ネットサービスの小型衛星を2022年に2基打ち上げへ Amazonは小型衛星によるインターネット接続構想「Project Kuiper」の初の衛星を2022年第4四半期に打ち上げると発表した。打ち上げには新興企業ABLのロケット「RS1」を使う。向こう10年間で最大3236基の小型衛星を打ち上げる計画だ。 SpaceX、初の民間人
防衛省、「宇宙巡回船」の建造検討 警戒・監視、衛星修理も 2021年10月10日08時01分 【図解】宇宙巡回船のイメージ 防衛省が、宇宙空間の警戒・監視や人工衛星の修理・補給を担う「宇宙巡回船」の建造を検討していることが分かった。関係者が9日、明らかにした。実現時期は未定だが、同省の目指す宇宙状況監視(SSA)能力向上の一環として、宇宙空間を自由に航行する無人船を想定。2022年度予算概算要求に調査・研究費1億円を計上した。 「逆さ地図」が映す日本のリアル 列島が「ミサイル要塞」になる日【政界Web】 宇宙空間には、役目を終えた衛星やロケットなどが「スペースデブリ(宇宙ごみ)」として多数存在し、稼働中の衛星に衝突する懸念がある。さらに、中国やロシアは他国の衛星を攻撃・妨害する「キラー衛星」の開発を進めているとされる。 防衛省は、巡回船による警戒・監視を通じ、こうした被害を防止したい考え。
【シリコンバレー=白石武志】宇宙開発ベンチャーの米ブルーオリジンが20日、初の有人宇宙飛行を実施した。同社と米アマゾン・ドット・コムを創業したジェフ・ベゾス氏ら4人が乗り込んだ。同社は有料で客を乗せる初の商業飛行と位置づけており、民間人の宇宙旅行時代がさらに一歩近づいた。ベゾス氏は地表に帰還すると呼びかけに応じて「最高の日だ」と声を張り上げた。中継していたブルーオリジンの関係者は「言葉が出ない
建設開始時点での月周回有人拠点「ゲートウェイ」を描いた想像図(Credit: NASA)アメリカ航空宇宙局(NASA)は現地時間2月10日、建設の準備が進められている月周回有人拠点「ゲートウェイ」について、最初の打ち上げを担うロケットにスペースXの「ファルコンヘビー」が選定されたことを発表しました。打ち上げは2024年5月以降とされており、これをもってゲートウェイの建設がスタートすることになります。 NASAによるとゲートウェイは国際宇宙ステーション(ISS)のおよそ6分の1の大きさで、有人月面探査計画「アルテミス」における中継地点として機能します。ゲートウェイが建設されるのは地球からの輸送コストが月の低軌道に建設する場合と比べて約7割と比較的小さな「NRHO(near-rectilinear halo orbit)」と呼ばれる細長い楕円軌道で、アルテミス計画で探査が予定されている月の南極
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は1月23日、MHIの飛島工場(愛知県海部郡飛島村)において、H3ロケット初号機のコア機体(第1段+第2段)をプレス向けに公開した。H3ロケットの実機が公開されたのはこれが初めて。この後、コア機体は26日に出荷し、種子島へ輸送。2021年度中の打ち上げに向け、射場作業を開始する予定だ。 公開されたH3ロケット初号機のコア機体 H3ロケットは、現行の基幹ロケットH-IIA/Bの後継機。全長は63m、直径は5.2mの大型ロケットで、日本のロケットとしては過去最大となる。第1段エンジン「LE-9」は2基または3基、固体ロケットブースタ「SRB-3」は0/2/4本のコンフィギュレーションがあり、初号機はLE-9が2基、SRB-3が2本の「H3-22」型となる。 今回、第1段にはLE-9エンジンが2基搭載されていたが、これは以前のBFT(厚肉タン
株式会社スカパーJSATホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役社長:米倉 英一)の100%子会社であるスカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長:米倉 英一、以下 スカパーJSAT)は、国立研究開発法人理化学研究所(本部:埼玉県和光市広沢、理事長:松本 紘、以下 理化学研究所)、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(本社:東京都調布市、理事長:山川宏、以下 JAXA)、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(本部:愛知県名古屋市千種区不老町、機構長:松尾 清一、以下 名古屋大学)、国立大学法人九州大学(本部:福岡県福岡市西区元岡、総長:久保 千春、以下 九州大学)、それぞれとの連携により、世界初※1となる、レーザーを使う方式によりスペースデブリ(不用衛星等の宇宙ごみ)を除去する衛星の設計・開発に着手します。なお、本事業は2026年のサービス提供を目指します
アメリカの民間企業が開発した宇宙船が、日本時間の31日朝早く初めて宇宙飛行士を乗せて国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられました。宇宙船は予定どおり切り離されて打ち上げは成功し、31日夜遅く、国際宇宙ステーションに到着する予定です。 アメリカが自国の宇宙船で国際宇宙ステーションに飛行士を送り込むのはスペースシャトルの退役以来9年ぶりで、宇宙開発に民間企業が本格的に参入する時代の象徴として注目されています。 打ち上げられたのは、アメリカの民間企業「スペースX」が開発した宇宙船、「クルードラゴン」です。 アメリカ人宇宙飛行士2人を乗せ、日本時間の31日午前4時22分にアメリカ・フロリダ州からロケットで打ち上げられ、クルードラゴンは予定した軌道に投入されて打ち上げは成功しました。 クルードラゴンは31日午後11時半ごろに国際宇宙ステーションに到着する予定です。NASA=アメリカ航空宇宙局は、民
結論:安いロケットエンジンを持っているからである。 SpaceXのFalcon1(退役済み)やFalcon9に使われているMerlinエンジンはRP-1(灯油に似た燃料)と液体酸素(LOX)を推進剤にしたロケットエンジン。A~Dとバージョンがあり、推力は34〜62トン重と2倍近くも差があるエンジンであるが、価格はおよそ1億円だと噂されている。極めて安い。 エンジンだけではなく全体で低コストの方法が取られているが、2002年創業のSpaceXはNASA等の技術をうまく活用している。 この記事ではMerlinに通じるエンジンのうち、日本語での情報が少ないNASAのFastracエンジンの紹介。 SpaceXのMerlinエンジンはSpaceXのCTO of PropulsionでもあったTom Muellerさんが設計していた彼のSpaceXの前職場であるTRW社のTR-106やTR-107が
イスラエルの非営利団体「スペースIL」の月探査機「ベレシート」が、2019年2月22日、米スペースXの「ファルコン9」ロケットで打ち上げられた。今後徐々に軌道を変え、4月に月面着陸に挑む。 ベレシートはイスラエル初の月探査機にして、民間が開発した世界初の月探査機でもある。そして今後、民間による月探査は、世界中でますます活発になろうとしている。 スペースILの月探査機ベレシートの想像図 (C) SpaceIL ベレシート 旧約聖書(聖書)の「創世記」は、かの有名な「初めに、神は天と地を創造された」から始まる。この「初めに」にあたるヘブライ語が「ベレシート(ラテン文字表記はBeresheet、もしくはBereshit)」であり、また聖書において最初に出てくる言葉でもあることから、この書そのものが「創世記(ベレシート)」と呼ばれるようになった。 イスラエル初の月探査機、そして民間初の月探査機にと
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