「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の医療費を何で私が払うんだ」……。国民皆保険の精神を理解できない麻生首相にはあきれ果てた。選挙の洗礼を受けずに首相が次々に交代する事態は、明らかに民主主義の原則に反している。
インドのムンバイで多くの人命が奪われた。国内におけるイスラム教徒の厳しい現実、カシミールでの分離独立の動き、信じ難い格差が背景にあるとはいえ、暴力で言論を封殺するテロは民主主義と対極に位置する。
この秋、民主主義について考える上でヒントになる番組(朝日ニュースター)を発見した。米独立系テレビ局が制作する「デモクラシーNOW!」で、3カ月のタイムラグがある。英国を代表する女性ジャーナリスト、エイミー・グッドマン氏を進行役に、自由闊達な議論が展開される。
11月下旬に放映された♯73が興味深かった。著書「あなたは大統領になれない」で2大政党制の虚妄を突いたジョン・マッカーサー氏は、「誰でも大統領になれるという一般通念は、米国に大衆民主主義が存在するという国民的妄想を助長する」と大統領選の狂騒を切り捨てる。溯上に載せられたのはオバマ次期大統領だった。
シカゴ民主党幹部の意を受け、最低賃金引き上げに反対したこと。イラク撤退を訴えて予備選を勝ち抜いた民主党候補を応援しなかったこと。グローバル経済の推進者であるルービン氏(クリントン政権の財務長官)と繋がりが深いこと。集めた政治資金(300億円)のうち、ゴールマンサックス、リーマンブラザーズ、シティーグループからの献金が目立つこと……。
マッカーサー氏はオバマ氏の問題点を挙げるだけでなく、クリントン夫妻の悪行も暴いていく。民主党で<草の根候補>に相応しかったのはオバマ氏ではなく、前回(04年)立候補したディーン氏だった。クリントン前大統領は次回(08年)のヒラリー擁立に向け、陰湿な工作を仕掛けてディーン候補を潰した。
ゲーツ国防長官は留任し、ヒラリーは国務長官就任を要請されている。マッカーサー氏の危惧は現実になりつつあるのではないか。一方でオバマ氏の暗殺を心配する声もある。ニューディールのような社民的政策や軍事費削減を掲げたら、タニマチは黙っていまい。白人至上主義者を実行者に仕立て、陰でほくそ笑むはずだ。
日本では「DAYSJAPAN」が孤軍奮闘しているが、「デモクラシーNOW!」はメディア寡占化が進むアメリカで防波堤の役割を果たしている。資本の軛から解き放たれた内外のジャーナリストたちに、今後も注目していきたい。
前々稿、前稿で闘病中の妹について記したところ、メールや当ブログのコメント欄に多くのお見舞いの言葉をいただいた。この場を借りて感謝の気持ちを伝えたい。
インドのムンバイで多くの人命が奪われた。国内におけるイスラム教徒の厳しい現実、カシミールでの分離独立の動き、信じ難い格差が背景にあるとはいえ、暴力で言論を封殺するテロは民主主義と対極に位置する。
この秋、民主主義について考える上でヒントになる番組(朝日ニュースター)を発見した。米独立系テレビ局が制作する「デモクラシーNOW!」で、3カ月のタイムラグがある。英国を代表する女性ジャーナリスト、エイミー・グッドマン氏を進行役に、自由闊達な議論が展開される。
11月下旬に放映された♯73が興味深かった。著書「あなたは大統領になれない」で2大政党制の虚妄を突いたジョン・マッカーサー氏は、「誰でも大統領になれるという一般通念は、米国に大衆民主主義が存在するという国民的妄想を助長する」と大統領選の狂騒を切り捨てる。溯上に載せられたのはオバマ次期大統領だった。
シカゴ民主党幹部の意を受け、最低賃金引き上げに反対したこと。イラク撤退を訴えて予備選を勝ち抜いた民主党候補を応援しなかったこと。グローバル経済の推進者であるルービン氏(クリントン政権の財務長官)と繋がりが深いこと。集めた政治資金(300億円)のうち、ゴールマンサックス、リーマンブラザーズ、シティーグループからの献金が目立つこと……。
マッカーサー氏はオバマ氏の問題点を挙げるだけでなく、クリントン夫妻の悪行も暴いていく。民主党で<草の根候補>に相応しかったのはオバマ氏ではなく、前回(04年)立候補したディーン氏だった。クリントン前大統領は次回(08年)のヒラリー擁立に向け、陰湿な工作を仕掛けてディーン候補を潰した。
ゲーツ国防長官は留任し、ヒラリーは国務長官就任を要請されている。マッカーサー氏の危惧は現実になりつつあるのではないか。一方でオバマ氏の暗殺を心配する声もある。ニューディールのような社民的政策や軍事費削減を掲げたら、タニマチは黙っていまい。白人至上主義者を実行者に仕立て、陰でほくそ笑むはずだ。
日本では「DAYSJAPAN」が孤軍奮闘しているが、「デモクラシーNOW!」はメディア寡占化が進むアメリカで防波堤の役割を果たしている。資本の軛から解き放たれた内外のジャーナリストたちに、今後も注目していきたい。
前々稿、前稿で闘病中の妹について記したところ、メールや当ブログのコメント欄に多くのお見舞いの言葉をいただいた。この場を借りて感謝の気持ちを伝えたい。