ビフォー・コロナ(BC)とアフター・コロナ(AC)……。キリスト生誕に続き、コロナウイルスは世界に新たな紀年法をもたらした。日本はというと、PCR&抗体検査が進まず、ウイズ・コロナ(WC)がダラダラ続きそうだ。
<中国独り勝ち>が確実なACに暗い予感を抱いている。共産党は「1984」(ジョージ・オーウェル著)に描かれた〝抑圧の完成形〟に近づいているからだ。天安門事件を記憶と記録から抹殺した〝成功体験〟を基に、「国家安定法」導入で香港弾圧に踏み出した。「国際報道2020」(BS1)で共産党主導の「攻撃的愛国主義」がSNSを蹂躙していると伝えた支局員は、政府批判の書き込みに集中砲火を浴びせる組織的な動きに紅衛兵を重ねていた。
米トランプ大統領は香港抑圧に抗議し、中国への対応措置を発表したが、ピンボケ感は否めない。そもそも国内外に無数の分断を生んだトランプに、人格を語る資格はない。経済や技術で中国の後塵を拝しつつある米国の〝存在証明〟は、ACのキーワードになるべき<連帯・共生>を掲げることだが、トランプだけでなくバイデンにも荷が重い。米国の凋落で、精神を暴力で踏みにじるサイバー独裁が、ACを脅かす病原体になるだろう。
米国ではコロナ感染者が170万人、死者が10万人を超えた。初動の失敗、疾病対策センター(CDC)の力不足が指摘されているが、根本的な原因は1970年前後にスウェーデンのテレビクルーが製作した「ブラックパワー・ミックステープ~アメリカの光と影」(2011年に再編集して公開)に行き当たる。黒人家庭を訪問して貧困と差別の実態を収めた映像に、<福祉も医療も遅れた米国は、不自由で非人道的な後進国>とナレーションを重ねていた。ちなみに全米では今、黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に殺害された事件で抗議活動が広がっている。
マイケル・ムーアの映画、別稿(2014年8月)で紹介した「繁栄からこぼれ落ちたもうひとつのアメリカ」(ダイヤモンド社)など秀逸なノンフィクションが米国の矛盾と闇を抉っている。黒人、移民コミュニティー、低所得者層の間にコロナ蔓延が広まったのはこの半世紀、<1%>の利益のみを追求した政策の帰結といえる。
米国では既に4000万人近くが失業保険を申請した。バーニー・サンダースが予備選で掲げた政策――格差と貧困の解消、国民皆保険、福祉と医療の充実――がACに求められている。次期大統領がニューディールに倣って失業者を救済する以外、米国には選択肢がない。
俺の周辺でもコロナによる変化が起きている。飲食店、行き着けの接骨院、歯科医院、内科医院も客足が遠のいている。床屋も営業日を減らし、髭を剃れなくなった。商業印刷(チラシ、パンフレット等)を担当する校正者も仕事激減で喘いでいる。省力化、時短化、経費削減が〝ACのキーワード〟で、上場企業社員でさえ大幅な年収減は避けられない。俺のような非正規は失職と背中合わせだ。
弱者のための政策を掲げる宇都宮健児氏(反貧困ネットワーク代表)が都知事選立候補を表明した。宇都宮氏に対し、全ての都民は政局報道と〝宇都宮氏では勝てない〟という悪しき相対主義から距離を置き、<何が今、東京で、そして日本で求められているのか>を考えてほしい。宇都宮氏が選挙戦を通してACの新たな指標を示すことに期待している。
杉原浩司氏(武器取引反対ネットワーク代表)が川崎哲氏(ピースボート共同代表)のブログを紹介していた。<米国からの武器購入費(1兆1000億円)をコロナ対策に使ったら、集中治療室のベッドを1万5000床整備し、人口呼吸器を2万台揃えられ、看護師7万人と医師1万人分の給与を賄える。PCR検査センターを130カ所設置でき、高齢者をケアするヘルパーを4000人増員できる>という内容だ。上記の宇都宮氏も五輪を中止し、コロナ対策費に差し替えることを訴えるだろう。
ウイズ・コロナでPOGドラフト会議は中止になった。俺が一番若いぐらいだから参加者の平均年齢は高く、今季が最後になる可能性もある。ダービーには指名馬の⑨ダーリントンホールと⑮サトノフラッグが出走する。馬連⑨⑮は買うが、冷静に考えて厳しい。POGに参加して馬を愛することを知った。あしたはテレビに向かって愛を叫ぶだろう。
<中国独り勝ち>が確実なACに暗い予感を抱いている。共産党は「1984」(ジョージ・オーウェル著)に描かれた〝抑圧の完成形〟に近づいているからだ。天安門事件を記憶と記録から抹殺した〝成功体験〟を基に、「国家安定法」導入で香港弾圧に踏み出した。「国際報道2020」(BS1)で共産党主導の「攻撃的愛国主義」がSNSを蹂躙していると伝えた支局員は、政府批判の書き込みに集中砲火を浴びせる組織的な動きに紅衛兵を重ねていた。
米トランプ大統領は香港抑圧に抗議し、中国への対応措置を発表したが、ピンボケ感は否めない。そもそも国内外に無数の分断を生んだトランプに、人格を語る資格はない。経済や技術で中国の後塵を拝しつつある米国の〝存在証明〟は、ACのキーワードになるべき<連帯・共生>を掲げることだが、トランプだけでなくバイデンにも荷が重い。米国の凋落で、精神を暴力で踏みにじるサイバー独裁が、ACを脅かす病原体になるだろう。
米国ではコロナ感染者が170万人、死者が10万人を超えた。初動の失敗、疾病対策センター(CDC)の力不足が指摘されているが、根本的な原因は1970年前後にスウェーデンのテレビクルーが製作した「ブラックパワー・ミックステープ~アメリカの光と影」(2011年に再編集して公開)に行き当たる。黒人家庭を訪問して貧困と差別の実態を収めた映像に、<福祉も医療も遅れた米国は、不自由で非人道的な後進国>とナレーションを重ねていた。ちなみに全米では今、黒人のジョージ・フロイドさんが白人警官に殺害された事件で抗議活動が広がっている。
マイケル・ムーアの映画、別稿(2014年8月)で紹介した「繁栄からこぼれ落ちたもうひとつのアメリカ」(ダイヤモンド社)など秀逸なノンフィクションが米国の矛盾と闇を抉っている。黒人、移民コミュニティー、低所得者層の間にコロナ蔓延が広まったのはこの半世紀、<1%>の利益のみを追求した政策の帰結といえる。
米国では既に4000万人近くが失業保険を申請した。バーニー・サンダースが予備選で掲げた政策――格差と貧困の解消、国民皆保険、福祉と医療の充実――がACに求められている。次期大統領がニューディールに倣って失業者を救済する以外、米国には選択肢がない。
俺の周辺でもコロナによる変化が起きている。飲食店、行き着けの接骨院、歯科医院、内科医院も客足が遠のいている。床屋も営業日を減らし、髭を剃れなくなった。商業印刷(チラシ、パンフレット等)を担当する校正者も仕事激減で喘いでいる。省力化、時短化、経費削減が〝ACのキーワード〟で、上場企業社員でさえ大幅な年収減は避けられない。俺のような非正規は失職と背中合わせだ。
弱者のための政策を掲げる宇都宮健児氏(反貧困ネットワーク代表)が都知事選立候補を表明した。宇都宮氏に対し、全ての都民は政局報道と〝宇都宮氏では勝てない〟という悪しき相対主義から距離を置き、<何が今、東京で、そして日本で求められているのか>を考えてほしい。宇都宮氏が選挙戦を通してACの新たな指標を示すことに期待している。
杉原浩司氏(武器取引反対ネットワーク代表)が川崎哲氏(ピースボート共同代表)のブログを紹介していた。<米国からの武器購入費(1兆1000億円)をコロナ対策に使ったら、集中治療室のベッドを1万5000床整備し、人口呼吸器を2万台揃えられ、看護師7万人と医師1万人分の給与を賄える。PCR検査センターを130カ所設置でき、高齢者をケアするヘルパーを4000人増員できる>という内容だ。上記の宇都宮氏も五輪を中止し、コロナ対策費に差し替えることを訴えるだろう。
ウイズ・コロナでPOGドラフト会議は中止になった。俺が一番若いぐらいだから参加者の平均年齢は高く、今季が最後になる可能性もある。ダービーには指名馬の⑨ダーリントンホールと⑮サトノフラッグが出走する。馬連⑨⑮は買うが、冷静に考えて厳しい。POGに参加して馬を愛することを知った。あしたはテレビに向かって愛を叫ぶだろう。