254話)接ぎ木

 環境林センターの土は粒子が小さく、富栄養化しているため、広葉樹の苗はよく育ちますが、針葉樹には適しません。ここの苗の代表的なものは、ポプラ、ヤナギ、トネリコ、アンズといったところ。数はすくないのですが、花木の苗も育てています。

 経営を考えると、苗に付加価値をつけることが必要です。この土地に適した、価値のあるもので、ほかの苗圃にないものなら、高く売ることができます。

 いま最大の稼ぎ頭は、接ぎ木苗です。果樹はすべて接ぎ木しますね。果物の目的は商品ですから、品質がそろってないといけない。種から育てた苗に、優良品種の芽を接ぎ木します。そうすると地上部はクローンになり、果実もそろいます。

 ふつうのニレの木に、枝垂れのニレを接ぎ木します。こんもりとコウモリガサのように育って、なかなかいいものです。1本が100元近くになり、ここの経営にはずいぶんと役立っています。

 いま開発中のものは、金花垂柳というもの。大人の親指くらいの大きな黄色の花がつき、枝が垂れます。チャイナカラーですね。高いところで接ぎ木するのですが、ふつうのヤナギにそのまま接ぎ木しても、活着しないのです。ふつうのヤナギに、ある種のヤナギ(企業秘密です、うふふふ)を接ぎ木し、それにさらに金花垂柳を接ぎ木します。これだけてまひまをかけてますから、高く売れてほしいものです。
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