漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。
( この写真は、私がアシスタントの仕事をしているデスクの床を写したものです。 散乱するゴミのほとんどは
スクリーントーンの切れ端です。ホコリも粉雪の様に積もっていますが、柔らかい状態から石化しつつある様
です。 左側は押し入れですが、その戸ははずされ、中は雑誌とゴミの山になっています・・・・・《 2011年
12月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その11
《 漫画家アシスタントが・・・テレビを信じない理由2・・・!? 》
予定では数日の取材( ※参照 )で済ませるはずだったのに、面白い画像が撮れないために、取
材期間をさらに延長してまで撮ろうとしたものが何なのか・・・・
それを番組のディレクターは何も喋りはしないわけです。ただ、私の友人の部屋に24時間カ
メラを設置するという奇妙な( 露骨な )取材をもくもくと続けたのです・・・・
前回も書きましたが、「 ADHD 」( 注意欠陥多動性障害 )と言っても、その症状は健常者から
見て「病的」であると判断するのは非常に難しく、家族や本人さえ、医師から「病気です」
指摘されるまで分かっていない場合が多いのです。
そのため、取材班が期待する「 面白い 」映像を撮る事が困難な状態になっていたわけです。
さて、24時間監視すれば、きっと何かが撮れる・・・・そう期待しても、結局「 面白い 」映
像は何も撮れないまま時間だけが過ぎていきます・・・・
徐々にイライラを募らせる取材班に対して私の友人は、相当にプレッシャーを感じていたそう
です・・・・
つまり・・・・
「 協力しないと( 奇行を見せないと )、いつまでたっても取材が終わらない・・・・ 」
と・・・・諦めにも似た心境になり・・・・
そこで・・・・
友人は、わざと「 異常 」な行動をとって撮影を終えてもらおうとしたわけです・・・・・
そのシーンは、ちょっと「 オタクっぽい 」とか「 キモい 」とかのふりをしているだけのたわ
いない「 演出 」ですが・・・・・( 飼っているペットを抱いてトイレに入るとか・・・・ )
そんなシーンを二つ三つ撮れたことでやっと取材班は、撮影を終えてくれたそうです。
これは、事実を報道しているのではなく、あらかじめ取材サイドの企画に合わせてフィルムを
作っているだけにすぎません。( 都合のよいフィルムの断片だけを繋いでいる )
そして・・・・
もう一人・・・・作家志望の友人がいるのですが、彼も某公共放送の報道番組に出演した事が
あるのですが・・・・
その当時、彼は会社( 某新聞社 )を自主退社して失業していたのですが・・・・その時、に「 失
業者 」の一人として番組の取材を受けたわけです。
つまり・・・・『 失業しても、作家への夢を追う青年 』というシチュエーションで・・・・
ところが、実際にオンエアされた番組は・・・・・・
「 失業 」ではなく「 リストラ 」という言葉に変更されていました。
彼は取材班に対して失業中であると言っていただけなのですが・・・・「 リストラされた青
年 」として放送したのです。( 番組タイトルが『 リストラ 』だったためにそれにこじつけた )
そのため放送後、彼の元勤務先から「 ウチの会社はクビになんかしてない! 」と注意を受け、
弁明に追われるハメになったそうです。
テレビには元々、ごう慢なところがあって・・・・
『 テレビに出させてやってるんだから・・・・! 』
という雰囲気( 事大主義的 )がある様な気がします。
本当は自分たちこそがテレビに出演したいとか、スターになりたいとか、潜在意識の中で思っ
ているためなのか・・・・実際の出演者に対して歪んだ心理が働いているのかも知れません。
さて、テレビ報道の話はこの辺にして、次回は・・・・私の様な者が大学講師になる経緯につ
いて書いてみたいと思います・・・・・・
「 漫画家アシスタント 第9章 その12 」( 3月10日頃公開 ) へつづく・・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第9章 その10」へ戻る 】
【 ※参照 】
・取材・・・・・・・・・・・某民放テレビ局から障害者のドキュメンタリー番組の取材を受けた
のが、私の友人。彼は絵の仕事をして独立していますが、長年ADHDの症状に苦し
んでいます。(外見上はまったく健常者と変わりません)
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「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
( この写真は、前回の写真と同じ場所、私が務めるJプロのアシスタントデスクです。画面には、私の隣にある二つ
のデスクが写っています。二つとも以前は先輩アシスタントが使用していたのですが、今では、ゴミの様な堆積物
とホコリに埋もれております・・・・・《 2011年12月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その10
《 漫画家アシスタントが・・・テレビを信じない理由・・・!? 》
良いにつけ悪いにつけ誰でもマスコミと関わりを持つことが一度や二度はあるかと思います。
私は、このブログを始めた事で新聞や雑誌、さらにはラジオやネットテレビからの出演依頼ま
で、ありがたい事に関わりを持たせてもらいました・・・・・
そこで、今回は特にテレビについて書いてみたいと思います・・・・・
日常、最もよく接しますし・・・・・また、信頼もしているテレビなのですが・・・・・・・
・・・その実態は、かなりいい加減なものではないのか・・・・・と、いうのが私の結論です。
一般にテレビに出る事を・・・・・「凄い」とか、テレビに出ている人だから「 信用できる 」
とか勝手に思い込んでいますが、これは単なる錯覚にすぎません。
私は、テレビに出ている弁護士や学者をまったく信じていません。( レベルが高いとは思えな
い )
それには、こんな理由があります・・・・・・
私が「 サイコホスピダー 」という栃木県の精神病院で実際に起こった「 リンチ殺人 」事件を
あつかった漫画を制作している時に、事件の被害者救済に尽力された精神科医を取材した事が
あります。( たまたま私の住む埼玉県の浦和に氏の務める病院があったのです )
この先生はユニークな人で、東大出身者ですが、東大闘争で活躍(?)した事もあり、また、上
記の「 人権裁判 」などにも関わる「 統合失調症の名医 」と一部で高い評価を受ける人物でし
た。
「 先生は、テレビから出演の依頼とかはなかったのですか? 」
「 ありましたよ・・・・・・でも、出ませんよ 」
「 ・・・・・・なぜ・・・・・・出ないんですか? 」
「 事件を起こした犯人の精神分析( コメント )を頼まれたのですが・・・・・・そんな
事、出来ませんから・・・・・・って 」
ちなみに、この先生は女性です。 元東大全共闘の女活動家!( って言ったら怒られるかも )
私は、なぜ「 出来ない 」のか分からなかったので説明してもらうと・・・・・・
「 患者の診断は、簡単じゃないのよ・・・・・・1ヶ月位かけてやっと診断がつく場合
もあるのに、テレビや新聞の報道だけで、患者( 犯人 )の心理分析をするなんて無茶
なのよ! 」
さらに・・・・・・
「 私が、そう言って断ると・・・・・・テレビ局の人が・・・・・・皆さん、そう
言って断られるので困ってるんですよ・・・・・・ですって。 当り前よ、まと
もな医者なら出ないわよね! 」
「 じゃあ・・・・・・あの・・・・よくテレビに出ている精神科医のA先生は・・・
・・・いったい・・・・・・ 」
この質問には、先生はゲラゲラ笑うだけで何も喋ってくれないので・・・・・・
「 私の友人でその妹さんが鬱病でA先生に診てもらった時に、薬をもらったのです
が・・・・その薬を一度に呑んで自殺未遂してしまったのです・・・・やっぱ
りあの先生は・・・ 」( 自殺しそうな患者に強い薬を与えるのは相当なバカ医者 )
「 あの人、臨床出来るの? 彼( A医師 )に診てもらう人がいるなんて信じられない! 」
専門医から完全に疑問視されている精神科医がテレビで堂々と犯罪者の精神分析( 当てず
っぽう? )をし、アナウンサーもゲストも感心し・・・・・挙句の果てに・・・・・・
「 テレビに出ている先生だから信頼できる 」
・・・・・・などという錯覚を生みだしているわけです。
医者にしろ、弁護士にしろ、本来の業務に多忙で、とてもテレビに出演なんかしている時
間はないと考えるのが健常な判断なのではないでしょうか。( 天才的な先生なら両立も可
能かも知れませんが )
私の友人でADHD( 注意欠陥多動性障害・遅刻しやすいとか気移りしやすい、自己中など
の症状 )で医師の診察を受けている人がいるのですが、某テレビ放送局でこの「 ADHD 」
の報道番組を作成した時に取材を受けたのです・・・・・・
この病気の症状は、外見上まったく分かりません。 また、その行動もほとんど普通の人
と極端な違いは見られません。( 私の個人的な感想です )
「 遅刻 」や「 気移り 」などは誰にでもあることですから、程度の違いだけではよく分か
らないのです。
番組の取材クルーでは長い時間( 一週間以上 )カメラを回しても「 いい画像(え) 」が撮れな
いと、困惑していたそうです。
結局、取材班は「 見世物 」としての面白さが撮れない事にジレンマを感じていたのでしょ
う・・・・・そこで、一つの作戦を考え出しました。
それは・・・・・
私の友人の家( マンションの一室 )の全ての部屋にカメラを設置し、24時間体制で彼を撮影
し続けるというものでした・・・・・
「 漫画家アシスタント 第9章 その11 」( 2月20日頃公開 ) へつづく・・・・
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( この写真は、私が務めるJプロの音響機材です。私のすぐ右隣にあって、主にラジオを聞いています。カセット
の扉は崩壊しホコリが溜まり、ラジオのみ音が途切れ途切れに聞き取れるという代物です。30年以上、Jプロの
音響システムをカバーしてきました・・・・・まだ使うようです。小島慶子だの荒川強啓だの野球中継だのを毎日・
・・・・《 2011年12月、撮影 》 )
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その9
《 漫画家アシスタントが・・・お笑い芸人をやれるのか・・・!? 》
確か・・・・・去年の11月頃だったと思うのですが・・・・・テレビの制作会社からのオーディショ
ン出演依頼( 事実上のTV出演依頼 )は、女性のADさん( アシスタントディレクター )からの電話でした
・・・・・( ※参照 )
「 よく分からないので、少し考えさせて下さい 」
・・・・何も分からない私は、そう答えてからネットでその番組を調べると・・・・・・・どうも、
素人の目立ちがり屋さん( 真面目に求職してる人も )を芸能界にスカウトする様な番組・・・・・・
出演者を見ると・・・・・いずれもユニークな面々が・・・・・確かに視聴者には刺激的な方々がそ
ろっておられる・・・・・・・・
一応、民放で日曜の夜に流れるメジャーなバラエティー番組だが・・・・・お笑いのセンスや特異な
芸能とは無縁な私には付いていけない・・・・・・!
この「 テレビ出演 」の事を知ったうちのカミさんは・・・・・
「 テレビに出るの? スゴ~~イ、良ィ~じゃな~いッ! 」
と、喜んだりしたのですが・・・・・
「 冗談じゃないよ、これは、結局・・・・笑い物になる番組だよ!! 」
と、キッパリ断るつもりだと・・・・・。( このブログの読者の中にも、残念に思う方もおられるか
も・・・・・ )
もっとも、私がタレントやお笑い芸人を志望しているなら、こうしたオファーは絶好のチャンスな
のかもしれないのですが・・・・・・・・
ラジオでインタビューを受けるだけでも死にそうになっているのに、テレビカメラの前でお笑い芸
人のマネごとなど出来るわけもなく・・・・・・・・。
翌日、今度は局のディレクターから電話が入ります・・・・・
「 一応、こちらの演出の意図がありますので、それにそってですね・・・・・ 」
・・・・・・やはり・・・・・・・!
『 ・・・・カメラの前で道化を演じなくてはならないのだ・・・・! 』
私は、相手を怒らせない様に・・・・慎重に断るつもりで・・・・・
「 ちょっと今、忙しくて・・・・・出られそうもないんですが・・・・・ 」
「 ・・・・・はぁ、そうですか・・・・・・・・・ 」
私の反応を「 想定済み 」といった感じで、軽くあしらいながら・・・・・
「 もし・・・今、なにか本でも出しているとか・・・・何かやっている様でしたら・・・
うちの番組は影響力が大きいですよォ・・・・ 」
この「 影響力が大きいですよ 」という一言が問題である・・・・・つまり、出演は本の売り上げ
に繋がるのだから・・・・・という「 バーター取引 」である・・・・・・・
テレビカメラの前で、ほんの短い時間、「 お笑い漫画家アシスタント 」を演じる事で出世の糸口
( 何の保証も無いが )をつかむ・・・・・
「 やはり・・・・・出られませんので・・・・・ 」
そう断る私に・・・・・
「 そうですか・・・よ~く考えて下さいね・・・・・もし、気が変わったらすぐに連絡
を下さい 」
・・・・・この「 よ~く、考えて下さいね 」という言葉がやけに心に残りました。
・・・・・これは、つまり・・・・・・・・・・
ディレクター氏が、私に「 バカになってくれ 」と言っているのではなく・・・・・・・
彼女は、私に・・・・・・
「 利口になれ! 」
・・・・と、言っているわけです。
テレビカメラの前て小さなチンチンでも空っぽの脳ミソでも、全てさらす勇気や根性が私
にあれば・・・・・・・・
もっと・・・・・もっと、面白い漫画が描けたのかもしれないのに・・・・・・・・・・
・・・・・などという事を反省しつつ次回につづく・・・・・・・・( ホントはたいして反
省してないが )
「 漫画家アシスタント 第9章 その10 」( 2月10日頃公開 ) へつづく・・・・
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・テレビの・・・・・・・・民放某局の「ドラフト」がど~のこ~のという番組で日曜の夜
に放送している。実は・・・私はよく分かっていない。
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