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RIPES BLOG https://ripe.hatenablog.jp/

記事の中身は「R65」。年の功がある人(RIPE)向け。だからジャリは侵入禁止!

RIPEとは成熟の意味。昔、クリントイーストウッドらが出た「スペースカウボーイ」という映画があった。ジジイ宇宙飛行士が地球を救うために宇宙に行く痛快作。由緒正しい宇宙飛行士は「ライトスタッフ」と呼ばれたが、彼らは尊敬と揶揄を込めて「ライプスタッフ」と呼ばれた。「熟年」という言葉は嫌いだが、「ライプ」はイカス!と思って命名。

R65 RIPEKUN
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住所
新宿区
出身
佐渡市
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2015/06/19

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  • 「どちらの神様にしようかな~♪」

    明後日11日は「建国記念『の』日」。移動祝日が多い国にはめずらしくこの「2月11日」は動かず、今年は飛び石の休日になった。この祝日が難産の末に「の」がついて生まれた経緯やこの日付決定までの論議については、知る人も少なくなった。 それはともかく、自分の関心は古い神代にあり「二柱の神様」のいずれを選ぼうかと迷っている。構想中の本において、主人公らを迎えるイマーシブ施設「言霊百貨店」側の案内人に据えるためだ。 候補の一人は「天児屋命」(アメノコヤネ=天言綾根命)で、岩戸に隠れたアマテラスを引き出すために祝詞を奉じたことから「祝詞・言霊」の神様とされ、子孫は藤原氏、春日大社の縁起とされる。 もう一人は…

  • 鉢植えたちの「終活」はなし?

    いつもこの時期に同じ記事を書いている気がするが、今冬も鉢植えのカランコエが一斉に花をつけた。アロエの「不夜城」もボスの茎を切ったら子分どもがワサワサと伸びた。前者は三軒茶屋キャロットタワーの花屋で、後者は農大の学祭で、いずれも2011年に購入したもの。同じ鉢で植え替えもせず、思いついた時に水をあげ、冬場は室内に入れる。これだけでもう14年も生きていることに呆れる。 自分の終活をたまに意識し、気まぐれに断捨離しているのだが、この二つの鉢植えについてもどこかで始末しなくてはならないと思っている。新宿区では花卉類の残土はゴミに出せなくて専門業者に依頼しなくてはならないのだ。当然有料(1段ボールあたり…

  • 「なれ」をどう書き分ける?

    あまり面白くない記事でごめん。 年齢とともに心身の可塑性・柔軟性が落ちている気がする。今の現場は昨年11月からだが、まだどこか「なれ」ない。こういう場合の「なれ」は「慣れ」(used to~、仕事の中身から新たに順応するならaccustomed to~かな)。 時間をかけて人になつくのは「馴れ」(familiar)と書く。度が過ぎたら「馴れ馴れしい」と言われる。 また他人や仕事に慣れすぎて腐敗した関係は「狎れ、狎れあい」で、どこかのタレントとTV局のはもう共謀(collusion)ダネ(笑)。(東洋経済オンライン1月29日 イラスト北沢夕芸) 実は腐敗と発酵は紙一重。人間に無害かつ有用なのが発…

  • 「花びら餅」から始まる和菓子の暦

    自分に甘いので、「大寒」でも仕事に出てゆく自分を誉めてあげようと美味しいものを振る舞った。買ったのは和菓子の「花びら餅」と道明寺の「桜餅」。「花びら餅」は白味噌餡を求肥で包んだものだが甘煮したゴボウが挟まれているのがポイント。茶席では毎月季節感を踏まえた和菓子が出されるが「花びら餅」は1月の主役(とくに裏千家)。 一方、「桜餅」は4月の菓子で花見団子などもそうだ。この時期に買うなんてそそっかしすぎたと反省。ついでに他の月でめぼしいものを挙げておくと、5月は粽や柏餅。6月は「水無月」と「若鮎」がポピュラー。「水無月」は白いういろうにあずきをのせて三角形に切る……夏は水羊羹などで涼し気に、秋には紅…

  • いっそ「大寒」を愉しみますか?

    寒い!陽射しがあっても風がギリリと温みをはぎ取る。終日立ちっぱの仕事はヤダなぁと、我慢強くないワシは愚痴るが、天象は容赦ない。24節季の「小寒」が20日から「大寒」に変じて2月3日まで続く。 今の現場は小学校校庭で白梅が一本だけ1週間前から咲き始めた。かじかんで風流気分じゃないので、梅に「お前、おかしいだろ」と当っている(笑) 縮こまって愚痴るのも腹立たしいので、ここは”逆手”で、いっそ「大寒」を愉しもうかと思い直した。「大寒」ならではの風物詩、旬のものがある。●寒仕込み:冷たい水を使って米や味噌を仕込むと発酵がゆっくりになってウマい。でも味わえるのは10月頃だから根気がいる。●節分:「大寒」…

  • LA火災の英語ニュース

    先週8日から米加州LAの火事に関するニュースが爆増。リアルな情況を知りたくて多くの英語ニュースを視た。頻出して印象に残った言葉をあげてみよう。 *wildfire:自動翻訳では「山火事」と「野火」の2種が出る。J.ロンドンの小説「The call of the wild」の2通りの訳を思い出す。*reservoir:タランティーノの映画「Reservoir Dogs」は”ワルの溜まり場”的な意味だが、火事では「貯水場」が空っぽと報じている。*acre:ヤードポンド法に固執する米国だから焼失面積を「エーカー」で表す(1ac=約4047㎡=1210坪)。ヒマ人が調べたら上池袋東公園( 4046.2…

  • 心がザワつく昭和おんな歌 5選

    きわどい立ち位置に立ってしまった女の心情を感じるワシ(笑) 全然経験なくても心ザワつく言葉のパレット。不思議な魅力がありますね~(Jasrac御免) #01 とまどいトワイライト(豊島たづみ)「♪映画の話もそろそろ尽きて、店を替えようと誰かが言い出す とまどいトワイライト♪心が揺れる……このまま帰っても~だれもいない部屋のドアを開ける音を聞くのが辛い♪」(阿木耀子)#02 駅(竹内まりや:作詞も)「♪それぞれに待つ人のもとへ 戻ってゆくのね 気づきもせずに♪……改札口を出る頃には 雨もやみかけた この街にありふれた夜がやってくる♪」#03 窓ガラス(研ナオコ)「♪それよりも雨雲が気にかかるふり…

  • 人並みに「初」づくしの元旦

    松の内にやることは何でも「初」になる。初散髪して初入浴して初着替えして初メシ食って初詣に出かけた。でも初寝坊の果てだから時間はとっくに1時過ぎ。なのに近所の須賀神社は参詣人が多くてお詣りは諦め、脇の末社の大黒天に手を合わせて帰ってきた。ついでに初コンビニと初Dr.Pepperも。 この町に来て13年目だが、この氏神様の縁起を知りたくなって初調査。YouTubeには栃木・小山市の須賀神社初詣が出てくる。四谷の方のネタでは「例の階段」で『君の名は』ごっこしているショートがある。これやる連中多いけど古い(2016)アニメだよね。 『君の名は』には、今書いている本で引用したい箇所がある。その一つが初め…

  • 長くない「長」の話

    「♪伸びた影を舗道に並べ〜♪」(雪の華)は幸福デートの歌だが、今の冬至期間(1月4日まで)の長い影は「寒影」とも呼ばれるくらい寒々しい。日照はありがたいがすぐ暮れて長々続く暗い夜は嫌だ。黄道のささいな傾きが季節を巡らしてしまうのがすごすぎる。 長いと言えばこの冬、我が四谷三丁目交差点のペンシルビルに長いイルミネーションが点いた。この町らしからぬ華やかさが新鮮だ。 「長」はモノの長さや時間にも用いるのは英語のLONGも同じ。longの切望するの意味には「首を長くして」が対応するから両者はほぼ同義。だが時間が永遠なほど長くなると「永」になって「永(なが)の別れ」などと使う。マーロウが出てくるチャン…

  • 柿が好き丸ごとが好き子規が好き

    果物売り場から柿が消えて柑橘類に換わった。淋しいが今年は良く食べたので悔いはない。最後に食べた2個はわが佐渡の「おけさ柿」。最近はドライアイスで渋抜きして発送するらしいが昔は焼酎「ざわし=渋抜きのこと」だった。近所のセブンで4個600円。一つはお好み焼きにしてチェダーチーズと合わせた。チーズの焦げと柿の甘さで何となくフルーツサンド風。もう一つは未練たらしくも、食べるのを延ばしたので実が柔くなったのでヘタを取って中味をスプーンでくりぬきながら食べた。皮の向こうが透けるほど薄く削いだのはちょっといじましいか(笑)。 標題の句は小川千子という人の句だが、まるで子供みたいな言葉使い。でもちゃんと子規(…

  • 本日「セップク」致し候

    「時は元禄15年師走半ばの14日……」そうです!今夜は赤穂義士討入りから322年目。自称忠臣蔵語り部としては何かを伝えねばならぬ。ということで行ったのは高輪泉岳寺の義士祭(ぎしさい)。晴れた土曜の昼下がりとあって境内は大変な混雑。墓参りの列は2時間待ち。人混みは門前から第一京浜、高輪ゲートウェイ・シティの工事現場前まで続く。これは義士扮装の隊列を観んとする人々でやはり2時間前からたむろしているらしい。実際の隊列はショボかった(笑)。 松の廊下で刃傷沙汰を起こして即日切腹を命じられた内匠頭がここに祀られているのは浅野家が泉岳寺復興の5大名の一つだったからで。代々の菩提寺だった。吉良の首級を挙げて…

  • 「鴨の脚」と共に行く秋

    今も小学4年で習うようだが、与謝野晶子の句に「金色(こんじき)のちひさき鳥の形して銀杏ちるなり夕日の岡に」というのがある。校庭にあった銀杏の落ちるのを見ては「何とすばらしい表現だろう」と子供なりに感心した。 長すぎた秋?がやっと終わって気温低下の予報。その直前に黄葉名所に行ってみた。まずは家から外苑東通りを権田原まで南下。そこから神宮球場側に右折すると「明治神宮外苑いちょう並木」に出る。覚悟はしていたもののすごい人出、中韓やアジアの人が多数。ハンバーガーのshakeshack前は承認欲求族のスポットで派手な外車止めてポージング。「ダメだこりゃ」と早々に見切りをつけて、バスで新宿1丁目に向かう。…

  • 『丁寧な暮らしをする餓鬼』

    コロナ禍に「丁寧な暮らし」という言葉が流行ったが、すなおに思い浮かべたのは英国人ながら京都大原に棲んでハーブの栽培に打ち込んでいた故ベニシア・スミスさんだった(没年は2023年6月)。で、彼女らのことをこのブログに書いた際、このマンガ『丁寧な暮らしをする餓鬼』もチラと紹介した。本は読んでいなかったが、ガサツで欲望まみれの「餓鬼」が丁寧に暮らすという設定がブラックで、すごいセンスだとずっと気になっていた。その気がかりを引きずってついに先日、全3巻を買ってしまったのだ。 餓鬼の暮らしはこんな具合……ビニール袋は三角にたたみ、タオルをたたむ際には手荒れ防止に朴葉オイルを塗り、牛乳パックは丁寧に開いて…

  • トイレの貼り紙と「ナッジ」

    火曜のネットニュースで「京王線・山田駅(八王子市)構内の公衆トイレにある貼り紙に感謝書き込みが多数。それにXでの「いいね」が3.8万件」というのがあった。掲示されているのは「いつもきれいにつかっていただきありがとうございます」と普通の内容なのだが、1行「トイレより」と足されているのがミソ。人格(主体)を持ったトイレに対して、「いつもありがとうトイレくん」「今日もキレイでいてくれてありがとう」「こんなステキなメッセージを思いつく駅員(スタッフ)さんにも感謝です」など全て、感謝やねぎらいの言葉で英語や韓国語まである(現在は削除)。 15年くらい前のトイレ貼り紙は、ただ「きれいに使って」というだけだ…

  • 新宿ブラブラ2024

    気温は上がらぬものの素晴らしい晴天につられて昼下がりの新宿に。メインの用事は医院での抜糸。急にできたホクロの除去手術を皮膚科で行い、保険利用で6500円の出費だった。悪性でなく老人性のもの。その前後に少し新宿をブラブラして愉しかった。(写真左から)●新宿バスタ裏側のスイカ広場から見たドコモビル。寒風の下でもカップルさんは熱いんだね(笑)●地下鉄のマナー広告。いわゆる「スマホゾンビ」対策で絵がカワイイのに下段の「さあ、顔をあげよう」がイカサナイ。中吊りには広告アワードの告知。蜘蛛の巣(Web)のように加工しているのがカッコイイし、深読みすると、地下鉄広告もネットを意識する時代だとのメッセージなの…

  • 「流石(さすが)」は土石流?

    TikTokで日本語を勉強中の米国人が漢字の体験談を披露した。彼は「流石」という語の意味を知らぬままに。二つの漢字から類推して「石が流れる……これはの土石流の意味だな」と考えた。が、調べてみて違った。「予想どおりに」とか「期待に違わず」という意味だと知って驚いていた。 字の音訓に「さ、す、が」がミリもかすってないのも不思議だが、ちょっと屈折した語源があるようだ。元になったのは「漱石枕流」という成句で、「石」と「流」を取って合わせた語だ。四文字成句の方は「石に口をすすぎ、流れに枕す」の意味になる。こりゃ、歯がボロボロになるし耳やら鼻やらから水が入って大変だ。ありえない! 本当は「石を枕にし、流れ…

  • 「今日がその日ではない」よね

    思い立って映画を観に行った。『侍タイムスリッパ―』という笑える時代劇。話はこう。幕末に会津藩士高坂某が長州藩士を討とうとした瞬間、落雷。気が付いたら現代の京都映画村。そこからゴチャゴチャあって時代劇の「斬られ役」として暮らして行く……。かなりベタな関西喜劇&人情劇。米農家でもある安田淳一監督の自主制作3作目だが、ミニシアター1館からの封切りが全国さらに海外でも公開されたのがこの3ヵ月間のできごとだ。エンドロールには「5万回斬られた男」の斬られ役名優福本清三に捧げるとあるし、監督は「本身の刀の重さを感じる殺陣」を目指したという。主役は『剣客商売』で息子役を演じた山口馬木也だった。でも全体はベタな…

  • 「お里が知れる」人たち

    一国の首相が、茶碗の持ち方など食事中の行儀が悪いと炎上している。行儀の悪い人には「お里が知れる」=生まれや育ちが粗雑・下品だと言われる。でも石破家は、父が政治家、母や姉妹たちは教育者という立派な「お里」なんだからご本人にしか責は問えまい。 行儀の悪い人はどこにもいる。今の現場は都内東端の古びた団地が並ぶ地域。住民はくたびれた高齢者が多く、その言動から「民度が低い」「お里が知れる」と思わせられることが多々ある。ほんの一例…… 町の公園の3つのベンチにこの半年で2度同じ貼り紙があった。「ゴミを捨てる人は徳を捨てている」「次に来る旅人のために泉を清く保て チンギス・ハーン(注=ジンギスカン、これは今…

  • 「お里が知れる」人たち

    一国の首相が、茶碗の持ち方など食事中の行儀が悪いと炎上している。行儀の悪い人には「お里が知れる」=生まれや育ちが粗雑・下品だと言われる。でも石破家は、父が政治家、母や姉妹たちは教育者という立派な「お里」なんだからご本人にしか責は問えまい。 行儀の悪い人はどこにもいる。今の現場は都内東端の古びた団地が並ぶ地域。住民はくたびれた高齢者が多く、その言動から「民度が低い」「お里が知れる」と思わせられることが多々ある。ほんの一例…… 町の公園の3つのベンチにこの半年で2度同じ貼り紙があった。「ゴミを捨てる人は徳を捨てている」「次に来る旅人のために泉を清く保て チンギス・ハーン(注=ジンギスカン、これは今…

  • 好奇心と満足感の関係

    英国の諺に「好奇心は猫を殺した」(Curiosity killed the cat)があって「行き過ぎた詮索は身を滅ぼす」て意味で使われる。だが20世紀初頭に米国で次の一句「but satisfaction brought him back」が追加された。訳すと「でも満足感が彼を蘇らせたよ」となり、前半の警句的な印象が消える。米人好みらしい。 さてさて今週のわが好奇心てんまつ。別に死にも蘇りもしなかったけどさ(笑)。★築地の大辛塩ジャケにむせる 従兄弟を見舞いに築地に行った。余命宣告されてるが元気そうでうれしくなり雑談一杯。市場に大辛塩紅ジャケを売っていると聞き人混み縫って三切れ1200円也を…

  • 「衣の下から鎧(よろい)」

    40歳以下の人は使わないし意味もわかるまいと思える言葉を「死語・廃語」として我が『言霊百貨店』3Fの倉庫(アーカイブ)に格納しているのだが、近年それの増え方が尋常ではない。このままだと日本語はカタカナ語ばかりになってやせ細る気がしてならない。 今日も「衣の下から鎧が見える」という言葉を足したのだが、この意味についてGoogleのAI要約がひどかった。「強さ(鎧)に裏付けられた優しさ(衣)を持とう」との趣旨だとある。これは玩具コレクター北原氏のブログ内での異説に過ぎないのに、まるで第一義のように切り取る。困ったものだ。AI検索は信じてはいけない。本来は「本音(戦意)を隠して和平を装う」との意味だ…

  • アレは「盲導鈴」だった(泣)

    書き進めている話の出だしは”街の音”で、早朝、主人公の女性が都営新宿線曙橋構内に入るシーンから始まる。ホームに降りる階段で彼女は鳥の鳴き声に気づく。ホーホケキョ。「あれはウグイスね。まさか駅の中にいるわけないし……チャイムか。でもなんでここにウグイス?」と考えて思い当たったのが「ウグイス=春告げ鳥。『春はあけぼの……』そうか!『枕草子』ね。う~ん、駅の人、なかなかやるなぁ~」と感心する。『光る君』でも知られるようになった日本文化の精華を、ここでチラッと見せようかと考えた。 しかしこのアイデアが、今日崩れた!同じ新宿線の九段下駅を出る時、やはり階段付近で同じ「ウグイス」の音がしたのだ。「え、ここ…

  • 知らぬ人らと隣り合わせて……

    元禄期の絵師に英一蝶(はなぶさいっちょう)という人がいる。絵師であると同時に芭蕉門下の俳諧師かつ吉原遊郭で幇間(たいこもち)。なにせ犬公方・綱吉治下の時世だから風俗紊乱で12年も三宅島に島流しにあった。三宅は八丈ほど遠くもなく、近隣の島々との交流も密なため、流人ながら絵の注文もたくさん受けた。この時期の作品が「島一蝶」と呼ばれて評価が高い。絵師は注文で何でも描くが、気ままに描く風俗ものに「雨宿り」が複数ある。どこかの屋敷の軒下に、雨に降りこめられた貴賤・老若男女・職業・身分も様々なものたちが時を持て余している様子が滑稽で近しみを覚える。同趣旨のものには、渡し船に乗り合わせる場面のものもある(写…

  • 「リンゴ屋」さんが出現……

    10月にはいってすぐ、四谷三丁目の地下鉄階段傍の店舗に「リンゴ屋(店名は相馬家)」さんがオープンし、若い兄ちゃん二人が接客していた。雨だったがそこそこにお客さんが並んでいた。 昔から駅前にはトラックに載せた果物を売る怪しげな商売があったし、昨今は外国人が畑から盗んで売るケースも頻出していて、こういう商売には少しうさんくささがある。でも、ちゃんとチラシがポスティングされていたしノボリも作っている。失礼ながら「いつまでやるの?」と聞いたら「ずっとです」との答え。でもこの場所は、シャッターこそあるものの自転車2台も入らないほどの極狭敷地。RENTとあっても年に数回正月飾りとかの節季ものを売る人が使う…

  • 博物館&散歩の愉しみ

    雨で涼しくなった今日、やっと東博(東京国立博物館)に行き、印刷の凸版とコラボしているデジタルミュージアム「空海 祈りの形」を観てきた。東寺講堂には21体の仏像が「立体曼荼羅」として配置されているが、それを凸版得意の高精細3D画像にして見せるものだ。昔から凸版が各地の社寺や博物館と提携してアーカイブ化しており、前回の「江戸城天守閣」を見逃して悔しい思いをしてきたので、今回はそのリベンジ(?)気分もあったが、結果は満足。事前にネットで東博の入場券を買い現地でさらにシアター券を買う方式(計1600円、夏場に入口まで来たが長蛇の列に尻込みして帰ったことからネット買いに変更)。 長蛇の列は西美(西洋美術…

  • 好事家たちの昼下がり

    月初めの爽やかな日、バイト休んである「シンポジウム」をのぞいてきた。テーマは「ライオン像のひみつ」とあり、三越本店前にあるライオン像にまつわる謎を探ろうとの趣旨だった。主催は「三越350年の記憶プロジェクト」なる団体で主に三越OBらしい。 自分が声をかけてもらったのは2016年に出した三越の本で、このライオンによる独白を章の初めに置いて書いたことで、少なからぬ縁があろうとの理由だった。ちなみに三越が三井呉服店から譲渡されたのは1904年、新・本館が竣工しその玄関にライオン像が置かれたのは1914年の今日だった(110年目)。 このライオンのモデルは英国トラファルガー広場のネルソン提督像の足元に…

  • ギリセーフでタブレット買換え

    2017年製のhuaway8インチタブレットをずっと使ってきたが、写真丸囲みのように画面が本体から浮くようになった。2年ほど前からバッテリーの持ちが悪くて充電コードを繋ぎっぱなしで使っていたのだが、ついにバッテリーに寿命が来て膨らみ始めたようだ。このまま充電などしていると、いつ爆発発火するかわからないヤバさだ。で、ついに買い替えることにした。 ネットで買った新しいタブレットは同じく中華・深圳のhigrace製10.1インチのandroid14対応。1万円以下にポイントなども使って約7000円でゲット。まだ完全にはカスタマイズできていないが、前機の主要なアプリは簡単に継承できるので違和感は少ない…

  • 今「沼る」モノ3つ

    世の「流行り」に巻き込まれると当惑と不快を感じてしまう。とくにネット流行語にはいつも戸惑う。「沼る」もその一例。食べ物やゲームやアイドルなど、何かに夢中になって簡単には抜け出せない状態(底なし沼)を指す。 でも「流行り」に”沼って”みると、共犯意識のような帰属感があり、いっとき「軽薄、移り気上等よ!」の気分になるがすぐ飽きるし恥ずかしくもなる。 芭蕉は「奥の細道」体験を経て「芸術の本質は不易流行にあり」と考えた。「不易」はいつまでも変化しない本質的なもの、「流行」は新しく変化し続けるもので「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」と両者のバランスを説いたが、実は両者は別物で…

  • 夏と秋の間に「残暑」を〜♫

    ♪夏と冬の間に秋を置きました♪はオフコースの歌だが、二百二十日過ぎたのにしつこ過ぎる残暑。「いい加減にせい!」と怒りモードになる。 現場近くのサルスベリもやっと実をつけたがまだ青く、先月来、赤いフリル状の花を咲かせ続けている。さすが「百日紅」だけある。杉浦日向子が北斎と娘お栄を描いた漫画にこの題をつけたのは、何時までも制作意欲旺盛な北斎にふさわしいと思ったからだ(彼の享年は88歳)。人生百年はややうっとおしい。 一方、地ベタでは「玉すだれ」が白い花をポカポカと咲かせている。これも何だかノーテンキでいらつくなァ。だいたい名前からして変すぎる(笑) 周囲に「秋の気配」は無いものかと探すと、プラタナ…

  • ショベルカー 17杯目は そっと出し

    好きな川柳に「居そうろう三杯目にはそっと出し」というのがある。居そうろうの厚かましさと恥じらいが半々ずつ見えるおかしみがある。 「メシ」を盛られる側でなく、盛る側目線で見ていて面白い現場作業もある。ショベルカーが解体ガラをダンプに盛る作業だ。20トンのトレーラーにガシガシ盛るのだが定量がある。今回はあの大きなショベル(バケット)で17杯分であり、最後の一杯は微妙に盛る量を按分してソッと盛っていた。 当初、この作業を漫然と見ていたのだが、ふと頭で計量したくなった。 まずショベル(バケット)がガラを山盛りすると体積は何㎥か? ショベルの大きさから0.7㎥と推定する。鉄筋クズを含んだコンクリートガラ…

  • 楼上の蟻のごとく

    トピ職の男たちが、地上9階に相当する足場の解体をしている。筋交い(ブレス)、建てワク、先行手すり、踏板(アンチ)、階段……と順番通りに部品を一つずつ手作業で運び、滑車(ホイスト)で下ろして行く。地上の受け手がそれらを手際よく積む゙。この階の高さは約30m、横幅は200m。職人たちの姿が高楼にうごめく様子は蟻の営みに見える。炎暑の下で働く姿に敬服する(写真はひと月前に撮影。現在の高さはこの3分の2)。 彼らをなぜ「トビ=鳶」と呼ぶのかは諸説あるが、江戸期の火消しから始まったらしい。とくに加賀藩の大名火消し「加賀鳶」のイナセぶりは有名。その必携道具がトビ口(ぐち)だったから、これが由来だろう。火消…

  • アホなアイデアを愉しむ日常

    自分の生活の半分は警備員だが、残り半分は「もの書き」だと思っている。とくに今はガイジン向けのでかい本のために山ほどのプロットを用意することに集中している。例えばこんな感じ…… 主人公の若い帰国子女が率いる外人ツァー一行がついたのは「ことだま百貨店」。案内役に出てきたのは黒衣(くろこ)姿の3人組。まず名乗りから。 A「私はサイトウです」、B「タカハタです」、C「ワタナベです」で、それを漢字でどう書くかを当てろという。まずは客人の「言霊力テスト」だ。 で辞書を使いながらツァー客たちは答えてみるが「斉藤、斎藤、齋藤?」も全敗。答えは「才藤」だった。TikTokで英国のコメディアンが日本で笑バーをやっ…

  • 今や日本特産?「ラ・フランス」

    昨日夕方、近所のコンビニで洋梨を見つけた。2個で600円とは自分には高いが、あのステキな香りが味わいたくてエイヤッと購入。下ぶくれの形も好きなのでピーラーで丁寧に皮むき。その食感は「バター梨」との別名通りで果肉はトロトロ、程よく甘い……でも、何だか物足りない。期待した香りが弱いのだ。そこで気がついた。これは洋梨だけど「ラ・フランス」ではないと。第一、旬の時期よりひと月以上も早かった。第二に形も上部が細すぎる。第三に長野県産だった。 調べたらこれは洋梨の「バートレット」のようだ。ちなみに、洋梨の国内最大産地は山形県でダントツ。青森、新潟などが続く。新潟では「ル・レクチェ」という品種が主流で出荷時…

  • なんでこの映画を観るの?

    週末、都内はどこも人で溢れる。加えて怒りたくなるような猛暑。それなのに昨日は新宿へ出かけ前日封切りの韓国映画『ソウルの春』を観てきた。昨年制作で韓国歴代1位の観客動員数を記録したのだが、中味は1979年の軍事クーデターをベースにしたフィクションでハッピーエンドの娯楽作品ではない。上映時間も2時間21分で腰痛&空腹必至! まるで苦役のようでも観たかったのは、時間の空白を埋めたかったからだ……この言い方、気取ってるねぇ(笑)。自分が生きていた時間に、知らないことがドカドカ起きていて後の世間を変えてしまう事変がたくさんある。日本の貧弱な報道力で上っ面だけの情報は知っていても立体感でつかめていない。 …

  • いそいそと秋支度

    蒸し暑さは続くが、空に入道雲やウロコ雲が出るようになり、いかにも旧盆過ぎ特有の空気になった。それは夏休みが終わる憂鬱な、サザエさん症候群の気分も生じる。そう、9日間に及んだわが夏休みも終わって今日から仕事再開なのです(泣)。 仕事に出る前にささやかな「秋支度」をした。お仕着せの制服が嫌いなので夏は私服で通した(どうせ空調服や安全チョッキも着るから)。で、秋もそうしようと思い秋用のシャツを用意。だが、ここで小細工が要る。制服着なくても交通誘導には腕章を付けた方が良い。規定上は、袖に安全ピンで着けるか紐を通して肩章にくぐらせるか、である、だが着脱に手間取ってダサい。そこで自分はマジックテープを使う…

  • 夏休みがほっこりスタート

    今日から18日まで9日間の長い夏休みに入った。日銭換算の労働者としては金銭的には厳しいが、気持ちをフレッシュにする方がずっと贅沢でうれしい。その初日はとてもほっこりできた。 洗濯・掃除・買物・入浴とルーティンをこなしての夕食。前半は……明治神宮外苑花火大会をYouTubeの実況を視ながら、つけめんと缶ビール。具はハム野菜炒めとゆで卵。でも花火中継は退屈だった。各地で自粛が多いとはいえ、すでに隅田川、長岡、淀川、三重紀北町などのすごいのをたくさん見てしまい。コンピュータ式打上げの進化が花火を別物にしたと感じていたのでこのLIVEはつまらない……脱線、打上花火の市場は40億円台で頭打ち。製造業者は…

  • 9月は「セッセと郵便する月間」?

    仕事では半月ごとに出勤伝票を管理会社に郵送しているので、84円切手をまとめ買いして使ってきたが今月で尽きる。9月用の2枚が足りない。 郵便は10月から84円が110円に値上げされ、ハガキも63円から85円になる。消費税や人件費を理由にチビチビ上げて来たが、平成アタマの連中は、いまだに郵便80円、ハガキ50円と思っているんじやないか? 実は自分も少し遅れていて引出しの奥にあったのは62円のハガキ3枚……そこで「足りない切手を入手するためにこの古ハガキと交換すればイイ」とカシコクもひらめいた。 今日、近所の郵便局に行ったがハンパな差額が出た(62×3-84×2=18円)。が郵政は現金で交換しないの…

  • タモリが「弔辞」を読んだ日

    2008年の8月2日に漫画家の赤塚不二夫が亡くなり、7日に葬儀が行われた。その時の友人代表タモリの弔辞が情義を尽くしかつ個性的だったと評価された(写真はWithnews)。 いわく「赤塚はギャグ漫画の天才であり人柄も素晴らしかった。上京して芸人になれと勧め、マンションに住まわせてくれるなど惜しみなく支援してくれた。なのに生前一度もお礼を言わなかった。互いに他人行儀になりたくなかったから。自分は赤塚の作品の一つだ」と。 タモリと赤塚の交流などについては近藤正高の『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)に詳しい。終戦の8月に生まれたタモリの足跡を戦後日本の世相に絡めつつ書いている。また満州生まれ…

  • 「佐渡金山」で想うこと

    先月27日、佐渡金山の世界文化遺産登録が決まり県内外に祝賀の声が満ちた。でも正直にいうと都内在住の自分の周囲の関心は薄い。2007年の石見銀山含め国内26件目ということや「強制連行/強制労働」のクレームでウンザリさせられたことも起因しているだろう。 今回は丁寧に展示説明するものの「強制連行/強制労働」の表現は用いていないのは正しい。佐渡市議・広瀬大海氏がそのことを確かめてFBで報告していたが、そのバランスの取れた見識は偉い!。 心配なの今後だ。「強制連行/強制労働」を言い立てる人はまだ多いから展示内容に言いがかりをつける輩は出てくる。2年前に出た竹内某氏の『佐渡鉱山と朝鮮人労働』(岩波ブックレ…

  • スイカとの「不等価交換」?

    一昨日、仕事から帰ってきたら大家さんが庭先を掃除してた。「いやぁ暑かった!」とボク。「うん、体気いつけてよ」と大家さん。そして部屋に入るとすぐ大家さんが来て、自分で育てたという小ぶりのスイカをコロっと渡してくれた。皮が薄くてめちゃ甘い。勢いで半分をペロリと食べてしまった。 今日はそのお返しを買いに京王の「久世福」に寄った。朝食はパン派の大家さんのために、あんバターやあまおうのジャムなどの詰め合わせに、棚で見かけた「豚味噌」や「サバほぐし」などの「ご飯の友」も追加、全6品。お礼を言いながら渡したら、「あんな小さなスイカでこんなに貰って悪いね」と恐縮していたが、長い付き合い、友人でもあるとの気持ち…

  • わが「猛暑日対策」3選

    梅雨明けしたのは良いが、すぐ34度の真夏日が続き、休みの今日は36度。来週は猛暑日が続く。日陰の無い場所で立ちつくすのはラクじゃない。やれやれシンドイなァ。でも、乗り切らねば……●対策その1 冷却タオル作戦 厚手の湿ったティッシュを襟首に巻いてから空調服を使うと、風が抜けていく時に熱を取ってくれるので助かる。乾いたら交換で日に3枚ほど使う。ためしに足首にも巻いて靴下で押さえてみたが、ズボンの裾をしょっちゅうたくし上げないと空気が流れない。ま、少しは効くような気もするけどね。●対策その2 さわやか入浴剤作戦 汗だくで帰るとすぐに風呂に入りたくなる。ぬるめの半身浴だが、欠かせないのが入浴剤。今気に…

  • サンドイッチと論語の滋味?

    楽器を奏でるにも原理がある。笛で高音を出すならより細い穴に通すように息を吹く。鼓なら右手で握る調べ緒で革を強く張る、てな具合(らしい)。こういうことを週1で3回ほど学び、4週目におさらい会をしてくれる教室が大森にあった。 笛が専門の友人イオさんがここで小鼓を習ったとかでその会に行った。妙齢のご婦人たち25人がきれいなお召し物で次々登場。これが終日全3組もあるというから盛んなことだ。そのあでやかさもさることながら、研鑚に励む前向きさに感動した。 で、話は前回の「友あり遠方より来る」にからむんだが、『論語』冒頭のあの文は「研鑽」を主題として読むとより味わい深いように思う。3段構成で、最初は「師から…

  • 遠来友人との「カスハラごっこ」

    新潟魚沼の友人ハトリさんが久々に仕事で上京し、うれしくも連絡をいただいたので仕事帰りに渋谷で逢った。自分は渋谷は苦手なのだが、彼はどうも「渋谷スカイ」を見学したかったらしい。それをなんとか胡麻化して旧宮下パーク(渋谷横丁)界隈を散歩……ま、ともかく積もる話もあるので早目のメシでも食いながら駄弁ろうと、ヒカリエに行った。 店名は書けないが要するに「そうめんを研究してます」が売りの店。たしかに店員は白衣を着ているし酒はビーカーらしきものに入ってきた。注文は(最近はどこもそうだが)すべてスマホでQRコードを読み取って行わねばならない。間違っても「スンマセーン、お姉さん」とやってはいけない。だが、その…

  • 「ジャイキリ」の夢を見たさ

    日本がラクビーW杯で南アフリカを破った時や、サッカーでドイツ代表を破った時など日本中が興奮し「ジャイキリだ」と報じられたものだ。普通なら勝てそうもない格上の相手を格下のものが倒すのが「ジャイアントキリング」だ。言葉の出どころは英国の童話『ジャックと豆の木(Jack and the Beanstalk)』。 去る7日に投開票が行われた東京都知事選。生まれて初めて投票に行ってみたのも、”政治屋との決別”を掲げた新人候補に「ジャイキリ」の夢を叶えて欲しかったからだ。だが結果は夢に終わった。 落胆はしていない。先月27日に期日前投票に行ってから7日までの10日間、「ジャイキリ」の夢を見させてもらい、愉…

  • 生まれて初の選挙/投票をした!

    人生は単純じゃないから、たいていの人は、死ぬまで口外できない隠し事を持っている。中には当人だけが深刻ぶっているだけで世間的にはどうってことない問題もある。……実はワシ、74年生きてきて数十回も大小の選挙がありながら一度も投票に行ったことがなかった。国民の義務に反することだし威張ることでもないから誰にも言ったことがなかった。そして当然ながら結果について文句はいおうと思わなかったし、政変も冷たく見、特定の候補や政党に肩入れする言動もしなかった。……ま、その理由や経過、説明はやめときましょう(笑) それが今日ついに「禁をおかして」投票(都知事選の期日前投票)に行ったのは、若い某候補に奇跡を起こして欲…

  • パソコン買換えのワケ

    今日6月15日は昔のサヨクには東大ブント「樺美智子虐殺の日(1960)」として記憶されたものだが、今の自分には別の人物の方が少し近しく感じる。 その人物とは774年今日生まれた空海(弘法大師)だ。 今、執筆中の「コトダマ本」の中で漢字や故事成句なども、外人にも分かるような話を書こうとネタ集めをしている。たとえば漢字の「自」は「鼻」の意味だったとか、「道」は敵の首をぶらさげて清めとした場所だったなども知った。それが空海の話にまで”道草”した。 「弘法も筆の誤り」という成句がある。勅命で「應天門」の扁額を揮毫したのだが、額があがってから「應」のまだれに点を書き忘れて雁だれになっていることに気づき、…

  • 3通りの「山王祭り」

    東京の日枝神社では、さる7日の神幸祭巡幸を皮切りに新茶奉納、稚児行列などと「山王祭り」の行事が連日あり、今日も表千家の献茶式、13日の献灯祭などと17日まで続く。神田祭と隔年交互に催される都内最大級の祭りと言える。自分も巡幸の日に、友人イオさんら糀町睦会のお囃子とその山車「御幣猿」を観に三宅坂から桜田門まで追っかけた。 日枝という名前は「比叡」に通じて、猿を使い神とする山王信仰に繋がる。本家本元は滋賀・大津坂本の「日吉神社」で平安京の鬼門鎮めだ。だが、赤坂のは埼玉・川越からの勧請なので孫筋と言える。また日枝・日吉・山王と称する神社は3800もあるというが、宗教法人登録では800程度(東洋経済)…

  • お、思い出せない!

    歳と共にど忘れすることが多く、覚えられず、思い出すにも時間がかかり、やがてそのことも忘れるから、わが事ながら呆れてる。以下、事例です。◉人海戦術/重機を使えないヤバい産廃を作業員総出でコンテナに運んでいた。「人手だけやたらつぎ込む方式。何て言ったかな~」としばしモヤモヤ。◉ムクドリ/前の現場でよく見た鳥。黄色いくちばしでセコセコ歩き鳴き声が汚い。漢字の「椋(むく)」を思い出してからたどりついた。◉ヨギボー/「人をダメにするソファ」と言われながらやたら売れたビーズ入りクッション。ヨガ?ギボ?なんたらか……とモゴモゴ言ってたどり着いた。◉通訳案内士/外人相手の観光ガイドで国家資格。何ってたかな?……

  • 「文芸もの」三昧だった5月

    5月に入ってからバカみたいに小説を含む「文芸もの」に浸っていた。何かに集中しだすと止まらない癖はあるが、今回は読みたくなるネタ(燃料?)が次々出て来たために気づいたらひと月も経っていた。 きっかけは無性に幸田文を読み直したくなってアマゾンから4冊も買ったこと(『崩れる』『台所のおと』など)だった。次はイオさんにまた誘われて朗読劇で上演された泉鏡花の『天守物語』を観劇(洗足学園音大)。その余波で青空文庫で鏡花ものばかり5冊(『高野聖』『義血侠血(=瀧の白糸)』など)、前者の「山ヒル」に襲われる場面や後者冒頭の馬車と人力車の競争場面など見事。天性の「語り上手」だわ。また別の情報源でインドの砂漠緑化…

  • チャチャッと済ませる夕飯

    ヒマネタです。平日の夕飯は、とにかく手早く済ませてしまいたい。遅くとも9時には床に入っていたいのだ。寝るとは限らないけど(笑)。……外食や中食(弁当)は嚥下力が弱いから敬遠するので、簡単に作れるもので、冷蔵庫の買い置きがうまく減るように按配して用意する。でも、なにかテーマがあった方が愉しいと思う。 先日のテーマは「白」。白い食材をメインにしたかったので、木綿豆腐と本体は別使いした大根の皮そして穂先竹の子。これを出汁と薄い醤油で煮た。色どりとして冷凍のブロッコリとワカメ。 今夜のテーマは「チーズ焼き」、冷凍の里芋を少し扁平につぶしてフライパンで焼き、チーズをかけた。それと余り物のデパ地下で買った…

  • 心のタネが芽吹く…幸田文の場合

    幸田文(あや)と言えば露伴の娘で家事や暮らしや女の人生を丁寧かつ新鮮に描く作品が多い。それが72歳になってから突然思い立って、富士山の大沢崩れや富山の鳶山・常願寺川、有珠山、桜島等々に出かけた。慣れないズボンを履き、時には現地管轄職員に背負われ、山体崩壊や土石流、噴火など地殻の弱みが暴露された跡をたどり、知識と見聞を広めつつまとめた。それが『崩れ』という本だ(1991) 「人ばかりが切なかったわけでもあるまい.川だって可哀想だ.好んで暴れるわけではないのに,災害が残って,人に嫌われ疎んじられ,もてあまされる」という自然への寄り添いかたが彼女らしい。 この本のことは先の能登地震や投稿動画で検索し…

  • 財布失くして悶々の日々

    カードサイズの小銭入れを7日に失くしてしまった。いつもは帰宅して下駄箱上の小物入れに放り込むのだが見当たらない。「まさか…ヤバイ!どっかで落としたんだ」と認めるまでに時間がかかった。 現実を受け入れてから各方面への問合せ。併せてカード類の機能停止手続き。幸い、番号や連絡先は控えてある。財布の中身は銀行カードにクレジットカード2枚、マイナンバーカード、名刺1枚、現金は4000円ちょっと。1万円以上の買物やキャッシングには暗証番号が必要になるといっても大丈夫じゃない。小口で何度も使われたらお手上げだ。 思いつく場所の所管多数に電話するのに時間がかかった 帰途のバス、電車の乗車駅、下車駅。乗り入れ私…

  • いま再びの「いちご白書」

    イスラエルによるガザへの攻撃が止む気配はない。難民の避難先もテロ画策拠点との理由で破壊する。破壊されているインフラの多くは日本が無償援助で整備してきたものなのに、わが国首相はひと声もあげない。(写真はAP) 一方、欧米の大学ではガザ攻撃に反対する学生の校舎占拠を警察が実力で排除している。かつてみた光景そっくりだ。たとえば同じコロンビア大学で56年前の同日にベトナム反戦を訴える学生が排除された。そのニュースも、この実話を踏まえた映画『いちご白書』(1970)も観て、官憲暴力に怒りで震えた。「なぜ『いちご』なのか?」だが、当時、学生との団交の席で学長が「こんな議論は、しょせんいちごが好きか否かとい…

  • 「睡眠力」ありますか?

    適度な睡眠は心身の疲れを軽くしてくれる。8時間睡眠なら人生の3分の1を寝て過ごすことになる。おろそかにはできないのである。だが…… 新しい現場に出る日は、アラームを5時半にセットしているのに4時頃から半覚醒状態で輾転反側している。2時頃に一度トイレに立っているから正味6時間も寝ていない。だけど日中の業務に支障が出ているわけでもないので、このペースで良いのかも知れない。確信はない。 逆に、休みの朝は二度寝•三度寝してしまう。寝溜めが無意味とは承知しているが、こうしないと帳尻が合わない気がするのだ。 日常的に十分熟睡できないかと考え、色んな「寝落ちサイト」を試しているが効いた覚えがない。この種のサ…

  • カタバミとクローバー

    「春の地味な花」話つづき。漱石は「スミレほど小さき人に生まれたし」と詠んだ。なるほど地味だがスミレは良き花。でもこの句には彼の憂鬱が感じられる。 自分的に良き花としてカタバミ(別名;酢漿草(サクショウソウ))を推したい。ワラワラと咲くが、日が陰るととたんにクシュンとしぼむ。その様子が「片方喰われたみたい」というので片喰(カタバミ)の名がついた。でも丈夫な多年草で根付いたらしっかり増えることから、一族繁栄の縁起良い植物とされた。が現在は外来種も増え駆除に手をやくほど。 昔からその三つ葉の造形は家紋に使われてきた(酒井、長宗我部、藤堂など)。その変形の剣片喰(けんかたばみ)紋では宇喜多(浮田)秀家…

  • 春爛漫が少し「ムツゴイ」

    ポスト桜の主役を争うように花々が咲き出した。サツキ、菖蒲、フジ、花水木にタンポポ、花ニラ、長実ヒナゲシも加わってまさに爛漫。でも自分には少し「ムツゴイ」=方言で味が濃い、しつこいの意味になるが佐渡島限定ではなく、香川・愛媛でも使うらしい。 その兆しは先月にあちこちの生け垣が一斉に赤い葉をつけてから。カナメモチ普及し過ぎ!花見にニューオータニの庭園に行ったが、植込みにクドイほどの赤色のセネッティ。和風庭園にそぐわない感じはオレだけ?もう5年前かららしいが「桜にもよく合う」と自賛しているのはサントリーの園芸事業子会社だった。そして町ではサツキはますます多色・大輪になり、霧島ツツジは密生してこれもク…

  • 散る桜に未練?

    あと一両日は楽しめそうだったのに、無情の嵐。これを「桜流しの雨です」とシブイ表現を知っていた若い気象予報士のお姉さんに拍手。風にあおられる様子は「花吹雪」。花びらが水面に浮かべば「花いかだ」等々、日本人は散る桜にも未練たらたらに美しい言葉で思いやる。また特攻隊で死んだ若者を「散華」と表現した。個人的に好きなのは、「花鎮(しず)め」という風習。これは古い!桜が散るのを不吉な兆しと考え、とくに疫病が流行ることを怖れた。そこで花に向けて「結実するまでゆっくりして(やすらいで)」と祈り、「鎮花祭」あるいは「やすらい祭」を催した。有名なのは京都・今宮神社の疫社に奉納する踊りで、綾傘の風流を押し立てて黒や…

  • 「御侍史」ってわかる?

    厚労省がすすめる「かかりつけ医療制度」によって、大学病院などは患者に「できるだけ居住地近隣の医療機関に行くように」と促すようになった。術後の定期健診だけの自分も近所のクリニックを探した。だが、それには従来の主治医から病歴などのデータを入れた「紹介状」を書いてもらう必要があり、昨日入手した。 そこに書かれている言葉に注目。医院・担当名の後に「御侍史」と書かれている。「おんじし/ごじし」と読み、「御机下(おんきか/ごきか)」とも書く。意味は「先生に直接手紙するのは失礼なので、秘書や御付きの人宛てに」あるいは「直接渡さず机の下にでも」の意味。なんと、これは医療業界だけの用語だった! 業界内だけの専門…

  • 「三日会わざれば……すべし」

    色々な条件が重なって正月休みでもないのに丸1週間も休んだ。本を書き進める好機だったのに何もせずただグウタラと過ごしてしまった。夏休みの宿題、受験勉強。確定申告……うざいこと後回し。ギリギリで間に合わせる、いつものパターン、反省!でも、もう治らん(笑) 今日、1週間ぶりに職場復帰したら、この「グウタラ休み」のツケが来た。まず、駅や現場へ行くのに計20分歩くのだが、足のだるいこと痛いこと。筋肉が落ちた。次に頭が切り替わらず脳内音楽が消えない。tiktokを席巻するクリピー・ナッツの「♪bling bang bang born♪」がループする。先日までは科目三のクネクネダンス(別名ナルトダンス)の唄…

  • 後知恵で観る『ブレードランナー』

    去る19日に映画『ブレードランナー』の俳優M.E.ウォルシュが亡くなった。デッカード(H.フォード)にレプリカント抹殺を命じる警部役だったがあまり記憶にない。なにせ40年前の映画。たぶんレンタルビデオで観たと思う。 映画は衝撃的だった。酸性雨降り続くダークな世界観、芸者が映る「わかもと」の巨大看板、「2つで十分ですよ」と日本語で言う屋台のオヤジ、レイチェル(S.ヤング)の息を呑む美しさ、ハリウッドデビュー間もないオランダの俳優銀髪R.ハウアーの名演、監督R.スコット+美術S.ミードのウデは『エイリアン』で実証済み……ともかくSF映画好きには超人気の古典で、各種の新版も続き『2049年版』も公開…

  • 心の洗濯日「ジャブジャブ」

    心の情操部分に栄養が回らないと気分が暗くなる。美術館やコンサートに行ったり、痛快な本を読んだり見た目もステキな旨いものがその栄養になる……なんて気取った言い方したけど、要はたまには気分転換=「心の洗濯」が必要だという話。 今日はその「ジャブジャブ」?ができた。メインは洗足学園音大(溝の口)の定期演奏会、それも邦楽だった。エスコートしてくれたのは篠笛のセミプロでもある老友イオさん。 自由が丘で待ち合せてまずは腹ごしらえ。食べログのランチ評価が高い「大山生煎店」。名物の焼小籠包(生煎)と中華粥で980円。アツアツで旨い! 洗足音大は初めてだが立派なホールがいくつもあって色々な演奏会が開催中。邦楽は…

  • 好きだけど難解な曲5選

    1,ボヘミアンラプソディ(QUEEN) rhapsody(狂詩曲)なんだから色んな曲想が混在するのはわかるけど、「♪ママ~人を殺しちゃった」からの「ガリレオ、ガリレオ……フィガロ」だぜ。それにイタリア劇の狂言回し「スカラムーシュ」とか「魔王ベルゼブブ」って何だよ。 2.青い影(procol harum) バッハみたいなオルガンとゲイリー・ブルッカーのしゃがれた声に引きこまれるが、のっけのダンス名からして意味不明になる。だが、miller(粉挽屋)の話をしたら彼女が突然血の気を失った(pale)になったという流れも???のまま。これは14世紀の『カンタベリー・テール』に出てくる寝取られ男の話なの…

  • 「♪2ペンスを鳩に♪」

    警備の仕事も「ラクじゃねぇ」と思うのは、今日みたいに冷たい雨の下で長時間立ち続ける時だ。でも、自分から見てもっと哀れなヤツが足元にいた。雨に打たれながらウロウロキョトキョトと砂をつつくドバトだ(写真は「京都旅屋」さん)。 ハトやムクドリは工事現場の掘り起こした土が好きですぐ集まるが、何度も掘っては埋め戻してるガラだけの土には狙うような虫はいない。近所のスーパーの前の歩道や、公園のベンチの傍にも群がる。ここは近所のジジババたちがパン屑を撒くのでそれを当て込んでいる。ハトに混じって腕白そうなヒヨドリもいて、こいつは手に持っているサンドイッチさえ狙うからアブナイアブナイ。 鳥や野良猫に餌をやって近隣…

  • 「横(よこ)」はワルだった⁉

    のどがイガイガするので『じゃばら飴』を買った。「邪払」と書くがスダチ風の柑橘類。鬼も逃げるという酸っぱさで「邪気を払う」と古来から言われてきた。産地・北山村の話が面白いんだが省くね。なお、UHA味覚糖のは酸っぱくないよ。 文字や言葉にアンテナが向いてしまう職業病で「邪」に注目した。訓で「よこしま」と読むがヘンな日本語。その語源を調べると「横様」が音韻変化したらしい。で、「横」であるのは縦方向の中心線からズレるので「正しくない=悪」と思われてきた(中国語「ヘン」でも「粗暴」の意がある)。 言われてみれば、横行、横着、横柄、横暴、横領、専横、横死、横紙破り、横車を押す……ネガティブな言葉にたくさん…

  • 友を選ばば……歳寒三友

    仕事休んでまで世田谷へ観梅に来たというのに、寒さが逆戻りし雨まで降る展開に。これが週末なら甘酒か抹茶を頂くなんて楽しみもあったのだが、平日だから全部閉店。前夜は「てるてる坊主」の念力頼みまでしたというのに、力及ばずだった(LINEスタンプの「てるてるさん」)。 昔の中華文人は梅を好み、松(あるいは水仙)と竹と梅を「歳寒三友」という。寒い冬に心温めてくれる3つの友(植物)を詩や絵の題材にし。縁起良いものとされた。日本でも「松竹梅」は酒の名にさえなっている(さらにめでたく鶴をあしらった絵は田能村竹田)。そう考えると、こんな荒天で梅を愛でるのは、その有難みが余計に分かるってことか? 旧三高寮歌の一節…

  • こどもだってタメ息、つくよな?

    夕方下番時、立哨現場のゲートを閉めていたら、小学3~4年くらいの男の子が自転車で目の前を通り過ぎ…と思ったら止まって、少し夕空を見上げる感じで「フウ」とタメ息をついた。驚いた!どうみてもフツーの子がタメ息……だよ。一体、彼に何があったんだ?なぜ?なんで「フウ」? でも帰り路、よく考えたらこどもにだってタメ息つきたくなる理由はたくさんある。いちいちあげないけど。とにかくある!だから驚くこともなかった。自分にも経験はあったわい。 こどもは幼い、でもそれなりに完結した一人のヒトなんだもんね。こどもにも宇宙はあり、壮大かつリアルな生がある。なめたらイカンのです。 そこで思い出した曲がある。BEGINの…

  • お裁縫の時間(手袋改造)

    使い込んだ防水手袋を使ってスマホが使える「変形ミトン」を作ることにした。現場で工事車両が入る連絡を受けるたびに手袋はずして応対していたが、どうしても動作が遅くなる。以前の携帯には手袋(グローブ)対応の機能があったが今のOPPOにはない。また指先部分だけ導電性シールを貼った手袋もあるが、精度は良くない。検索でなく電話を使うだけなら右手親指部分だけ何とかすれば良いのだ。そこで手作り! ①手袋をカット。キャップを作る 4~5年前にセブンで買った手袋は、少しの雨なら浸透しなくて重宝してた。その右親指を半分くらいでカットした。すると三層構造で表層は合皮ビニール、真ん中は薄いポリエチレンシートが圧着され、…

  • 「足弱さん、ま、ねまれっちゃ」

    住民と一緒に古びた団地があり、近くのスーパーへ毎日高齢者たちが買い物に行く。足腰の弱った人が多い。背を曲げ、杖や押し車に支えられてヨタヨタと歩く。互いに支えあう人もいる。苦労してまで出歩くのはどうしてだ?通販や食材配達では嫌なのか?(後ろ姿とはいえ、無断撮影して申し訳ないm(__)m) たまに自分が立哨する目の前で転ぶ。手を貸して起こすと「段差があって」とか「目が悪くて」と、まず言い訳。最後に「すみません、ありがとう」と小声でつぶやく。「ついこの間までは、こんなことなかった」と愚痴る人もいる。そうだろうなぁ。誰もがかつてはシャキリ&スタスタと歩いていた美女美男だったんだ…….。そして今彼らが、…

  • 祝春節!ベトナム語テキトー講座

    東アジア各国の「正月」は明日からで今夜は大晦日。去年もベトナムの春節(テット)やちまきのことを書いたが、今の工事現場にもたくさんの若いベトナム人が働いているので、つい関心が向いてしまう。 今日は趣向を変えてベトナム語講座にしよっと。でもスマホ見ただけの即席&いい加減なもので4つしか覚えられなかった。日本人(というかワシにも)覚えやすいように強引にもじってます。マジメに読む人は確かめてね。①あけましておめでとう→「チョコなん枚?」(チュックムン・ナムモイ)②さよなら→「旅、へ!」(タンビエッ)③やぁ(挨拶)→「シンちゃん」(シンチャオ)④またね→「変!辛”らい」(ヘンガップライ) とくに①は、ジ…

  • 「太郎の屋根に雪ふりつむ……」

    「今夜は都内で積雪」とニュースが盛んに流している。積雪予想たった8cmだというのに(笑)。ジタバタせずに雪を味わえば良かろうに。雪がらみのBGMならいっぱいあるしさ……。 でも自分は「詩」で愉しもうかな。それも小学6年時の国語の教科書に載っていた詩。60年以上経っても覚えているのは、記憶力ではなく、たった2行の短い詩だったから。ハハハ「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」これだけ。三好達治が1927年(26歳)に発表したもの。この詩では太郎、次郎とあるか二人を兄弟と読むのは違う。「こちらの家の太郎」「あちらの家の次郎」という風で、ありふれた呼称で良く…

  • 70年目のゴジラを40年ぶりの友と

    周回遅れながら『ゴジラー1.0』を観てきた。モノクロ版は売切れで音響バリバリのIMAXで。アカデミーノミネート効果もあってか老若男女が多かった。今回、付き合ってくれたのは3つ年下のデザイナー・イシカワくん。大学中退の自分が試行錯誤でデザインと印刷代行の商売を始めた時に参加した法学部生。1974年、怖いもの知らず、いや全然モノ知らずの仕事に付き合ってくれた。その後10年くらい交流したのちに途絶えていた。自分の真っ黒な歴史時代を見てきた目撃者でもあるが、そのあたりの話を書くと長くなり過ぎるから略。 東宝の『ゴジラ』シリーズは1954年に始まるから今年は70年目。映画の中身や感想はたくさんの人が書い…

  • 朝ぼらけの「味わい方」

    毎朝6時半に家から10分の「曙橋」へ行き、そこから電車に30分ほど乗って勤務地某所に着く。今朝は東の雲間から太陽が出てきた。この時間帯を「朝ぼらけ(朝朗け)」という。漢字1字なら「𪰪」。これより少し早く周囲が明るんで来たタイミングは「あけぼの」(「ようよう白くなりゆく山ぎわは、少し明かりて~」(枕草子「春はあけぼの」)。 西の空には、まだ沈まないままの月=有明の月がかかる。満月から4日経ってすでに右側から欠けてきている下弦の月で、弦側は日ごとに細くなっていく。なお、丸みの残る左側は「弧」。宵っ張りの月で、夜の9時過ぎでないと天空に登場せず朝まで西空にかかっている。 この「朝ぼらけ」と「有明の月…

  • 新、反、非、脱、総、全そしてシン

    何かの名詞や概念にさまざまな「接頭辞」を付けると、別物のような印象になる。例えば「反原発」「非武装」「神対応」等々……「シン」はアニメ監督の庵野秀明が「シンゴジラ」(2016)で、「神、震、真などの多義を込めて使って」から流行り出した。この解釈は専修大教授の武田徹氏の受け売り。ついでに彼の指摘した「シン」をもう一つ。元共産党員•松竹伸幸氏の著作『シン共産党宣言』のことだ。党首公選制を訴えたこの本では、「シン」にで進化の意味を込めたようだが除名されて今は裁判沙汰。新党首になってももめている様子を見ると、共産主義の「民主集中制」と常識的な民主制は調和せず、進化より退化に見える。政局の話題ついでに「…

  • 周回遅れのMy「グミ」ブーム

    年寄りが流行り物を追う姿はどうもみっともない、と常々思っているが、どうしても治らないわが「野次馬根性」から、流行り物と遭遇することもある。無論、はるかに周回遅れなんだが…… その一つが「グミ」。コンビニやスーパーに行ってポテチやチョコ以上に棚を広げているのが「グミ」だと気づいた。数十種類が並び、たいていは「グミパしよう!」とPOPがある。「グミでパーティ」なんてする奴がいるのか!呆れ、驚いた。 昔食べたことはあるが、ん十年経っているから、劇的に美味しくなったのかもしれない。人気の理由もそこにあるのかも……誘惑に勝てず買ってしまった、明治の果汁グミ「マスカット」味。”弾力プラス”とプレーンなもの…

  • とある日の検索結果

    今日は午前中の晴天が午後から一転してみぞれ、さらには「初雪」という荒れ模様だった。でも休みだったから蒲団でヌクヌクのネット三昧。昨日からネットで何を検索してたのかを見てみた。 自分が少し分裂症気味なのは自覚しているが、こうして一覧を見直すとそのバラバラぶり、脈絡のなさに呆れる。後付けて説明してみよう。 まず気になった「初雪」とその荒天で中断続いた大学ラクビー決勝結果。昔は箱根と並ぶ正月スポーツで平尾誠二のいた同志社が(神戸製鋼も)好きだった。国立博物館は来週からの「本阿弥光展」の下調べ。彼は造形作品が少ないので展覧会にするのが難しく知名度も高くない。でも、天才プロデューサーとしての側面をどう編…

  • 長かった「冬休み」

    子供時代の「冬休み」は12月の25日あたりから1月の7日くらいまでだった記憶がある。宿題も大したことなかったから存分に遊んで過ごせた。だが、ちょっと普通の家とは違う年の瀬だった、 長年母方家業の「切り透かし」(別名。下げ紙、ハカマ紙)作りを公務員だった父が継いだため(提灯屋業も)、こたつに入りながら夜鍋して切っていた。自分もいくつかその図案を作ったけど。ともかくその紙を近在の人たちが28日頃から買いに来る。その店番(販売担当)が自分と姉の役目で売上げが結構な額のお年玉になった。 外に出て金(かね)下駄(スケート)や竹スキー、カマクラなどで遊ぶのは二年参りした後の元旦午後からだった。外から帰ると…

  • 「年の瀬」を越せぬ人、3話

    大晦日前の数日を「年の瀬」という。「瀬」は川底が浅くなったり川幅が狭くなったりして水流が急になる場所。日月の歩みを川の速い流れに例える。溜まったツケ金や気分の澱もさっぱりさせねば「年の瀬が越せない」。そんな切羽詰まった人間を描いた古い小説を3つ紹介。●1)織田作之助『世相』 いつも自分の非才を嘆くオダサクは性分としてエロやグロな世相に魅かれてしまう。でも大阪下流民を描かせたら『夫婦善哉』や坂田三吉ものが書けるウデがある。『世相』はのっけから老いた元教師がヤミ煙草の押し売りに来る。途中、スタンドバーのマダムや阿部定の話が入るが、元床屋がまたもカネの無心に来る。金癖の悪さに呆れるが、一方で小説のネ…

  • 今年の「冬至」はとくにうれしい

    先月の末頃から「日の入りが早いなぁ」と感じだして日々気持ちまで沈みがちだった。それも今日の「冬至」を境に逆転する(実際の日の出、日の入り時間はずれるけど)。「一陽来復」。二十四節季の中でも一番好きだ。 この「冬至」を境に新しい年、新しい春を待つ祝い気分は時代も国境も越えるもの。とくに欧州では古俗とキリスト信仰が混淆され冬至祭の祝日がキリスト生誕日、クリスマスだと流布される始末(4世紀)。イギリスではケルト人のドルイド教信者はストーンヘンジに集まってお祭りをする。北欧には「ユール」祭があった。チョコケーキ「ブッシュドノエル」は「クリスマスの薪木」だ。また節季ものの本場中国では「冬至大如年(冬至は…

  • 「MOMOKA」の”お接待マンガ”

    YouTubeで贔屓している「MOMOKA JAPAN」(フォロワー数80万人)が、ついにマンガ本になったので早速購入(講談社。ネットの現代ジャーナル系でプロモがすごい)。でも舞い上がってアナログ本で買ってしまった(本は増やさないと決め、つい昨日、多和田葉子のはKindle版で買ったのに(泣)。 MOMOKAは京都出身の20代。自宅にはウィペット2頭がいる。6年前、日大生の頃にフリーハグの動画を公開したのが最初かな。以後、海外に行って日本のお菓子を食べさせたり、訪日外国人にパンや菓子を食べさせて印象を聴く路線に。そして今は「あらぁ~」で挨拶して、割烹や居酒屋などへ連れて行って普通の観光客なら食…

  • 日本人が泣く特選場面2つ

    あと1日で赤穂浪士討ち入りの日。自称「忠臣蔵」語り部の今日の噺は大いに泣ける話ですぞ!●その1 南部坂雪の別れ 大石内蔵助が14日の午後に訪ねたのは浅野内匠頭の妻阿久里が落飾して瑤泉院として暮らす南部坂の屋敷。阿久里は吉良を討つ話を聞きたいのだが、大石は話を逸らすばかり。それどころか「さる藩への就職話」をする。帰り際に「東国に旅したのでその歌日記です」と巻物を置いて辞去する。阿久里は怒りかつ失望する…大石もすべて打ち明け、主君の位牌に報告したかった。だが吉良方の間諜がどこかで見ていると考え、雪が積り出した南部坂を黙って下った…大石が案じた通り、瑤泉院のもとには下女に扮した間諜がおり、置き土産の…

  • 共演、驚演、狂演……いやさ享演!

    20世紀初頭?にナポリ人のV.モンティが作曲したマンドリン曲に「チャルダッシュ」がある。スローとアップテンポのパートが交互に演奏される軽快な曲で世界中で人気がある。元はハンガリーの酒場曲でロマ(ジプシー)たちが呑んで踊る伝統的な音楽ジャンルのことだから、本場のチャルダッシュは多彩だ。バレエ『白鳥の湖』でジークフリード王子の前で各国のダンスが披露されるが「ハンガリー人の踊り」と紹介されるのもチャルダッシュだ。オペレッタ『チャルダッシュの女王』ではシルバの唄が聴けるが、これもモンティのものとは違う。 モンティものしか知らない日本人が多いのか(2006年浅田真央の影響?)アイドル並みの人気バイオリニ…

  • カレンダーから消えた12月4日

    明日12月4日は週初めで仕事再開。サザエさん症候群というかブルーマンデー気分ではあるが、やむなくしたくっぽいことを進め、ふと眺めたカレンダーを見てびっくり! なんと4日の日付だけが消えている、印刷されていないのだ! どこかの100均で買った卓上型のものだが、店名は覚えてないし、メーカー名も商品名もない。他の月の分も全部調べたが消えていたのはこの1日分だけ。どこの国で作ったか分からないが、祝日の表記が日本語でされているから、日本人が関与しているのは間違いないだろう。検品作業は何段階もあっただろうに……見方によっては、厳重な監視網を潜り抜けた奇跡の製品かもしれん、と妙に感心した。 それにしても12…

  • 余談多めの「クレイン」噺

    crain(クレイン)の第一義は「鶴」。そう「つる(吊る)」である(トホホ)。第二義は建設機械の起重機。重い物を吊り上げるアレだが種類がたくさんあるから車で動ける移動型2種の噺をちょっと…… 移動型クレインでよく見かけるのは「UNIC」かな? 古河ユニックが1961年に考案した車載型のクレインで、自分で運んで荷下ろしまでできるので普及した。今やユニックはセロテープやホッチキス並みに一般名詞になっている(シェア50%以上!)。 同じく一般名詞化しているものに、専用車両の「ラフター」がある。四駆だから小回りができ公道を自走できる。正しくはrough terrein crane(荒れた土地でも走行で…

  • 日曜昼下がりの映画館

    終日どんよりした曇天で、気温も9度以下。しかも午後からは職場の研修があって、全然愉しくない日曜日になりそうだった……でも研修後、映画で気分を替えようと新宿武蔵野館へ。ここは戦前からの歴史があり徳川無声が専属弁士だった(誰ソレ話)。今は縮小して3階にミニシアター3館を擁するのみだが駅近であるし、上映作品も悪くない。観たのは記事に書いた『JFK新証言』(監督オリバーストーン)だ。 結論から言うと、ウォーレン報告書の荒唐無稽さを執拗に批判し、陰謀(conspiracy)の存在をあぶり出しとくにCIA主導を匂わせていた。だから予告編冒頭でケネディとCIA長官ダレスがオープンカーに同乗している映像が使わ…

  • 60年後でも”真実”は不明

    1963(昭和38)年11月22日、現地時間12時30分にケネディがダラスでパレード中に暗殺された。そのニュースは、11月23日午前5時28分に日本でも報じられた。それも米国から人工衛星(静止衛星ではない)で日本(国際電電)にTV電波を送る宇宙衛星実験開始直後だった。お祝いめいた雰囲気の画像が一転、沈痛な表情の米国人アナウンサーの声に被せて、日本人ナレーターが「この電波でこのような悲しいニュースをお送りしなければならないのは誠に残念」と語り、ケネディ暗殺事件の顛末を編集された映像で見せた……自分は佐渡島で中学2年だったけど、朝からかじりついていたNHKの特番にびっくりした。暗殺の中継は1960…

  • 人類には「オヤツ」が必要だ!

    「オヤツ」の「ヤツ」は「八つ時」。昔の午後2時から4時の間のことで、この時間は多くの国でスナックタイムだ。英国には有名な「アフターヌーン・ティ」があり、スウェーデンには「フィカ」、フランスのは「カトゥルール」。スペイン・南米には「メリエンダ」がある。でも中国には「点心」はあるが、相当する習慣はないようだ。 で日本の、とくに農村では「コビリ」がある。「小昼」から出た言葉で、「間食(カンジキ)」ともいう。家族近所総出でやってた田植えや稲刈りには畔に集まってタバコやお茶とともに楽しんだ(写真は三条・内山農園さん)。昔は学校も休みにしたが、農家でない自分の場合、「コビリ」だけうらやましくて畔の近辺をウ…

  • 「お清め」の霊験あらたか…か?

    築60年近い都営アパート解体工事が持ち現場の一つになった。ゲートや囲いなどの周辺整備に時間をかけ、やっと先週から居室のバラシに着手した。 その最初の日、人柄に味のある老監督が「気休めだけど、やっとくか!」と助手を連れて建物の周囲を巡りながら何やら撒いた。「四方祓」の「お清め」で、撒いたのは塩、米、酒だった。 解体工事はとかくガサツなイメージがあり、世間の顰蹙も買いやすいが、所管が区役所で、戸数が300もあるでかさ、それを1年がかりでやるのだから計画的かつ慎重に進めねばならない。「お清め」で神頼みしたくなる監督の気持ちは分かる。お陰?で今のところ、まだトラブルはない。 塩で厄払いするのは日本だけ…

  • 秋草と外来種

    ススキや桔梗、萩など秋の草花をあしらった「秋草」の図柄は、枯れゆく淋しさや侘びた風情があり、日本の伝統的な意匠だ。だがもう消えるかもしれない。 昨日から現場近くで見るのは、妙に自己主張の強い、名前も馴染みの薄い外来種の「秋草」だ。写真中央の4枚=①ランタナ、②カリアンドラ、③アベリア、④エンジェルトランペット。そして街路樹に多用されるようになったハナミズキも一青窈の歌で好感度アップしたが、英名はdogwood(一説では実や枝の煮汁が犬の皮膚病に効いたから)。春咲く花は桜に似て可愛いが、秋になって葉の枯れ方が汚い。一気に枯葉色になりチリチリと道路に散らかる。 見た目が派手とか珍しいで安直に栽培し…

  • 棄てる本の「余滴」(5)

    ●「茶の話~茶事遍歴~」(陳舜臣) わが四谷左門町に「大日本茶道学会」なる建物がある。「茶道」は「ちゃどう」と読み(裏千家流)「さどう」(表千家流)ではないらしい。こういうことを言い立てるから「茶道なんてねずみ講くらいの価値と将来性しかない」と悪口を言う若者が出てくる(ある書評サイト)。でも、ここの会長さんは岡倉天心の『茶の本』を現代風に訳している。構成を逆にして訳出してるのが興味深い。 茶道にも抹茶派と煎茶派がある。本場の中国には明代に抹茶は消滅し、茶館で見せる茶淹れの作法はあるが日本的な『茶道』はない。 「日常茶飯事」という言葉があるくらい喫茶の習慣は深く根付き規模も世界的だ。それゆえアヘ…

  • 棄てる本の「余滴」(4)

    ●『杉浦康平のデザイン』(臼田捷治) 子が親より先に死ぬのは最大の親不孝。その報いで三途の河原で石を積み続けることになるが、鬼が来て蹴散らしてしまう……では弟子が”出藍の誉れ”を果たせず、師匠より先に死ぬとどんな報いを受けるのだろう……。 杉浦康平の弟子だったブックデザイナーの鈴木一誌が、この夏亡くなった(享年73歳)。まずは冥福を祈る。 我が同級生で"戦友"でもあったが、杉浦を追って造形大に転校してしまい、そのまま杉浦オフィスで12年も勤めて後に独立した。かくいう自分も20代は杉浦に影響され心底私淑していた。 杉浦の半世紀以上のデザイン活動は常に革新的で理知的だった。広告宣伝畑の連中のチャラ…

  • 良い話と悪い話がある…

    「良い話と悪い話があるけど、どっちから先に話すべき?」と言うのは心理学では「ゲイン•ロス(gain-loss)問題」の一種。良否や損得のギャップが大きいほど印象が強い。だから良い話を後にした方が印象が良くなるらしい。だがその逆の説もあるから心理学なんて当てにならない。 ワシにも良いことと悪いことが昨日同時に起きた。悪いことは、蒸したサツマイモを噛じったら犬歯が取れたこと。蒸し足りなくてやや硬かったのだか、ただのイモだぜ~。それでなくても歯が少ないのに大ショック。「バカボン」の「レレレおじさん」になってしまった。「芋かじり 歯が抜け落ちて 間抜け顔」トホホ…腹が立ってイモに八つ当たりしてガシガシ…

  • 『百日紅』の花は過ぎたか……

    亡き杉浦日向子が描いた漫画『百日紅(さるすべり)』は北斎の三女・お栄(筆名は応為)の物語。それを「クレヨンしんちゃん(映画版)」の監督・原恵一がアニメにしている。自分もここに記事を2度も書いた、(原作とは違うが、アニメの方はYouTubeでベトナム字幕版なら観れるよ。消される前に急げ!) その葛飾応為を、漫画もアニメも魅力的なかわいい女性に描いている。現実は「すみだ北斎美術館」(両国)に展示された人形(40歳頃)のような姿かもしれない。でもその才能に惚れてしまう。 11月1日から応為の肉筆画『吉原格子先図』が、神宮前の太田記念美術館で公開される。この絵を「レンブラントみたい」と評する向きがある…

  • 「ビリー・ジョエル」だぁとぅ‼(怒)

    生コンミキサー誘導のために路地入口に立っていたら、近所のジジイが話しかけてきた。時間があるから応じたら、とんでもないことを言い出した。 「昨日、公園のベンチにいたらさ、オレのことを『ビリー・ジョーに似てる』っていうんだよ。誰なんだろう?『ビリーなんとか』ってさ」とシニア用スマホを差し出してきた。自分で見つけられなかったから、ワシに探せってこと? ワシ「それ、もしかしてビリー・ジョエルのこと?」と尋ねると、「そう、それだ!『ビリー・ジョエー』」「ジョエル!」「うん、ジョーエルか。その人はどういう人? オレに似てるの?」 ワシ(似ても似つかんと言いたいのを抑えて)「いやぁ~、ガイジンだからね」とか…

  • さらに拡散!「ウマレル」現象

    昨日の現場に夫婦見物人が登場。工事概要を読んですぐ引き揚げた。日本人は理解が早いし概して大人しい。これが欧米だと「ウマレル」さんになる。これを「度を越した野次馬」と訳して記事にしたのは3年前。再掲しておこう……「イタリア・ボロ―ニャの方言でこれを「Umarells」(ウマレルス)という。このウマさん連は、「手を後ろに組みながら建設現場を観察して、求められてもいない助言をする年配男性」である。3年前くらいから「うちの国にもいる」と話題になり、Wikiに載り、フィギュアまで通販されるほど……建設現場だけではない、「空調の業者の人がやって来た時、父親はその人に子犬のようについてまわって暖房や冷房につ…

  • 「秋の昼長」?を使って

    警備の仕事は多様。先月まで建設現場で常駐。日曜日は埼玉某市の祭(雑踏警備)だった。今日は鉄筋搬入誘導のスポット勤務……てな具合。哀しいのは日の入りが早くなって夕方5時半でもう暗いこと。気分も暗くなって帰っても何もする気になれず、「もつけねぇ」(佐渡弁:可哀想な)粗食をすませて早々に蒲団に入る。 だが、今日は11時に終了。スポット勤務はたまにこれがあるのがうれしい。秋の夜長ならぬ「秋の昼長」を使って、日頃から気になっていた隅々の掃除をしたりプリンターを棄てて余った用紙を束ねたり、さらにあるもので食べ物も用意した。 一つは安くなったリンゴで朝食用のジャム。いつも砂糖の量は適当なのに、辻褄が合う不思…

  • 棄てる本の「余滴」(3)

    ●『漢文の素養』(加藤徹)「今どき、こんな本読む人いる?」。17年前にこの本が光文社新書から出るに際して、こう問うた人はいたと思う。時代的には胡錦涛・中国は反日デモも頻発していたが、経済の二けた成長が続いてホットな国だった。そこに『漢文力』(中公)という意外な視点のヒットを出し、京劇にも詳しく、面白みもありそうな少壮(43歳)の学者にして小説家でもある加藤徹という書き手が見出され、光文社は賭けでこの企画を通した。おそらく加藤のプレゼン力が大きかったろう。読めばわかるがカシコイ人だ。 だが、客観的に見て「漢文」は逆風だ。まるで人気がない。2022年から高校の古文・漢文の授業時間はほぼ半減された。…

  • 棄てる本の「余滴」(2)

    ●「川の文化」(北見俊夫) これは日本の川をめぐるフォークロア(民俗学)を手軽に読めるようまとめた講談社学術新書。この「余滴」シリーズは、中身の紹介でなく「最後のひとしずく」をしゃぶってみたという立場なので、興味のある方は「ためし読み」や電子版で読んでいただきたい。その余滴としては、生まれ変わって「佐渡の舟運」をちゃんと研究したいと思う。 北見氏も佐渡の相川町、鉱山からの排水が注ぐ濁川沿い生まれ(1924)。教師の息子だから県内を転校したと思う。本では全国の川の研究に混じって佐渡の外海府や真更川流域などの習俗も紹介している。舟運では高瀬舟のような平底型の船が各地に見られたことも紹介している。 …

  • 「向田邦子の水羊羹」がなんでィ!

    寝落ち用にネットの「朗読」を聴く。先日は向田邦子の短編集『眠る盃』(1979)を前編・岸田今日子、後編・山岡久乃でやっていた。作家も朗読の二人も大好きだから愉しくて「寝落ち」できなかった(笑)。その一編に「水羊羹」があって「私は味醂干し評論家または水羊羹評論家」と口上し、「まず水羊羹の命は切口と角であります」に続くのが彼女の「水羊羹論」。桜の葉っぱの奥ゆかしさ、宵越しさせてはいけない、固すぎも黒過ぎも良くない=薄墨色、ふたつ食べるものではない、お茶の器は白磁のそば猪口と根来の茶托。さらに照明、空調、BGMまでこだわる。気に入っている店は南青山の「菊屋」だという。そして「水羊羹は1年中あれば良い…

  • 「彼岸花」を巡る2曲と1品

    彼岸休み(23日=秋分の日)を終えて現場に出たら「彼岸花」が咲いていた。毒花ながら咲く時を守って律義なもんだ。さすが「天上の花」=曼殊沙華(まんじゅしゃげ)。これを「マンジュ―シャカ」と読んで歌にしたのが阿木燿子&宇崎竜童で、唄ったのは山口百恵(1978)。でも歌詞的には「恋する女はマンジュ―シャカ 罪作り」とあるだけで、この花らしい含意は何もない。でもファン(60代後半かな?)たちには、阿木&竜童で「オトナのモモエ」歌ならなんでも良かったのだ。 これが90歳前後の大先輩とか懐メロ好きジジババだと、渡辺はま子か由利あけみの『長崎物語』(1938?1939)を思い出すかも。「赤い花なら曼殊沙華」…

  • 棄てる本の「余滴」(1)

    毎週の資源ごみの日に蔵書から数冊の本を縛って棄ててきた。そしてとうとう7段あった本棚も残るは数冊の文庫本だけになった。「本を棄てる」のは他のゴミを捨てるのと違って、「文化的価値」を踏みつけにするようで少し後ろめたい。これはレコードなどでも同じ気分だった。だが、適切な処分方法がない不要なものだから廃棄するしかないと割り切った。これまでも引っ越すたびにバサバサ棄てたり、あげたり置いてきたりした。モノとしての未練はない。だが、中味には懐かしさがある。棄てる直前になって「あ、この本は読み返したい」と想ったことが何度も(何冊も)あった。まるで旨い酒の最後のひとしずく(余滴)を惜しむように……そっと除けて…

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