不動産は、一生に一度の買い物と言われる。間違った選択は避けたいが、世の中には不正確な情報があふれているのも事実だ。リクルートで長年、住宅情報サイト事業などに関わり、現在は麗澤大学未来工学研究センター教授として不動産に関する調査研究に取り組む宗健氏が、データに基づいて不動産の真実を解き明かす。(写真:PIXTA)
シリーズ
データで解き明かす不動産の真実
54回
賃貸住宅経営は危ないのか 世間の“通説”を検証する
近年、賃貸住宅を巡る問題が続出したこともあり、「賃貸住宅経営は危険だ」という通説が世間にあるように思う。だが、それは「個別事例の安易な一般化」ではないだろうか。今回は賃貸住宅オーナーのデータから、賃貸住宅経営の実態を明らかにしたい。
優先すべきは空き家対策ではない 新築住宅がまだまだ必要
住宅・土地統計調査の空き家数・空き家率を妄信し、全国に800万戸以上の空き家があり、空き家率も13.6%と非常に高いのだから、新築住宅の建設を抑制すべきだ、という短絡的な主張をする人たちがいるようだ。しかし、少し手間をかけてデータを集め、論理的に考えれば、日本にはまだまだ新築住宅…
都市部ではない“無名の地”でも居住者からは高評価
2019年から2022年までの累計回答者数が全国で60万人を超える大規模調査「いい部屋ネット街の住みここちランキング」。実際に住んでいる人からの機能的評価である「街の住みここちランキング」、愛着などの感情的評価も反映される「住み続けたい街ランキング」、主観的幸福度に関する「街の幸…
都心から40分、茨城県守谷市はとても住みやすい?
2019年から2022年までの累計回答者数が全国で60万人を超える大規模調査「いい部屋ネット街の住みここちランキング」。実際に住んでいる人からの機能的評価である「街の住みここちランキング」、愛着などの感情的評価も反映される「住み続けたい街ランキング」、主観的幸福度に関する「街の幸…
愛知県長久手市が住みここち全国トップの高評価
2019年から2022年までの累計回答者数が全国で60万人を超える大規模調査「いい部屋ネット街の住みここちランキング」。実際に住んでいる人からの機能的評価である「街の住みここちランキング」、愛着などの感情的評価も反映される「住み続けたい街ランキング」、主観的幸福度に関する「街の幸…
首都圏は、都心とニュータウンそれぞれの住みここち評価が高い
2019年から2022年までの累計回答者数が全国で60万人を超える大規模調査「いい部屋ネット街の住みここちランキング」。実際に住んでいる人からの機能的評価である「街の住みここちランキング」、愛着などの感情的評価も反映される「住み続けたい街ランキング」、主観的幸福度に関する「街の幸…
関西は中心と外縁に住みここちの良い街がある「ドーナツ構造」
2019年から2022年までの累計回答者数が全国で60万人を超える大規模調査「いい部屋ネット街の住みここちランキング」。実際に住んでいる人からの機能的評価である「住みここちランキング」、愛着などの感情的評価も反映される「住み続けたい街ランキング」、主観的幸福度に関する「街の幸福度…
大都市と合併しなかった隣街は住みここちがよい?
2019年から2022年までの累計回答者数が全国で60万人を超える大規模調査「いい部屋ネット街の住みここちランキング」。実際に住んでいる人からの機能的評価である「住みここちランキング」、愛着などの感情的評価も反映される「住み続けたい街ランキング」、主観的幸福度に関する「街の幸福度…
住みここちが良いのは県庁所在地ではなく、その郊外の新興住宅地
街に関するランキングは多数発表されており、乱立と言えるほどだ。その中で、筆者が企画・分析に関わっている「いい部屋ネット街の住みここちランキング」は、2019年から2022年の4年間の累計回答者数が全国で64万6245人、回答者が50人以上でランキング対象になる市区町村数は1314…
住宅ローンを返済できなくなるリスクは、どのくらい大きいのか
持ち家か賃貸かの議論は非常に関心の高い話題だ。その中で、住宅ローンを返済できなくなるリスクがゼロではないことから、持ち家より賃貸のほうがよいとする考え方もあるようだ。ただ、賃貸で家賃が払えなくなるリスクと、持ち家で住宅ローンの返済が滞るリスクを定量的に比較することはかなり難しく、…
老朽化・減少する公営住宅をどうすべきか
一定の条件を満たし、空室があれば年齢を理由として入居拒否されることはない公営住宅は、高齢者の住まいの受け皿となっている。しかし、住宅総数が増え続ける一方で公営住宅は減少に転じており、老朽化も進んでいるという問題がある。保証人が必要な場合も多く、入居しようと思ってもすぐに入居できる…
都道府県の魅力度ランキング 結果に一喜一憂すべきでない理由
毎年注目を集めている「都道府県魅力度ランキング2022」がブランド総合研究所(東京・港)から10月8日に発表された。その3日前の10月5日に、筆者が企画・設計・分析した「いい部屋ネット 街の住みここちランキング特別集計 街の魅力度ランキング2022<都道府県版>」も発表されている…
リースバックを安易に使うと、持ち家を失う可能性も
日本では高齢化が進み、2020年国勢調査によれば65歳以上の人口比率は28.7%となっている。2018年の住宅・土地統計調査によれば65歳以上の高齢者世帯の持ち家率は80.6%と非常に高い一方で、2019年の国民生活基礎調査によれば65歳以上の高齢者世帯の平均世帯年収は約312万…
住みたい街ランキングに見る、地方中核都市の意外な強さ
東京一極集中とよく言われるが、地方の人々は本当に東京に住みたいと思っているのだろうか。筆者が企画・設計・分析している大東建託賃貸未来研究所の「いい部屋ネット街の住みここちランキング」は、いろいろある住みたい街ランキングの中で唯一、47都道府県全てを対象に調査を行っている。今回はそ…
「おとり物件」問題、実は不動産会社も物件の有無を把握できていない
2022年4月からNHKで『正直不動産』という不動産業界の闇を描いたドラマが放映された。ドラマで取り上げられた問題の一つに、不動産仲介会社が、集客のために実際には存在しないが魅力的に見える物件を広告する、いわゆる「おとり物件」がある。そこには不動産業界の旧態依然とした構図が深く関…
子育て支援策が充実していれば、子育てに向いている街なのか
筆者は大東建託賃貸未来研究所長として毎年「いい部屋ネット 街の住みここちランキング」を発表している。ランキング上位の街について最も好まれる説明は「子育て環境の充実」だ。それが一番納得しやすく、メディアの視聴者・読者からも求められていることなのだろう。自治体は子育て世帯を呼び込もう…
持ち家は子どもに残すべきか、残さざるべきか
もはや日本の不動産は「負動産」である、という指摘がある。しかし、売ることも貸すこともできず、固定資産税や管理の負担が続く「負動産」は一部の限られた人口減少地域での話であり、それが一気に全国へ広まるわけではない。にもかかわらず、子どもの相続時の負担を考えて、動ける間に高齢者向け賃貸…
持ち家の住み替え 元の家は売るべきか、貸すべきか
持ち家から住み替える際には、住み替え先が賃貸であろうと、新たに購入するのであろうと、現在の持ち家を売るべきか、貸すべきか、という問題に必ず直面する。個々人の資産や所得の状況によっても異なるが、今回は、持ち家から住み替えるとき、売るべきか、貸すべきかについて検討してみたい。
携帯電話の未払いで部屋が借りられない? 住まいにまつわる信用情報
4月から一人暮らしを始めた学生や新社会人も多いだろう。ほんの20年くらい前は、若い人が部屋を借りるときには親が保証人となったものだが、今は違う。家賃債務保証会社を利用することが多くなっており、家を借りる時も、買う時も信用情報が重要な時代になっている。そうなってくると、携帯電話料金…
ドアとサッシはリノベーションできない? 中古マンションの注意点
「新築か中古か」という議論は、「持ち家か賃貸か」という議論と並ぶ不動産選びの大きなテーマだ。しかし現実として、最近は中古マンションを選択せざるを得ないケースが増えている。新築マンション価格の高騰に加え、タワーマンションの増加によって新築マンションが販売される場所はかなり限定される…
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