映画

2024年 映画鑑賞記録

★悪は存在しない/濱口竜介 ※劇場鑑賞★砂の女/勅使河原宏 ※劇場鑑賞★燃えつきた地図/勅使河原宏 ※劇場鑑賞 ★首/北野武★Cloud/黒沢清★スパイの妻/黒沢清★きみの鳥はうたえる/三宅唱★あんのこと/入江悠★PERFECT DAYS/ヴィム・ヴェンダース★ちひろさん…

★PERFECT DAYS/ヴィム・ヴェンダース

『PERFECT DAYS』視聴。キレイすぎたか。トイレの話なのに(トイレの話だから?) あのトイレが評価されないのは気の毒と思っていたのに、評価されなくて結構という気にもなってしまった。PR映画としては失敗。ただし「PR映画として成功」とはどんな事態だ?…

★台風クラブ/相米慎二

映画『台風クラブ』をアマプラで視聴した。1985年。これほど面白いのは懐かしいからだけではないだろう。 工藤夕貴の体の動きのちょっとした奇妙さが鮮やかで目を引く。演出も本人の工夫もあろう。三浦友和が家で女性と絡むときの体の動きも最高に驚く(誰も…

二度目の冷戦か

もはや二度目の冷戦か。そのせいかどこか喜劇っぽい。しかし喜劇が殺戮に至らないことを保証するわけではない。 ただ一方で、プーチンの仕事ぶりは、今日できること=今日しなければならないことだけは一つ残らず今日のうちにきっちりやっておく、という見本…

他なる映画と〜近松物語(溝口健二)

濱口竜介『他なる映画と 1』 - 東京永久観光 ↓ 溝口健二『近松物語』を初めて視聴(アマプラ)。確信をもって感動。「これぞ映画、これぞ溝口」と言っていいだろうという確信をもって感動。 視聴したのは、映画の真っ直ぐな論考と思える『他なる映画と 1』…

★濱口竜介『他なる映画と 1』

『ハッピーアワー』そして『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』と見てきて、これはいったい何だという謎は、解けないまま巨大な塊になっていたが、なるほどやっぱりこのような考えで映画と向き合う人だったんだ、そうだからこそこ…

★ドライブ・マイ・カー/濱口竜介

劇的(激的)でないのに劇的(激的)なことが起こる。ーーそう思った。濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』再鑑賞(アマプラで) 筋書きもアクションもサスペンスも、通常の映画では不可欠のように追求される劇的さには、近づかない感じ。劇というならチェ…

★ラスト・エンペラー/ベルトリッチ

アマプラで『ラストエンペラー』オリジナル全長版。堪能した。清朝、満州、中華人民共和国。化け物のごとき奇天烈さは甲乙つけがたし。七変化する3時間40分。もっと長くてもいい。

★パリ、テキサス/ヴィム・ヴェンダース

映画『パリ、テキサス』がAmazon Primeに出てきたと知り、すぐにアクセス、最後まで一気に見てしまった(というか、映画はもともとそういうものだが最近は止めたり戻ったりが普通になった) 冒頭、青い空とトラヴィスの赤いキャップが、やはり印象的。ライ・…

中宮さま(光る君へ)

「中宮さまがご懐妊あそばされた」 そういえば、中宮さまは『658km、陽子の旅』にも出てきた!(先日オンデマンドで)

悪は存在しない/濱口竜介 監督

濱口竜介監督『悪は存在しない』を下北沢で鑑賞。何の映画か はかりかねるなか、気まずいコミュニケーションが引き延ばされていき、それがふいに転職相談っぽい展開に転じたので、ちょっと和んでいたら、きわめて不穏で不可解なまさかの出来事に突き落とされ…

『PLAN 75』に続き『ロストケア』 安楽死をいわば踏み越えて

安楽死と寝たきりをめぐって - 東京永久観光 から続く ↓ 映画『ロストケア』を視聴(amazon)した。 先日は『PLAN 75』を見たわけだが、こっちはいわば『PLAN 42』? 考えさせられる映画ではない。もはや考えることがなくなる映画だ。絶望する以外に見てもど…

映画『砂の女』『燃えつきた地図』

安部公房の映画が上映されているのでみてきた。『砂の女』と『燃えつきた地図』。ともに初視聴。 『砂の女』は「まさにこんな映像を思い浮かべて(大昔に)読んだかも」と思った。 『燃えつきた地図』は冒頭の団地に登っていく道路がまさに原作のイメージだ…

安楽死と寝たきりをめぐって

十分に理解はできないが、とても気になる連投だった。おおよそ同世代というのも影響している。 https://x.com/kumatarouguma/status/1822513017071788068 (この前後の一覧のツイート。まとめて再表示は難しい) 先日『いずれくる死にそなえない』(名郷直樹…

ポリコレ殺人事件

北野武『首』を「ポリコレ殺人事件」と見立てよう。ならば真犯人は弥助だった? ともあれ、現代人の私からみれば、あらゆるエピソードは「不適切にもほどがある」! ◎(視聴時の感想) 北野武『首』 - 東京永久観光

★北野武『首』

北野武『首』をNetflixで視聴した。 ソナチネやHANA-BIは監督も役者も北野武がやっているとしたら、『首』は監督も役者もビートたけしがやっているーーそう思った。武士か百姓かと言い換えてもいい。彼は武士を理解し百姓も理解するが心根は百姓だということ…

映像を見る人もいれば意味を見る人もいる

映像を前にして、映像を見る人もいれば意味を見る人もいる。いやじつは私たちは映像だけを見るのは難しく、ついそこに意味を読んでしまう。言葉の付いた映像ならもちろん、言葉が付いていなくてもだ。そのとき問題なのは、意味ばかり追っていると映像をあま…

好機

ここ1年で仕事がいちばん忙しいのだが、ここ1年で体重が初めてちゃんと減った!

★黒沢清『スパイの妻』

黒沢清『スパイの妻』は、戦前戦中の建物や室内館内の耽美世界、という感じだった。 夫婦が渡米する日に自宅の洋館を車で発つシーンは最も見入ってしまったところ。 予算の関係かもしれないが、街路の風景は浅草を除いて出てこない。満州旅行も行き帰りの港…

★映画『寝ても覚めても』

映画『寝ても覚めても』を久しぶりに視聴した。Prime Videoにあったのをスルーしていたが、先日 黒沢清の『スパイの妻』をみて、その脚本が濱口竜介(ら)で、彼は黒沢清の教え子だったことも心にとまり、クリックした。 冒頭が写真展から始まったことは忘れ…

ゴジラ-1.0

エモーショナル、ナショナル、ゴジラ。アマプラで視聴した。 * ゴジラ

戦争ではなく仕事なので

戦況が厳しくなってきた。とはいえ、戦争ではなく仕事なので、死ぬほどのことではもちろんない。ウクライナの兵士よりはましだと言い聞かせる。 映画『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』のイングマル少年は、大好きな母親の病気が悪化し、父親は仕事で南洋の海…

『トランスジェンダーになりたい少女たち』

話題の『トランスジェンダーになりたい少女たち』を読んでいる。この本の主張が偏っていると主張する人たちがいて衝突が起こっているが、そもそも、この本の主張が偏っていると主張するような人たちがそもそも偏っていると主張するための本だったのだ。それ…

★三体(ドラマ)

NETFLIX『三体』視聴中。原作といろいろ違うが躍動的展開。地球外知性か人工知能かと思えるものが、ラジオっぽいローテクな装置から声を伝えてくる。昔は環境保護活動家で今は億万長者の石油王が対話している。「主よ」と呼びかけ、ふと心配になり「そこにい…

2023年 映画鑑賞記録

★夜空はいつでも最高密度の青色だ/石井裕也(2017) ★桐島、部活やめるってよ/吉田大八(2012)=再= ★PLAN 75/早川千絵(2022) ★清作の妻/増村保造(1965) ★燃えつきた地図/勅使河原宏(1968) ★飢餓海峡/内田吐夢(1965)=再= ★生きる/黒澤明…

★由宇子の天秤/春本雄二郎

映画『由宇子の天秤』をネットで。 このまえ内視鏡検査で大腸ポリープを切除したが意外にもその部位には痛覚がないらしい。この視聴でもきわめて特異な傷が生じたに違いないがどんな痛覚なのか曖昧で不気味。春本雄二郎という新人監督の名だけは確実に刻まれ…

★万物の黎明/デヴィッド・グレーバーほか

『万物の黎明』を読み始めた。 「人類史を根本からくつがえす」ーーこの狙いは全開にして鮮明。 「西洋近代文明がこの世で最も賢明」という私の固い信念をついに初めてぐらっと揺るがせる一冊になるかも。 自由・平等といった啓蒙思想は実はネイティブアメリ…

佐田啓二とトニー・レオンは似ている!

「プラス松竹」その後。 『皇帝のいない八月』37点。 『松本清張 風の視線』82点。 ーーAIならそれぞれのタイトルを検索し、その前後に並ぶ文字列を読み、しかもそれらの文字列がいわば何故つながっているかを数万単位の観点から分析する。だから、なぜ37点…

★伽倻子のために/小栗康平

「プラス松竹」忘れていた名作がまだいろいろ。 小栗康平『伽倻子のために』 こんな映画があったなあ。そもそも在日の苦闘があったのだなあ。いや在日の存在自体もう歴史に書かれるだけの出来事みたいだなあ。それどころか私は2012年にサハリン旅行したのに…

★映画『約束』

映画『約束』(斎藤耕一監督 1972年) アマゾンプライム「プラス松竹」にあったので久しぶりに視聴した。 萩原健一と岸恵子が主演。2人は日本海を走る列車で偶然同席する。ある駅で降りてからの逢瀬が痛切。これは敦賀市内や越前町での撮影のようだ。海沿い…