2025年2月9日(日)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2025年2月3日

 中国で1月28日から始まった春節の大型連休が2月4日で終わる。2月中旬まで春節休暇を過ごす人もいるが、会社員や公務員などは2月5日から通常の生活に戻る。

 今年は過去最多の延べ90億人が大移動すると言われ、海外旅行では日本が一番人気となった。東京や大阪などの街中で大勢の中国人観光客を見かけた人も多かっただろう。

春節で龍のランタンを飾る横浜中華街。日本における春節のイメージは更新されていない(AP/アフロ)

 日本のメディアでは、春節の数日前から「今年の春節」に関する記事が掲載され始めた。筆者も「今年はどうなる?」「今年の特徴は?」などの取材を複数のメディアから受けたが、今年に限った特徴はとくになく、例年の延長でしかない。

 だが、春節開始後にメディアを見ると、いまだに「爆買いは増える? 増えない?」「モノ消費からコト消費へ」といった、「爆買い」に関連した取り上げ方が目立つ。まるで2015年の「爆買いブーム」の時点で、時計の針が止まったかのようだ。

なぜ、爆買いは起きていたのか

 筆者はときどき「中国人インバウンドの専門家」といった誤解をされることがあるが、そうではない。中国の社会事情を取材するなかで、中国人の海外旅行が増加し、一部の洗練された富裕層が日本など海外に行くようになった。その傾向を追うと、中国人の成熟具合がわかり、数年後の中国人の姿が予測できることから、中国人旅行客の取材もするようになった。


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