2023年の〈全国発酵食品サミット〉は
岐阜県恵那市で開催!
発酵がかもし出す、奥深くおいしい世界へ

posted:2023.11.17

発酵食品と発酵文化のすばらしさを全国に向けて発信する〈全国発酵食品サミット〉。毎年全国各地で催されているイベントで、13回目の今年は岐阜県恵那市で開催されます。11月25日(土)・26日(日)の2日間、JR恵那駅から徒歩約15分の〈恵那文化センター〉を会場に、発酵食品の魅力や文化に触れることができるコンテンツが満載です。

発酵郷(はっこうのさと)、
恵那ってどんなところ?

岐阜県南東部に位置する恵那市は、海がない山間地のため、昔から貴重な海産物を保存する発酵文化が発達してきました。また、中山道の大井宿として栄えた歴史があり、街道を通じた交流によって、他地域のさまざまな発酵食品を取り入れてきました。

恵那市の郷土の味「五平餅」のタレにも発酵食品の味噌が使われていたり、恵那市北部の笠周地域には「するめの麹漬け」といった麹漬け文化が受け継がれていたり、恵那の人々は発酵とともに暮らしてきました。

知ればきっと食べたくなる、
えな&全国発酵マルシェ

イベント当日、会場では「えな発酵マルシェ」が企画されており、恵那ならではの発酵食品を買うことができます。

例えば、明智町にある〈マルコ醸造〉がつくる「三種麹みそ」はとても珍しいもの。1種類の麹を使って仕込む味噌が一般的ななか、「三種麹みそ」はその名の通り、米麹・豆麹・麦麹の3種類の麹を使って仕込んだ味噌です。信州と三河に挟まれている岐阜県東濃地方は、信州の「米味噌」と三河の「豆味噌」の両方の影響を受けていて、そこに創業者が全国行脚して見つけた「麦味噌」を取り入れて誕生したといいます。

また、恵那市唯一の造り酒屋である、岩村町にある〈岩村醸造〉の日本酒にも注目です。もともと岩村城に年貢として納めていたお米を生かして、1787年(天明7年)にお酒づくりを始めました。そして現在も岩村町内で栽培されたお米と、お米を育てるのと同じ水質の井戸水を使ってお酒を仕込んでいるそうです。

さらに、岩手県の〈陸前高田 発酵パーク CAMOCY(カモシー)〉のパンやチョコレートに、長野県木曽町の発酵漬物「すんき」、沖縄県宮古島の発酵飲料「みき」など、全国津々浦々の珍しい発酵食品の事業者も出店予定。初めて出会う発酵食品から、親しみのある発酵食品まで、会場で手にすることができますよ。

予約なしで参加可能な
ワークショップが盛りだくさん!

当日会場で飛び込み参加できる体験イベントも多数企画されています。米味噌、麦味噌、豆味噌、米麦ミックス味噌の4種類のみそ汁の試飲ができる「米麦豆の味噌汁飲みくらべ体験」や、さまざまな種類のお酢を味比べできる「お酢飲みくらべ体験」、納豆、五平餅のタレ、パン、チーズを使った発酵食品が満載の「納豆五平ホットサンド試食体験」、「寒こうじ栗旨豚や柿酢の酢の物の試食体験」など、無料で参加できる“おいしい”体験が目白押しです。

また、イースト菌による発酵で発生した二酸化炭素で風船を膨らます体験や、麹菌由来の美白美容液の体験など、“感じる”体験もあります。さらに全国の発酵食品ソムリエや発酵が好きな人が集まって情報交換を行う「寄ってきんさい! 恵那の発酵食品ソムリエおしゃべりサロン」も開設。恵那ならではの発酵食品やソムリエ考案の発酵スイーツの試食も用意されています。

「おしゃべりサロン」で提供される試食(予定)。左上から時計回りに「するめの麹漬け」「納豆五平ホットサンド」「甘酒クラッカー」「五平餅のタレからすみ」

カルピス®ブースも出店。
恵那市とのコラボドリンクも

乳酸菌と酵母の発酵によってつくられているカルピス®ブースもあります。日本初の乳酸菌飲料であるカルピス®は、100年以上前にカルピス®の生みの親である三島海雲が内モンゴルで出会った発酵乳をヒントにつくりました。現地で体調を崩した際、遊牧民たちが与えてくれた白くて酸味のある発酵乳によって元気を取り戻した海雲。帰国後に「この不思議な“チカラ”で日本を元気にしたい!」と研究を続け、カルピス®を生みだしたといいます。

そんな歴史のあるカルピス®は、世代や地域を超えて多くの人が口にしたことのある発酵食品であり、〈アサヒ飲料〉では発酵をテーマにした活動を行なっています。日本全国の発酵に取り組む仲間とのつながりを大切にし、これまでも各地のさまざまな発酵食品や素材とのコラボレーションを実現してきました。

今回は恵那市とのご縁から、恵那市でつくられている農産物とコラボ。恵那市産の梅やいちごを使った果汁シロップをミックスした「特別なカルピス®の試飲体験」を実施予定です。

カルピス®の試飲体験をはじめ、その他の体験も2日間とも随時開催されるので、気になるワークショップをぜひ覗いてみてくださいね。

発酵にまつわるパネル展示も充実

〈恵那文化センター〉の集会室では、さまざまな発酵関連の展示も予定しています。顕微鏡で観察した「乳酸菌、酵母、黒麹菌」の展示や、乳酸菌の効果や働きを紹介する展示、岐阜県内の棚田についてと棚田がある地域でつくられる発酵食品の展示などで、発酵について学ぶことができます。

また、屋外の会場には「くさや、ヌクマム、ドリアン、臭豆腐、ホンオフェ、シュールストレミング…」など、有名なものから初めて見るものまで、見る人の鼻を曲げるツワモノ発酵食品が集合。五感で楽しめる充実したコンテンツに期待です。

ほかにも、東京農業大学の名誉教授で「発酵仮面」の異名をもつ小泉武夫さんを招いて、「世界の発酵食品」に関する基調講演(※要事前申込み)や、「発酵による未来の私たち〜SDGsのまち・えな〜」を演題にしたパネルディスカッション(※要事前申込み)などのステージイベントも実施されます。

食べて、買って、学べる、発酵づくしの2日間。既に発酵の魅力にはまっている人もそうでない人も、奥深くおいしい発酵の世界へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

information

〈全国発酵食品サミットinえな〉

開催日:2023年11月25日(土)・26日(日)
会場:恵那文化センター(岐阜県恵那市長島町中野414-1)
全国発酵食品サミットinえな公式サイト