報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2023年6月6日 “聖マリ”コロナ病棟は医療従事者の「燃え尽き症候群」をどう防いだのか 新型コロナウイルスの感染症上の位置づけが「5類」に移行され、 WHOもコロナ緊急事態制限の終息宣言を発出、社会は落ち着きを取り戻しつつあります。 コロナ禍に、医療現場で問題視されていたことの一つが、強い使命感や責任感で仕事に取り組んだ人に起きる「バーンアウト(燃え尽き症候群)」です。強いストレスや恐怖に苛(さいな)まれ、医療現場を離れた人もいます。 そうした中、新型コロナの重症患者の治療にあたってきた聖マリアンナ医科大学病院・救命救急センターでは、160人あまりいるスタッフから離職者が一人も出ていません。センター長の藤谷茂樹医師に、医療従事者のバーンアウトをどう防ぐか、現場での取り組みを聞きました。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2023年6月6日 「コロナ後遺症」の脅威は続く 患者が苦しむ周囲との“ギャップ” 治療例は? 5月8日に、新型コロナウイルスの感染症上の位置づけが「5類」に移行。 重症化リスクは明らかに減少し、社会はすでに元のにぎわいを取り戻していますが、医師が「全く別の次元で捉えてほしい」としているのが、いわゆる「コロナ後遺症」です。 聖マリアンナ医科大学病院で多くの「後遺症」患者の治療を続けている佐々木信幸医師によると、今後しばらくは「後遺症の波が続くと考えられる」と言います。 現在どのような治療が行われているのか、患者がいま悩んでいることは何か。佐々木医師に聞きました。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2023年4月12日 新型コロナとの闘いで得た“教訓” 未知のポストパンデミックに何を備えるか マスク着用の義務化が解除され、第2類感染症から第5類感染症への変更も間近に迫ってきています。新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、世界中に甚大な被害を引き起こすことになりましたが、3年の時を経て、私たちに多くの“教訓”を残しました。 いま医療界は、2024年度に施行される“働き方改革”、高度医療の導入、地域格差の是正といった変革期を迎えています。また、コロナ禍で深刻な状態に陥った離島に代表されるように、集中治療が困難な地域での医療をどうすればいいのか、遠隔医療の重要性も指摘されています。 聖マリアンナ医科大学病院救命救急センター長の藤谷茂樹医師に、ポストパンデミックに何を備えておくべきか話を聞きました。 Mario 働き方改革が開始がまじかに迫る中でのコロナパンデミックで、一気に本邦の医療に内在される問題点が顕在化されました。医療現場も本気で解決に動き出さざるを得なくなったのは、良きことと捉えたいです。ITを用いた医療と医師のタスクシフトは必須と思いますので、藤谷先生の活動には賛同しますし、大きなエールを送ります!
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2023年3月6日 "新型コロナ後遺症"「ブレインフォグ」とは 症状とrTMS治療 新型コロナウイルス感染症の“後遺症”。 その症状として知られているのが、脳の中に霧がかかったようになる症状、「ブレインフォグ」です。しかし、その訴えは患者によってさまざまで、具体的にどのような状態を指すのかといった説明は難しいと医師は言います。 継続取材をしてきた聖マリアンナ医科大学病院では、いまも「ブレインフォグ」の症状で自身の変調を訴える患者が後を絶ちません。後遺症患者の治療最前線にいる、同病院の佐々木信幸医師に話を伺いました。 キュウ 私の妻は、コロナワクチン接種後、この記事と全く同じ症状になりました。残念ながら2022年10月2日、不詳の内因死で亡くなりました。脳にダメージが有るのなら、死亡の危険が有る事を、ワクチン接種でも同じ症状が出る事を他の医師の方々にも周知していただければと思います。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2023年1月18日 新型コロナ“第8波” 急増する“後遺症” 検査・治療法は?医師に聞く 新型コロナウイルス“第8波”では、「第7波のピークを超える過去最大の感染」が起きているとも言われ、感染して亡くなった人の数が連日過去最多を記録。感染拡大が続いています。 2020年4月から取材を続けている川崎市の聖マリアンナ医科大学病院救命救急センターでいま、大きな課題になっているのが、増加し続ける“新型コロナ後遺症”の患者です。 コロナは軽症だったのにもかかわらず、「歩くだけで頭痛がひどくなり、大きな音を聞くと頭が締め付けられる」(40代女性)、「けん怠感だけでなくなぜか左手で持ったモノが落としやすくなる」(60代男性)などの症状に患者たちは悩まされ続けています。 現場ではいま、どのような治療が行われているのか。注意点は何か。聖マリアンナ医科大学病院の「後遺症外来」で、多くの患者の治療をしている佐々木信幸医師に話を聞きました。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2022年10月4日 第7波の終わりに、第8波に備えて 医療の最前線から 新型コロナ第7波は、落ち着きを見せ始めています。 しかし第7波での死者数は、第6波を超える勢い。医療現場では、第7波でも発熱外来に患者が殺到したり、抗原検査キットがなかなか手に入らなかったりと、「医療体制の整備」がいまだ追いつかない状況が続きました。感染者の全数把握が見直され、医療機関や保健所の作業が軽減しても、今後、インフルエンザ流行の季節を迎えれば、また混乱を招きかねない状態に陥ることが予想されます。 こうした中、次のパンデミック「第8波」に備える、聖マリアンナ医科大学の藤谷茂樹医師からメッセージが届きました。クルーズ船の患者を受け入れた「第0波」からこれまでの経験を踏まえ、何を反省し、今後どうしていきたいか。 コロナ重症者病棟を指揮する医師の言葉をお伝えします。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2022年9月29日 “コロナ禍”の奇跡と2つの命 「ECMO装着のまま出産」から1年の記録 まだ残暑厳しい9月16日夕方、3人の親子が静かな時間を過ごしていました。部屋の壁にはハッピーバースデーの飾り。ちょうど1歳を迎える娘は静かな寝息をたてていました。父親が見守り、母親は娘の指を愛おしそうにずっと触っていました。 去年の夏、母親と娘は聖マリアンナ医科大学病院の新型コロナウイルス重症者病棟で生死の境をさまよっていました。母親は、ECMO=人工心肺装置を装着した状態で、出産を迎えることになりました。 意識がない中、顔をゆがめ、突然始まった陣痛。ICUに急遽集まった、産婦人科医、新生児対応の看護師、助産師たち。懸命の治療で救われた“2つの命”の記録です。 ひろこ 昨日たまたま番組を拝見しました。 妊婦の坂本さんがどうか無事に回復してほしいと祈るように見ていました。 コロナ、度重なる自然災害などを日々目の当たりにし、どこか希望を持てない信じるものが持てない心持ちで毎日を過ごしていました。坂本さんが幾つもの奇跡を起こして回復した時は涙が止まりませんでした。極限の状況の中で、奇跡が起こることを教えて頂き、病院の皆さんが、命の力を信じ力を尽くす姿にも涙が止まらず、信じることを思い出させてくれました。たくさんの方にみてほしいです。ありがとうございました。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2022年9月29日 【続報】“後遺症専門外来”新型コロナ後遺症治療 現場の医師が向き合う認知機能障害 高止まりのまま長引く新型コロナウイルスの“第7波”。オミクロン株の感染者の多くが軽症で済んでいる一方で、死者数は最高レベルに達しています。現在主流のオミクロン株に置き換わることが危惧されているのが「BA.2.75(ケンタウルス)」です。詳細はまだわからない部分も多いものの、感染力が高いことは確実視されています。 爆発的に増える患者に加えて、大きな課題になっているのがコロナ後遺症患者の急増です。去年1月に聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)に開設された“後遺症専門外来”には、これまで約600人の患者が受診。その数は日に日に増えてきています。 ※2022年8月25日クローズアップ現代HPに公開した記事を再掲載します。 ヒロ 2022年8月にコロナ感染したものです。高熱が3日程続き、その後全身に筋肉痛が発症し、痛みが無くなったと思っていたら今度は両足が思うように動かせなくなりました。脚に力が入らず、下肢上肢に極端な痺れが出ています。病院に行き、MRI検査等行いましたが、以前より悪くなっていた頚椎と腰椎に原因があるという診断のもと、頚椎と腰椎の手術を受けました。が、症状は一向に改善されません。現在は杖を突きながら慎重に歩行していますが長い時間の歩行は出来ません。只々以前と同じように歩けるだけで良いのです。コロナ後遺症かどうかも解りませんが良い治療方法はないのでしょうか。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2022年9月29日 「後遺症の大きな波もやってくる」 新型コロナ“第7波”に医師は… 新型コロナ第7波による感染急拡大が続くなか、医療機関では今、コロナ後遺症の大きな波が押し寄せようとしています。聖マリアンナ医科大学病院に開設された“後遺症専門外来”。働き盛りの世代だけではなく、10代の若者も治療を受けに来ています。後遺症になる原因も根本的な治療法もまだ解明されていない中、どのように治していけばいいのか、病院も、そして患者も戸惑っています。 同病院リハビリテーション科では患者の脳の血流を調べ、低下している場合、磁気を当てて脳を刺激する治療を行っています。これまでに約8割の患者に何らかの改善があったことが報告されています。多くの後遺症患者に治療を施している佐々木信幸医師に話を聞きました。 ※2022年8月4日クローズアップ現代HPに公開した記事を再掲載します。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2022年9月29日 “コロナ後遺症” ある17歳の記録 あきらめた夢と新たな目標 「私は後遺症の治療を始めてから今まで、体育や部活動に復帰することを目指して過ごしてきたのですが、3月末をもって転校することになりました。スポーツ以外の道で体調と向き合いながら、今の自分でもできることを探してみようと考えました」 同級生たちに語った最後の言葉。17歳のさやかさん(仮名)は、スポーツ推薦で入学した憧れの高校をわずか1年でやめることになりました。原因は新型コロナの後遺症でした。感染したときは軽症だったものの、けん怠感やめまいなどに1年以上悩まされ、大好きだったスポーツを続けられなくなったのです。 コロナ禍から日常を取り戻そうと社会が動き出す一方で、後遺症に苦しむ人は増え続けています。後遺症によって夢をあきらめ、新たな道を模索し始めた17歳の記録です。 ※2022年6月7日クローズアップ現代HPに公開した記事を再掲載します。 ゴンタ ワクチン接種のことが分からないのでアウト
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2022年9月29日 「運動部で活躍していた私がなぜ・・・」10代を襲った新型コロナ後遺症 聖マリアンナ医科大学病院に2021年1月に開設された新型コロナ後遺症の"専門外来"。10月に訪れた患者の数は、9月の倍の38人。 働き盛りの世代だけではなく、10代の若者も治療を受けに来ています。後遺症になる原因も根本的な治療法もまだ解明されていない中、どのように治していけばいいか、病院もそして患者も戸惑っています。 2021年4月に感染し、軽症だったものの後遺症に悩みながらも前向きに生きていこうとしている高校1年生を取材しました。 ※2021年11月2日クローズアップ現代HPで公開した記事を再掲載します。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2022年9月29日 新型コロナ“第5波”の猛威 増える妊婦の陽性患者 新型コロナの治療にあたる医療機関で今、何が起きているのか―― 聖マリアンナ医科大学病院の新型コロナ重症者病棟の現状をお伝えするシリーズ記事。今回はその関連病院、川崎市立多摩病院からの緊急報告です。この病院は新型コロナの軽症・中等症患者を受け入れていますが、感染が急拡大する中で、一般の診療にまで深刻な影響が出始めていると言います。今回は同病院総合診療内科の本橋伊織医師からのメッセージを紹介します。 ※2021年8月12日にクローズアップ現代HPで公開した記事を再掲載します。
報道局 社会番組部 チーフディレクター 松井 大倫 2022年9月13日 新型コロナ“後遺症”と向き合う 女子高生からのメッセージ 「もう夢は諦めました」 1年あまり取材を続けるうちに、心の内を話してくれるようになった10代の女性、さやかさん(仮名)。新型コロナの“後遺症”に苦しみ、通っていた高校から転校を余儀なくされました。 それでも、後遺症の症状と向き合い、新たな目標に向かって歩み始めました。 「自分と同じように苦しんでいる多くの人たちに向けて-」 さやかさんから寄せられたメッセージをお伝えします。 シン 62歳ですが、同じような症状で検査してますが、結果が出ません!
2024年11月25日 「わたしも軽度認知障害かも」チェック方法&4つの予防策 「最近もの忘れが多くなった…」「ついさっきまでのことが思い出せない…」 そんな経験はありませんか。 認知症の“予備軍”とも言われる「軽度認知障害」。ことし5月、国ははじめてその将来推計を公表しました。2040年には600万人を超えるとされています。 「自分は軽度認知障害なのかどうか…」 自宅でチェックできる方法や認知機能を向上させるための方法についてお伝えします。 (クローズアップ現代取材班) holiday 90代の母が物忘れが多くなってきたので、別の科に通院していた大学病院で1ケ月かけて検査をし、結果はアルツハイマー型認知症とのこと。 今後どうすればいいかを医師に聞いたところ「運動して、うちの中に閉じこもらない」とだけ言われました。 もう少し患者や家族の立場に立ってアドバイスをしてもらいたかったです。 何回も検査に行き疲れて帰ってくる母に対し、あまりにも不親切な回答でした。大きい病院では専門の人がいると思っていましたが・・・
2024年11月13日 【情報・意見・体験談 募集】認知機能の低下ねらう詐欺の実態 不当に高値のアパート、原野・山林を売りつけられるなど、 認知機能が低下した高齢者が被害に遭う詐欺事件が相次いでいます。 被害や業者の実態をさらに詳しく知るため、みなさんの声をお寄せください。 ▼よく分からぬまま不動産契約をした ▼家族の自宅に業者が出入りしている ▼高齢者をねらった業者を知っている など、体験談や情報を募集しています。 みなさんの声を情報提供窓口「スクープリンク」にお寄せください。 ※以下のバナーからも投稿することができます👇 見慣れない複数の訪問者 知人女性の友人が 高齢夫婦二人で住んでいて、ご主人が無くなったらしばらくして、妻の認知症が始まり、複数の見慣れない男性が自宅に出入りするようになった。あまりに様子が変で、子供や親族が管理していない様子なので、妻が住む市ではないが、知人女性の市の在宅医療介護連携センターに相談。本人の安全確保として施設入所と資産管理の専門家がついたそうだ。地区や担当で評判がピンキリと聞く。お金の管理は身内や事業者、法律家、政治家でもトラブルだらけ。元気なうちにネットや口コミでいろいろ調べておきたい。子や孫がいない場合や離れていたり、疎遠や手続きが無理、死別等もあるので、本人の安全や資産を守る法律を早く整備してほしい。
2024年11月13日 “認知症の一歩手前”が危ない!? 資産を守る予防策 ことし6月、認知症の高齢者に不当な高値でアパートを販売したとして、不動産業者が摘発されました。事件について取材を進めると、認知症の人だけではなく、認知症とは診断されていないものの、判断能力や記憶力など認知機能が衰え始めた高齢者もねらわれている実態が見えてきました。 専門家は、詐欺に遭わないために「いまの認知機能を把握しておくこと」が大切だと言います。自分や周囲の人ができるチェックシートと、これからできる対策をまとめました。 (社会番組部ディレクター 太田 竣介) 悲しいばあさん 認知症に入り込みました! 一人で暮らし、すべて自身で考え、実行していますが、忘れることが多く悲しいです。 子供とは疎遠になり、何も助けてくれ無いです。悲しいです。 暴力夫に悩まされ、躰も心もまだまだ癒えていません。悔しいです。
2023年11月2日 「認知症行方不明」クローズアップ現代で体験談や情報を募集中 認知症やその疑いがあり、行方が分からなくなった人は、去年、全国でのべ1万8700人余り。10年で2倍に増え、過去最多になっています。 これからも認知症の人たちが増えるとされる中、どうすればいいのか。 皆さんの体験談や地域の取り組みなどを教えてください。 認知症になっても安心して暮らせる社会の実現に向けてクローズアップ現代で伝えていきます。 (「クローズアップ現代」取材班) この記事にコメントする
2023年10月24日 いつもの「いってらっしゃい」から半年 戻らない夫を探して いつものように散歩に出かけた夫は、そのまま行方が分からなくなりました。 認知症と診断されていたものの、名前も住所も言えた夫は今、どこにいるのか。 家族の切実な声です。 (「クローズアップ現代」取材班)
2023年3月29日 認知症になってからも心豊かに暮らす 全国に広がる“認知症バリフリタウン”-後編ー いま全国各地で、認知症当事者や家族・支援者・行政や専門職の人たちが一緒になって、認知症に関する障壁(バリア)を取り除こうというまちづくりが進められています。 そんな“認知症のバリアフリーなまち”を、NHKでは「認知症バリフリタウン」と命名しました。 前編に続いて、ユニークなアイデアや実践事例をご紹介します。 (NHKスペシャル『認知症バリアフリーサミット~本人の声が まちを変える~』取材班) 親戚に認知症、共通点は。 親戚に認知症に70歳すぎからなる女性が複数いますが、共通点は、生前、モラハラ気味夫がいたこと、読書大好き、勉強がよくできたことでしょうか。親戚中では、有名な話です。頭を使いすぎがよくないのでは?気を遣いすぎがよくなかったのでは?と。 逆に75以上まで外で働いてる人は頭もしっかり。やはり60で引退して家庭内におさまるのでなく、死ぬまで外で働くことは大事かと、親戚みて思います。
2023年3月29日 認知症“本人の声”を大切に 全国に広がる“認知症バリフリタウン”ー前編ー 認知症になってからも心豊かに暮らすためにどうすればいいか? いま全国各地で、認知症当事者や家族・支援者・行政や専門職の人たちが一緒になって、認知症に関する障壁(バリア)を取り除こうというまちづくりが進められています。 そんな“認知症のバリアフリーなまち”を、NHKでは「認知症バリフリタウン」と命名しました。 取材班が見つけたユニークなアイデアや実践事例をご紹介します。 (NHKスペシャル『認知症バリアフリーサミット~本人の声が まちを変える~』取材班)
2023年1月6日 脳科学者が認知症の母を介護してみたら… 母と“出会い直す”ことができた 「記憶を失っても、母らしい感情は残るのか」 私は、脳科学者として、娘として、ひとつの疑問を抱き認知症の母を介護してきた。 認知症の母の脳を分析し、母の行動を観察してきた7年間。 私は、ひとつの答えにたどり着くことができた。 (取材:大阪拠点放送局ディレクター 加藤弘斗) りんご・ごはんデザート付き。 御母様の「なんでもやってあげるよ」には溜息が出ました。料理研究家・辰巳芳子さんの母浜子さんも帰宅する夫君を「なんでも有るわよ?」と夕食を振る舞われた…毎日の話だそうでこれは真似できません!愛情の日々が娘さんの献身を生むと感じました。ギャップが大きいほどお辛いでしょうに。御母様がご自分に甘い生涯だったら?「能力でなく感情」と在りましたが…やはり幼き時からの重なる数多き喜びの記憶が娘様を深い理解へ導いたのでしょうか。幸せとは?と感じ入る番組でした。
2022年11月2日 脳科学者の母が認知症に 観察して見えてきた運動機能と音楽の記憶 母が認知症になった。 怖かった。絶望した。 母が、母でない存在になってしまうのではないか。 でも、私は脳科学者。 「毎日母の症状の変化を見ることができる。脳にも詳しい。だったら母の母らしさは本当になくなるのか、“観察”してみたい」 いつしか、そう考えるようになった。 脳科学者の恩蔵絢子さんは、認知症と診断された71歳の母と暮らしながら、日々気づいたことを記録し続けてきました。 脳科学者と、認知症の母。科学者として、娘として、母と向き合う中で見つけた認知症の人の可能性とは。 (取材:大阪拠点放送局ディレクター 加藤弘斗) Ted 番組を拝見し、すでに亡くなった父と現在介護施設に入所している母のことが頭に浮かびました。父母は共に認知症です。認知症になっても、父らしさ、母らしさは変わらないと思っていたので、恩蔵さんの考え方と全く同じです。さらに、認知症の父母の言動を見ていると、父は几帳面で心配性、母はおてんばで気が強いという私の知らない子供の頃の様子まで教えてくれます。認知症の父や母を持つご家族には成長モデル(あえて成長)があると考えています。父母の認知症を知ってショックを受ける段階から、認知症は一生懸命生きてきたご褒美だと思える段階へと成長するのではないでしょうか。私は現在、精神的に余裕のある状態で母とコミュニケーションを続けています。
2021年9月24日 いつか私を忘れてしまったとしても 認知症の夫と共に 最愛の人がいつか自分のことを忘れてしまうかもしれない。 そんな事実に直面したら、あなたはどんな思いで支えますか? 「認知症と診断された本人を支えないといけない」 「自分が落ち込んではいけない」 パートナーが認知症と診断された時、相手への思いやりから不安や迷いを見せまいと葛藤する家族は少なくありません。複雑な思いを抱えながらも、認知症と診断された夫と一緒に笑って過ごす瞬間を大切にしようと心に決めた、ある女性の思いをうかがいました。 (NHK社会番組部 ディレクター加藤弘斗) ちょびママ 私の主人(69歳)もアルツハイマー型認知症です。自宅介護は、していません。ケアマネジャーさんに相談し、共倒れになるからと施設に入所させました。会えないのは、寂しい??でも、持病がある私にはムリ、罪悪感でいっぱいの毎日です。自分の気持ちをどう持っていれば良いのか?涙ばかりです。
2021年9月24日 認知症の人から言われた「あなたのことは一生忘れない」 「おじいちゃんに電話をかけても、私が誰かわからず混乱しているみたい」 先日、私の母から連絡があり、施設に入っている認知症の祖父の近況を聞かされました。 「あれもできなくなった…これもできなくなった…」母の話は尽きません。 私はディレクターとして認知症をテーマにした番組を制作してきました。 たくさんの当事者を取材させて頂き、認知症になった人が「何を思い、何を感じているのか」について、色々なことを教えてもらいました。 その中にきっと、認知症の人と接するときのヒントがたくさんあるのではないか。 改めてこれまでの取材メモをめくりました。 (報道局社会番組部 ディレクター加藤弘斗) 葛西雅子 私は今介護施設で生活している。半身麻痺で車椅子生活です。20年前のくも膜下出血発症時は何の後遺症も無かったのに5年前に脳出血を発症した時は半身麻痺の後遺症が残ってしまい左半身は未だに動きません。無事だった利き手、利き脚が今の生活の全てです。指先を使う事で脳に刺激を与える事が出来る事が調べてみた結果解りましたので日々右手を使う作業をしています?脳も疎かに出来ないので活字による刺激を与えています。間違
2020年12月17日 【脳科学者・恩蔵絢子さんに聞く】家族が認知症に 性格や記憶力の変化にどう向き合う? 先日番組あてに『認知症の祖母を持つ方』からメッセージが届きました。 「認知症の症状によって祖母の性格や記憶力が変化し、戸惑っている」という内容でした。 「私のことを思い出せなくなったり、周辺症状の幻覚があるようで、認知症であることは理解しているのですが、心が追いついていません。祖母とどう接すればよかったのか考えてしまいます」 大切な家族が認知症と診断され、症状が進行していったら、どんな気持ちで接すればいいのか。今回話を伺ったのは脳科学者の恩蔵絢子さんです。実は恩蔵さんも、5年前に母親が認知症になり、一緒に暮らしながらそばで見守ってきました。 「記憶を失っても、母は母らしくいられるのか」 脳科学者として、娘として、日々の暮らしの中で恩蔵さんが“発見”したことをもとに、アドバイスを伺いました。 (「クローズアップ現代プラス」ディレクター 加藤弘斗)
2020年12月17日 認知症の当事者や家族に悩みを相談したい方へ 2020年12月17日(木)放送のクローズアップ現代プラス「認知症の私が認知症の相談にのってみたら…」では認知症の当事者同士が体験を語り合あったり相談にのることで、お互いを支え合う取り組みについてご紹介しました。 もしあなたや周りの人が認知症と診断され「当事者の人に悩みを打ち明けたい」と思った場合、相談できる窓口をご紹介します。 胡桃 今は元気ですが70を目前にして介護が必要になったときのことをかんがえるようになりました.行政にお世話になるしかないのかな、子供たちには生活があるので仕方ないと思っています。
2020年11月27日 【家族が認知症と診断されたら】当事者に聞く 接し方のポイントは? もし自分の家族や親しい人が「認知症」と診断され、本人が強いショックや不安を抱えていたら、周りの人はどのように向き合ったらいいのでしょうか。先日、認知症の当事者や家族同士が支え合う「ピアサポート」の取り組みを動画で紹介したところ、「家族はどう接したらいいのか聞いてみたい」という声を頂きました。 そこで今回は、認知症の当事者である渡邊康平さんと妻の昌子さんに、ご自身の経験や普段感じていることをもとに、「家族の接し方について」のアドバイスを伺いました。 (「クローズアップ現代+」ディレクター 加藤弘斗・武井美貴絵) ハハハ ダブルケアまもなく20年、認知症と診断を受けこんな状態では一人暮らしは無理と告げられても適切なサポートがあれば在宅の生活が送れるはずと認知症の可能性に期待しています。仕事も育児も認知症介護も周囲の助けを借りながら同時進行で試行錯誤しています。それはそれで悩みは尽きません。
2020年11月6日 認知症ピアサポート 当事者同士で支え合う 5年後には65歳以上の5人にひとり、700万人を超える人が認知症になると言われる時代。認知症と診断された後の人生をどう歩むのかが、とても重要になっています。そうした中で広まってきたのが“ピアサポート”です。認知症になった本人が他の認知症の人の話を聞き、お互いの体験を共有することで支え合う取り組みです。 認知症ピアサポートの相談員をつとめているひとりが渡邊康平さん(78)です。5年前に認知症と診断されました。渡邊さん自身は認知症をどのように受け入れ、どんな思いで認知症の人々と向き合っているのか聞きました。 (「クローズアップ現代+」ディレクター 加藤弘斗)
2021年5月13日 ヤングケアラー どう支える? 家族の世話や介護を担う「ヤングケアラー」。4月に国が初めて実態調査の結果を発表し、中学生の約17人に1人、高校生の約24人に1人が何らかのケアを担っていることが分かりました。過酷なケアによって学業や就職活動にも支障が出るなど、その深刻な実態が明らかになっています。これまでにお伝えしてきた当事者たちの声や、支援情報についてまとめました。 すみ 「恥」の文化 かつてヤングケアラーの立場にいました。依存症や精神疾患はタブーに見られる文化の地方において、その「恥」の認識が、家庭環境や病状が悪化する一因だったのでは、と今は感じます。誰にも話さないし話せないのが当たり前という認識で育ちました。しかし、決して同じ思いをしてるのはあなただけではないこと、ガマンが当たり前ではないことを子供たちには知っていてほしいです 更なる特集期待しています
2021年5月10日 私は夢をあきらめた・・・ 外国籍ヤングケアラーの日常 家族の世話や介護をになう「ヤングケアラー」。その「ケア」には、日本語が苦手な家族のための「通訳」も含まれているのをご存じでしょうか。 先月、国が発表したヤングケアラーの全国調査によると、「父母のケアをしている」と答えた人の約12人に1人が、日本語などの通訳を担っている実態が明らかになっています。 大阪府に住むフィリピン出身のリンさん(20)は、日本語を上手く話せない母親と兄弟のために、通訳やアルバイトに追われてきました。その結果、通っていた外国語専門学校を中退せざるを得なくなり、英語の先生になる夢を諦めました。「悔しいですが、家族が大切なのでしかた無いです」―――外国から来た人と「ともに暮らす」ことがますます求められる中、外国籍のヤングケアラーをどうサポートすべきなのでしょうか。 (大阪拠点放送局ディレクター 二村晃弘) のんな たしかに、ほかの家族は何をしてるの?といいたくなるような状況だけど、それを私たちみたいな外野が言うのは、リンさんにとって嫌なことなんじゃないかなって思いました。
2021年4月23日 「弟がいたから今の私がある」 ケアの経験を生かして ヤングケアラーの取材を続ける私たちに、ある女性が言いました。 「"ヤングケアラー"ってマイナスな側面ばかりじゃないと思うんです」。 そう話すのは、知的障害のある弟のケアを10年以上担ってきた清﨑鈴乃さん・21歳です。来年の春から福祉系NPOに就職予定の清﨑さんは、大学で臨床心理を学ぶ傍ら、ヤングケアラーが集える場を運営しています。在学中に取得した福祉関係の資格は、ホームヘルパーやガイドヘルパーなど4つ。「弟がいてくれたからこそ今の私があるんです」――― ケアの経験を生かしながら活躍する彼女に、話を聞きました。 (大阪拠点放送局ディレクター 二村晃弘)
2021年4月16日 京都「ふうせんの会」 元ヤングケアラー”10年介護”の先に 「現役のヤングケアラーであっても、元のヤングケアラーであっても、居場所であったり、社会との接点であったりを作る場所が必要だと思います」 京都市内の喫茶店で出会ったその男性は、静かにそう語りました。朝田健太さん、34才。2019年の暮れ、ヤングケアラーたちが集う場として「ふうせんの会」を立ち上げました。きっちりとアイロンがかけられたシャツ、物静かで、実直な眼差し、清潔感の溢れるそのたたずまいからは、若き日にケアラーとして苦しんでいたことを想像することもできません。10年に及ぶ壮絶な介護経験を糧に支援団体を立ち上げた朝田さん、今はまだ小さくとも、その視線はヤングケアラー同士がつながり支え合う、そんな未来を見据えていました。 「静かなる挑戦者」の思いに耳を傾けました。 (大阪拠点放送局 ディレクター 田中雄一) Seagullfii コメントなどが0、に驚きながらも、宜なしと思いました。 言葉を失うとはこの事と理解しました。 ヤングケアラーに関するドキュメンタリーは、二度目の視聴ですが、毎度、官僚が十分なディフェンスができていることに、些か、違和感を覚えています。
2021年4月12日 都会の“雪山”に生きて 「介護も育児も“家族の責任”という風潮ですよね。それがもう小さな子どもにまで染み通っている。だからヤングケアラーは『自分が辛い』と言わないし、言っちゃ駄目だと思っている」 取材中もいつも笑顔を絶やすことのないその女性が語気を強めてこう語りました。兵庫県尼崎市のスクールソーシャルワーカー、黒光さおりさんです。現在市内5つの小中学校を受け持ち、ヤングケアラーの支援に力を注いでいます。本来であれば大人が担うような重いケアを引き受ける子どもたちもいますが、過酷な環境の中でも自ら声を上げることは少なく、その存在は社会に埋もれたままです。家族が社会から孤立して”都会の雪山”のような状態になり、外からはまったく様子がわからないケースもあります。 実は黒光さん自身も、幼い頃から母親のケアを担ってきました。1人でも多くの子どもたちとつながり力になりたいと、悩み葛藤しながら前を向いて歩み続ける、黒光さんの日々を見つめました。 (大阪拠点放送局 ディレクター 田中雄一) えんじょるの 「ケアすること」と「ケアされること」は誰もが通る道。特に子供はケアされなければならない存在です。しかし、親が「ケアされる」状況に陥ってしまうと、その負担を子供が背負うこともあります。核家族が増えつながりが分断された日本社会の弊害ではないでしょうか。黒光さんの「社会を変えたい」という考えにとても共感します。
2021年4月2日 “半径1メートル” で生きた10年 「毎日、自分が生きるのと周りを生かすのとで精一杯でした」 12歳の弟をあやしながら、絵本の唄を情緒豊かに口ずさむ女性。その手慣れた様子は、長い年月にわたってケアを行ってきた事実を、何よりも雄弁に語っているようでした。女性の名前は、上野千草さん (29)。高校生の頃から10年以上、ダウン症の弟やうつ病を患う母親のケアを続け、大学卒業後はバーや居酒屋など、家族のケアが終わった夜間に働ける職を転々としてきました。 昨年ようやく母の健康状態が回復し、ケアの負担を分担し始めたことで初めて手にした「自分の時間」。充実感をもつ一方で、これまで家族にささげてきた膨大な時間に時折「ふと思いがこみ上げてくる」と、複雑な胸の内を私たちに語ってくれました (大阪拠点放送局ディレクター 二村晃弘) 郁ちゃん 家族愛というものを感じました。1mのところにいる人に尽くすことと、自分のこれから先をどう生きていくのか興味があります。
2021年3月26日 「私がお母さんを守らなきゃ」 ある女性が大学時代に心情をつづった数冊のノート。その1ページに、母親への祈りにも似た、こんな詩が綴られていました。 「お母さん」 お母さんが笑ってくれるといい お母さんが外に出れたらいい お母さんが生きててくれたらいい お母さんが「生きて良かった」って思ってくれたらいい お母さんに「幸せ」って感じてもらえたらいい お母さんに人の温かさを感じてくれたらいい そうだったらいい そうだったらいい 作者は関西在住の24才の女性、琴愛さん(仮名)。幼い頃から精神疾患が疑われる母親のケアを続けてきた「ヤングケアラー」です。精神状態が不安定な母は「死にたい、死にたい」と繰り返し、時には琴愛さんに感情の矛先を向けることもありました。琴愛さんは「逃げ出したい」という思いと、「お母さんも頑張っているんだ」「私がお母さんを守らなきゃ」という思いの狭間で苦しみながらケアを続けてきました。その結果として負った深い心の傷は今も癒えることはありません。同じような境遇の子どもたちの力になりたいと胸の内を語ってくれた琴愛さん、その半生の物語をたどります。 (大阪拠点放送局ディレクター 田中雄一) 担当ディレクター 沢山のコメントありがとうございます。「今苦しんでいる人の力になりたい」と語ってくれた琴愛さんの願いが届いたようで、本当に嬉しく思います。取材を続けながら、子どもたちのために一日も早く支援を…という焦りにも似た、もどかしい思いが募ることは事実です。 その一方で、当事者の方からのコメントも頂きましたが、外からはどんなにひどい親に見えても、子どもにとって「お母さんはお母さん」、大切な家族です。また、お母さん自身(ご家族自身)も病や障害を抱えながら自分の人生を必死で生きています。子どもはそのことを鋭敏に感じ取り、表沙汰にしようとはしません。学校や行政の役割はもちろん重要ですが、公的な機関が介入するだけでは容易には解決しない問題だとも感じています。 いま、私たち取材班は、当事者の方々、行政、支援者の方々と議論を続けています。どうすればより良い解決の道があるでしょうか。心ある多くの人が現場で悩み、模索を続けています。私は次の記事でその人々のことを書きたいと思います。彼女たちが直面する課題は、日本が抱える問題の縮図のようにも思えるからです。
2021年2月11日 知ってほしい「ヤングケアラー」のこと 「自分の進路より家族が優先―」 脳性まひの母親を介護している高校1年生の言葉です。 家族の介護、ケア、身の回りの世話を担っている18歳未満の子どもたちは、「ヤングケアラー」と呼ばれています。介護や家事に追われ、勉強や友だちづきあいする余裕がない子どもも少なくありません。悩みを抱えていても相談できる相手がおらず、ひとりで抱え込んでいるケースも。 2月11日(木)放送の「おはよう日本」では、ヤングケアラーの当事者や経験者に集まってもらいオンライン座談会を行いました。父親を介護していた経験のある、お笑い芸人のキンタロー。さんも参加してくれました。家族のこと、進路のこと、将来のことなど、3時間かけて語り合いました。 (ヤングケアラー取材班) さすらいの独り者 例えば最愛の身内がガンに罹った。最愛の身内が、壮絶に苦しみ、もうすぐこの世から居なくなってしまう喪失感。物凄くつらいです。これはヤングケアラーとかの問題でない気がする。これは第三者が支援と言っても、できることは限られてるのでは?せいぜい、最愛の身内を亡くす痛みを受け止めてあげることぐらいしかできない。行政が介入することでない。
2021年2月10日 若くして介護を経験したキンタロー。さん ヤングケアラーへのメッセージ お笑い芸人として活躍するキンタロー。さんは、実はかつて「ヤングケアラー」の当事者でした。小学生の頃に父親が精神疾患を発症し、さらに母親が亡くなった20代の頃には仕事をしながらの介護も経験するなど、右も左も分からない中で、ひとりで悩みを抱え込んでしまったこともありました。 今回「おはよう日本」(2月11日放送)の企画で「ヤングケアラー」の座談会に参加し、経験者だからこそ理解し合える悩みや葛藤について、語ってくれました。 (ヤングケアラー取材班) とんび ヤングケアラーに注目が集まってきたのは良い事と思う。が、「あなたの人生が大事。がんばってね」と言われても、では明日からどうすればいいの?に答えられる支援者がまわりにどのくらいいるのでしょうか?福祉サービスの制度の谷間に落ちて支援が得られず困っている人は若年者に限らずたくさんいます。そういう状況をぜひ、今後も取材していってほしいです。
2021年2月10日 『ヤングケアラー』から届いた切実な声 先日『ヤングケアラー』についてのご意見や体験談を募集したところ、70件以上の声が寄せられました。ご協力いただき誠にありがとうございました。「悩みをひとりで抱え込み孤独だった」という方や、「子ども時代に介護をした影響が大人になっても続いている」という方など、実際にヤングケアラーを経験した方々から切実な声が数多く届きました。 実態をつかむのが難しいとされるヤングケアラー。アンケートから見えてきた当事者の実情とその胸の内をご紹介します。 (ヤングケアラー取材班) ピヨちゃん 私は祖母の、トイレの世話を中学から高校生までやりました。寝る時も一緒で横を向くと祖母がトイレ行きたいと訴えます。学校も友達とも遊べない生活、早く家を飛び出したかった。上京する時は寝たきりで私に花嫁姿みたいと言ってたけどそんなの見なくていいと耳元で冷たく言ってしまった。まもなく亡くなり会えなかった。今も後悔してる。でも大好き、いろんなこと教えてくれた大事な私の思い出、大好きなお婆ちゃん有難う。
2020年12月21日 高校生の25人に1人が『ヤングケアラー』 初調査で見えた実態 家族に代わって家事や介護などを担う18歳未満の子どもたち、「ヤングケアラー」。 これまでもその存在は認識されていたものの、家庭の中の状況が把握しにくい上、子どもたち自身も声を上げづらいことなどから、正確な実態をつかめずにいました。 ところがことし、埼玉県が全国に先駆けて調査を行ったところ、高校生の「25人に1人」の割合で「ヤングケアラー」が存在していることが判明しました。 調査からは「孤独を感じる」「勉強時間が十分に取れない」など、子どもたちの生活に影響が出ている実態も浮かび上がってきました。 (ヤングケアラー取材班)