AMD_FXとは? わかりやすく解説

AMD FX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/15 06:57 UTC 版)

FX
生産時期 2011年から
販売者 AMD
設計者 AMD
生産者 GlobalFoundries
CPU周波数 2.8 GHz から 4.7 (Turbo 5.0) GHz
プロセスルール 32 nm から 28 nm
マイクロアーキテクチャ
命令セット AMD64
拡張命令
共通
Piledriverのみ
コア数 4, 6, 8
ソケット Socket AM3+
コードネーム
  • Zambezi
  • Vishera
前世代プロセッサ Phenom II(K10)
次世代プロセッサ Ryzen(Zen系)
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AMD FX(エフエックス)は、AMDx86Bulldozerアーキテクチャマイクロプロセッサ

概要

32nm SOIを用いて製造される。前のPhenom IIの45nm SOIに比べ劣るものの小さなコアで多コアを実現できるとして開発された[1]。ただし、これは後述する簡略化によって達成されている。

2基の整数演算ユニットが1基のFPUを共有する構成になっているため、Phenom II X6やインテルCPUに比べ、浮動小数点演算に劣るとの評がある[2]

登場までの経緯

FXは新しく開発されたBulldozerアーキテクチャを採用したCPUである。世界初の4モジュール8コアプロセッサーの触れ込みで発売された[3]。しかしながら、シングルスレッド性能、マルチスレッド性能ともインテルのCore i7には全く太刀打ちできず、価格で勝負することになる。最終モデルはFX-9590である。

登場から現在まで

Phenom IIと比べ、簡略化のため整数演算等のシステムを変えたことによりコアごとのパフォーマンスが劣ることにより見劣りするとの評が出ている[4][5]。これは開発者が語っている通り、デュアルコア以上動作のソフトに対するものによるもので、Phenom IIとFXのCPUとソフトウェアの関係に対するアプローチの違いに拠っている。また、開発者側はCPUの進化が早くソフトウェア側が追いついていないとも、容易にFXに最適化された環境がすぐには整わないとも語っている。しかし、簡略化は容易な性能アップ方法のクロックアップが出来ると主張されている[6]。その他はTDPが上がり気味だったAMD CPUであるが、Phenom IIの第1世代Turbo COREに対し、改良された第2世代でクロックアップが容易になったとされている[7]

これらの状況に対してAMD側はマイクロソフトに働きかけ、FPUの共有時におけるクセ改善のため、Win7でFXに対応するパッチを公開した。後継のWin8では初めから組み込まれている。

ラインナップ

8コア(4モジュール)のFX-8xxxシリーズ、6コア(3モジュール)のFX-6xxxシリーズ、4コア(2モジュール)のFX-4xxxシリーズの製品が発売される。これらとは別にサーバ向けとしてBulldozerベースのOpteron(16コアモデルなど)も販売を開始している。

Bulldozer

モデル [モジュール/FPU]コア/スレッド 動作周波数 (GHz) キャッシュ (MB) ソケット 製造プロセス TDP (W) 発売時期
Base ターボ L2 L3
全コア Max
FX-8xxxシリーズ FX-8170 [4]8 3.9 - 4.5 2.0 x 4 8.0 AM3+ 32nmSOI 140 発売中止
FX-8150 3.6 3.9 4.2 125 2011年11月4日
FX-8120 3.1 3.4 4.0
FX-8100 2.8 3.1 3.7 95 2011年Q4
FX-6xxxシリーズ FX-6200 [3]6 3.8 - 4.1 2.0 x 3 8.0 AM3+ 32nmSOI 125 2012年Q1
FX-6120 3.6 4.2 95
FX-6100 3.3 3.6 3.9 2011年Q4
FX-4xxxシリーズ FX-4170 [2]4 4.2 - 4.3 2.0 x 2 8.0 AM3+ 32nmSOI 125 2012年Q1
FX-B4150 3.8 3.9 4.0 95 2011年Q4
FX-4100 3.6 3.7 3.8

Piledriver

モデル [モジュール/FPU]コア/スレッド 動作周波数 (GHz) キャッシュ (MB) ソケット 製造プロセス TDP (W) 発売時期
Base ターボ L2 L3
全コア Max
FX-9xxxシリーズ FX-9590 [4]8 4.7 - 5.0 2.0 x 4 8.0 AM3+ 32nmSOI 220 2013年6月11日
FX-9370 4.4 4.7
FX-8xxxシリーズ FX-8370 [4]8 4.0 - 4.3 2.0 x 4 8.0 AM3+ 32nmSOI 125 2014年09月02日
FX-8350 4.1 4.2 2012年10月23日
FX-8320 3.5 3.8 4.0
FX-8310 3.4 3.6 4.3 未定
FX-8300 3.3 3.8 4.2 95 2012年12月29日[8]
FX-8370E 3.3 3.6 4.3 95 2014年09月02日
FX-8320E 3.2 3.5 4.0
FX-6xxxシリーズ FX-6350 [3]6 3.9 - 4.2 2.0 x 3 8.0 AM3+ 32nmSOI 125 2013年04月30日
FX-6300 3.5 3.8 4.1 95 2012年11月10日
FX-4xxxシリーズ FX-4350 [2]4 4.2 - 4.3 2.0 x 2 8.0 AM3+ 32nmSOI 125 2013年04月30日
FX-4320 4.0 4.1 4.2 4.0 95 未定
FX-4300 3.8 - 4.0 2012年10月27日

脚注


AMD FX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 09:48 UTC 版)

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ」の記事における「AMD FX」の解説

詳細は「AMD FX」を参照 2011年10月にはK10コア後継となるBulldozerコア採用した最初CPUであるハイエンド向けのAMD FXシリーズ発表された。Bulldozerコア従来コアとは違ってスクラッチゼロから設計された。10W-125WのTDP指向しており、AMDBulldozerコア採用ワットあたりの性能劇的な向上が見込めるとしていた。また、デスクトップPC向けとしては世界初ネイティブ8コア搭載するプロセッサーとして期待高まっていた。しかし、サイクル当たりの命令数 (IPC, en:instructions per cycle) がインテルに対して低く浮動小数点演算ユニット2つコア共有したことで、浮動小数点演算性能大きく低下その後改良続けられているがデスクトップ向けとしてはインテル後塵を拝する結果となっている 。Bulldozer低迷は、マルチスレッド活用することでマルチコアCPU最適化されたアプリケーションソフトウェアよりも、シングルスレッド動作のためにコアあたりのピーク性能が重要となるアプリケーションのほうが依然として主流であったことも関与している。 2012年10月Bulldozerコア改良版となるPiledriverコア採用したFXシリーズCPU発表発売。高クロック化と低発熱化を行なったコア数を求めマルチタスク使用するソフトウェア増加に伴い対抗であるインテルCPU性能勝負できる場面増加した

※この「AMD FX」の解説は、「アドバンスト・マイクロ・デバイセズ」の解説の一部です。
「AMD FX」を含む「アドバンスト・マイクロ・デバイセズ」の記事については、「アドバンスト・マイクロ・デバイセズ」の概要を参照ください。

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