Qtとは? わかりやすく解説

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キュー‐ティー【QT】

読み方:きゅーてぃー

qualification test認定試験


キュー‐ティー【QT】

読み方:きゅーてぃー

question time》⇒クエスチョンタイム


QT

フルスペル:Quote Tweet
別名:引用ツイート

QTとは、Twitterにおける引用付きツイートつぶやき)のことである。あるいは、Appaleのマルチメディア関連技術である「QuickTime」の略称である。

Twitterには、他のユーザーによるツイート引用として再度発信するリツイート」(RT)と呼ばれる使い方がある。このRTは公式機能としても採用されたが、RTでは自分コメント付加することはできない。これに対して、QTは引用と共に自分コメント加えて発信することができる。

そのため、TwitterにおけるRTとQTの違い下記のようであると表現できる

ツイートをQTの形式発する場合引用した元の文には「QT @(ユーザー名)」という形式引用元情報付加される

QTはTwitterユーザーコミュニティ使用され始めた使い方であり、Twitter運営者側で考案された公式機能ではない。しかしながらRTと同様、Twitterユーザーの間で広く用いられるようになりつつある。


参照リンク
Twitterのコメント付き RT は QT と呼ぼう。 - (Yaks)
QT(Quote Tweet)について - (ヒビノアワ)
Webサービスのほかの用語一覧
Twitter:  OKetter  Proca  Periscope  QT  RT希望  リプライ  リツイート

量的形質

英訳・(英)同義/類義語:quantitative trait, QT

体の大きさ血圧など、量的な変動のもととなる遺伝形質
「生物学用語辞典」の他の用語
現象や動作行為に関連する概念:  酸素運搬  重複受精  野生株  量的形質  長日処理  長日効果  長日植物

Qt

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 14:38 UTC 版)

Qt
Qt designer を用いたGUI設計
開発元 トロールテック (1991–2008)
ノキア (2008–2011)
ディジア英語版 (2012–2014)
Qt Project英語版 (2011–現在)
The Qt Company(2014–現在)
初版 1992年 (32年前) (1992)
最新版 6.6.0 - 2023年10月10日 (5か月前) (2023-10-10)[1] [±]
最新評価版
6.0 Beta / 2020年10月20日 (3年前) (2020-10-20)[2]
リポジトリ
プログラミング
言語
C++
対応OS FreeBSD組み込みLinuxmacOSWindowsLinux(X11Wayland)、Windows CESymbianMeeGoAmiga OSAndroidiOS
プラットフォーム クロスプラットフォーム
サポート状況 開発中
種別 アプリケーションフレームワーク
ライセンス Qt Commercial License[3]
GPL 2.0 3.0[3]
LGPL 3.0[3]
公式サイト www.qt.io/jp
テンプレートを表示

Qt(キュート)とは、クロスプラットフォームアプリケーションフレームワークである。The Qt CompanyQt Project英語版によって開発されている。

性能

「キューティー」と発音されることもあるが公式には「キュート」である。GUIツールキットとして広く知られているQtであるが、コンソールツールやサーバソフトウェアのような非GUIプログラムでも広く使用されている。

ライセンスには商用版とオープンソース版があり、現在のオープンソース版のライセンスはLGPLおよびGPLである。商用版を購入するとQt商用ライセンス (Qt Commercial License) でソフトウェアを開発できる。LGPL版は、2009年3月にリリースされたQt 4.5から提供され始めた。これによりQtは営利企業にとってもより使いやすいライブラリとなった。

QtはC++で開発されており、単独のソースコードによりX Window SystemLinuxUNIX等)、WindowsmacOS組み込みシステムといった様々なプラットフォーム上で稼働するアプリケーションの開発が可能である。またコミュニティーにより多言語のバインディングが開発されており、JavaからQtを利用できるようにしたQt Jambi、さらにQtをRubyPythonPerlC#などから利用できるようにしたオープンソースのAPIが存在する。

このように開発が容易であり高速、スタイリッシュなQtはライセンスが多様なこともあり、KDEを始めとするオープンソースのアプリケーションに限らず、商業アプリケーションでの採用例も多く様々な分野で使用されている。

OpenGLSVGXMLといった最新技術にも対応している他、日本語を含む多バイト文字入力フレームワークへも対応している。

オープンソース版

GPLまたはLGPLが適用される。LGPLは、バージョン4.5から適用できる。Windowsや多くのUnix系オペレーティングシステム (OS)、macOS向け、あるいはEmbedded Linux、Windows CE、Symbian(Qt4.6より)向けにパッケージが配布されている。

設計

モジュール

Qt 5のモジュール群の一部を以下に示す[4]

Qt Essentials

Qt Core
GUI向け以外のコアとなるクラスを保持する。
Qt Gui
GUIのメインとなるクラスを保持する。OpenGLを含む。
Qt Multimedia
音楽、動画、ラジオ、カメラなどのマルチメディア機能を実装する。
Qt Multimedia Widgets
マルチメディア機能を実現するウィジェット群。
Qt Network
ネットワークプログラミングを簡単にするためのクラス群。
Qt QML
QMLとJavaScriptに関するクラスを保持している。
Qt Quick
カスタムユーザーインターフェイスを備えた高度に動的なアプリケーションを構築するためのフレームワーク。
Qt Quick Controls
デスクトップ風のユーザーインターフェイスを作るためのQt QuickベースのUIコントロール群。
Qt Quick Dialogs
Qt Quickアプリケーションにシステムダイアログを提供する。
Qt Quick Layouts
ユーザーインターフェイスにQt Quick 2ベースのアイテムを使用するアイテムのレイアウト。
Qt SQL
SQLを使うデータベースのためのクラス群。
Qt Test
Qtアプリケーションとライブラリのユニットテストのためのクラス群。
Qt Widgets
Qt GuiをC++ウィジェットで拡張するためのクラス群。

Qt Add-Ons

Active Qt
WindowsでActiveXやCOMを使うアプリケーションのためのクラス群。
Qt 3D
2Dや3Dレンダリングをサポートする近リアルタイムシミュレーションシステムのための機能。
Qt Android Extras
Android固有の機能を使うためのAPI。
Qt Bluetooth
Bluetoothハードウェアへのアクセスを提供する。
Qt Canvas 3D
JavaScriptを使ったQt QuickアプリケーションからOpenGL風の3D描画を可能にする。
Qt Concurrent
低レベルな操作なしにマルチスレッドプログラムを書くためのクラス群。
Qt D-Bus
D-Busプロトコルを使用したプロセス間通信のためのクラス群。
Qt Gamepad
Qtアプリケーションのゲームパッドハードウェアのサポートを可能にする。
Qt Graphical Effects
Qt Quick 2で使うためのグラフィカルエフェクト。
Qt Image Formats
Qt Guiでサポートされていない画像フォーマットのためのプラグイン群。
Qt Location
QMLアプリケーションで地図の表示や道案内やコンテンツの配置をする。
Qt Mac Extras
macOS固有の機能を使うためのAPI。
Qt NFC
NFCハードウェアへのアクセスを提供する。
Qt Positioning
スマートフォンなどで位置情報を提供する。
Qt Print Support
印刷を簡単にするためのクラス群。
Qt Purchasing
Qtアプリケーションのアプリ内課金を可能にする。
Qt Sensors
センサーハードウェアへのアクセスとモーションジェスチャーの認識を提供する。
Qt Serial Port
ハードウェアと仮想シリアルポートへのアクセスを提供する。
Qt SVG
SVGファイルの内容を表示するクラスを保持する。SVG 1.2 Tinyの機能をサポートする。
Qt WebEngine
アプリケーションにウェブコンテンツを埋め込むためのクラスと関数群。
Qt WebView
QMLアプリケーションでウェブコンテンツをプラットフォームのネイティブAPIを使い、アプリケーションに完全なウェブレンダリングエンジンを含むことなく表示する。
Qt Windows Extras
Windows固有の機能を使うためのAPI。
Qt X11 Extras
X11固有の機能を使うためのAPI。
Qt XML
SAXおよびDOMインターフェイスを実装。

ネイティブUI描画APIの使用

かつてQtはプラットフォームのネイティブの見た目をエミュレートしていたため、ときどきエミュレーションが不完全な場合に微妙な不一致が発生することもあったが、最近のバージョンのQtはそれぞれのプラットフォームのネイティブAPIでQtコントロールの描画を行うため、そのような問題に苦しめられることもなくなった[5]

メタオブジェクトコンパイラ

mocと呼ばれるメタオブジェクトコンパイラは、Qtプログラムのソースコードを入力として実行されるツールである。C++のソースコードにマクロを1、2行記述するだけで、mocがそれを解釈しプログラムで使用されるクラスについての「メタ情報」とともに追加のC++コードを挿入して出力する。このシステムにより、ネイティブのC++では利用できなかったり実現しようとすると煩雑なシグナル&スロットシステムやメタプログラミング、非同期関数呼び出しなどを簡単に利用できる。

シグナル&スロット

オブジェクト間でコミュニケーションする時にObserver パターンを簡単に使えるようにするための仕組み。あるオブジェクトがシグナルを発信するとそのシグナルに接続してあるオブジェクトのスロット(関数)が呼ばれる。発信側は受信側を知る必要がなく、インクルード関係をシンプルに保つことができる。

バインディング

Qtはさまざまな言語用のバインディングを持っており[6]、機能セットの一部または全部を実装している。

Qtによるhello world

#include <QtGui>

int main(int argc, char *argv[])
{
    QApplication app(argc, argv);
    QLabel label("Hello, world!");
    label.show();
    return app.exec();
}

Qt hello world プログラムのコンパイルおよび実行

  1. Helloフォルダを作る
  2. 上のプログラムをHello.cppとしてHelloフォルダに保存する
  3. Helloフォルダで以下を実行
    1. qmake -project
    2. qmake
    3. make(または gmake や nmake 等。OSおよびコンパイラごとに異なる)
  4. 実行する ./release/Hello (Windowsなら release\Hello.exe)

開発環境・デザインツールなど

クロスプラットフォームの統合開発環境Qt Creator、GUI エディタのQt Designer、翻訳支援ツールのQt Linguist、リファレンスドキュメントビューアのQt Assistant等の開発支援ツールが付属しており、これらを使用することで高速な開発が可能となっている。その他のものとしてWindowsのVisual Studioでの開発を可能にするプラグインVisual Studio Add-inが用意されている。またEclipse上で開発を可能にするQt Eclipse Integrationも用意されている。また、Unix/X11(Linuxなど)では、KDevelopが使用できる。

Qt/UNIX上ではGCC、Qt/WindowsではMicrosoft Visual Studio上のコンパイラが使える他、MinGW等のコンパイラでの開発も可能である。

歴史

Quasar Technologies社のHaavard NordとEirik Chambe-Eng(Qtの開発者であり、現在[いつ?]TrolltechのCEO、および社長)は、1991年にQtの開発をはじめた(Quasar Technologies社はその後Troll Tech社、Trolltech社へと社名を変更していく)。

Qtと名づけられたのは、Qという文字がHaavardの使っていたEmacsのフォントの中でもっとも美しく見えたという理由からである。tはtoolkitの略語である。

KDEがLinuxで主要なデスクトップ環境になることが明確になった1998年頃、KDEがQtベースで開発されていることから、フリーソフトウェアであるKDEがライセンス上、Trolltech社のQPLに抵触する可能性が懸念された。

背景は以下の通りである。

まずバージョン1.45まではQtのソースコードは、FreeQt licenseでリリースされていた。しかしバージョン2.0からは、このライセンスはQ Public License (QPL) に変更された。Free Software Foundationによると、QPLはGPLとは矛盾するライセンスであった。この問題はKDE側とTrolltech社との間で協議されることになり、結果、KDE Free Qt Foundationが発足されることになった。結果、QtはQPLとGPLのデュアルライセンスで配布されることが決まり、この問題は完全に解決した。さらに、将来、Trolltechが何らかの理由で新しいオープンソース版を作成することができなくなった場合でも、KDE Free Qt FoundationによりQtの開発を続けることが保証されることになった。

最初の二つのバージョンでは、プラットフォームはUNIX及びWindowsプラットホームがサポートされた。当初はQt/X11上でのプロプライエタリライセンスはWindowsプラットホームでは使用できず、WindowsでQtを使用するときはQPLエディションのQtを購入する必要があった。

2001年の終わりにTrolltech社はバージョン3.0をリリースした。バージョン3.0からはMac OS Xプラットフォームもサポート対象となった。Mac OS X上ではGPLで配布されている。

2005年6月にTrolltech社はQtバージョン4をリリースした。Qt4では Windows上でも、QtをGPLでソースコードを公開することになった。これにより、Windows、Mac OS、Unixの全てのプラットフォームでGPLのフリーオープンソースアプリケーションが開発できるようになった。またこのバージョンからコア、GUI、ネットワーク、XML、OpenGLなど、機能別にモジュールが分割された。不要な機能は読み込まれないため、メモリの節約になる。その一方、Qt4はQt2および3とソースコードに互換性がない。このため現在[いつ?]でもQt3を使い続けるユーザーは多い。またKDEは3から4へバージョンアップする際、ソースコードの全面的な書き直しが必要となったためリリースが大幅に遅れた。

2009年3月にLGPLが適用となるバージョン4.5が発表された。これはTrolltech社がノキアに買収されたことにともなうもので、組み込み実績の多いQtをプロプライエタリソフトウェアでもより使用しやすくするためである。バージョン4.5においても、Qtの商用ライセンスは存続し、LGPLですら許容できない(リバースエンジニアリング禁止条項を含むなど)場合は商用ライセンスを使用する必要がある。

2009年5月には、Gitリポジトリが公開され、ユーザからのパッチのコミットがより簡易になった。

なお、初期のバージョンにおいては日本語固有の処理にバグがあり、ライセンス上それを修正し配付することが困難であったため、QtおよびKDEの普及が日本語圏において遅れることとなった。この問題はTrolltech社(当時)が日本語パッチを特別に認めることにより解決した。

Chromiumを援用することがQt5.6で決まったものの、その性能の悪さからすぐに批判され、現在[いつ?]ではQtWebEngineとQtWebKitが混在している。Qt WebBrowser[7]も思ったほどの普及になっていない。これはChromiumの採用バージョンが最新よりかなり遅れることが原因である。

2012年8月9日にディジア英語版がノキアからQtを買収した[8]AndroidiOSWindows 8へのQtの早急な対応を目標に、約125人のQt開発者たちがディジアに移籍された[9][10]。また、このころBSDBSDの子孫)向け軽量デスクトップ環境Luminaの開発がはじまった。

Qtを使用している主なソフトウェア

Qtを利用できるプログラミング言語

QtはGUIツールキットとして広く使われているため、メイン開発言語であるC++以外の多数のプログラミング言語バインディングが存在する。

  • node-qt - Node.jsバインディング
  • PyQt - 古くから使われているPythonバインディング。GPL。
  • PySide - ノキアが開発したPythonバインディング。LGPL。
  • QtRuby - Rubyバインディング
  • RingQt - Ring用のQt バインディングと Ring 向けの Qt 関連のフォームデザイナ、ツールが処理系に標準添付されている。

脚注

  1. ^ Qt 6.6 Release”. Qt Blog (2023年10月10日). 2023年11月18日閲覧。
  2. ^ Qt 6.0 Beta Released”. Qt Blog (2020年10月20日). 2020年10月25日閲覧。
  3. ^ a b c Qt Licensing”. 2017年10月11日閲覧。
  4. ^ All Modules”. Qt Project. 2017年10月12日閲覧。
  5. ^ Library - Digia Plc”. 2013年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月12日閲覧。
  6. ^ Language Bindings - Qt Wiki
  7. ^ Qt WebBrowser | Qt WebBrowser Manual
  8. ^ Digia to acquire Qt from Nokia
  9. ^ http://blog.qt.nokia.com/2012/08/09/investment-in-qt-planned-to-continue-digia/
  10. ^ http://blog.qt.nokia.com/2012/08/09/digia-extends-its-commitment-to-qt-with-plans-to-acquire-full-qt-software-technology-and-business-from-nokia/

関連項目

外部リンク


QT

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/28 05:29 UTC 版)

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QTQtqt

科学技術

施設・建造物

その他

関連項目

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 内科学 第10版. “心電図” (日本語). コトバンク. 2020年7月11日閲覧。
  2. ^ “暁の円買い攻勢、アップルショックの余波”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2019年1月4日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39618220U9A100C1000000/ 2019年8月10日閲覧。 

QuickTime

(Qt から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/09 15:23 UTC 版)

QuickTime
開発元 Apple
最新版
macOS版7.6.6[1]
Windows版7.7.9 / 2016年1月7日 (8年前) (2016-01-07)PST
対応OS Mac OS X v10.6.3 / v10.7
Windows Vista / 7
プラットフォーム IA-32
サポート状況 Windows版は終了[2][3][4][5]
種別 マルチメディアフレームワーク
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト Apple - QuickTime
テンプレートを表示
QuickTime Player
作者 Apple
最新版
10.5
使用エンジン AVFoundation
対応OS macOS Sonoma
サポート状況 継続中
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト QuickTime Player ユーザガイド
テンプレートを表示
QuickTime Movie
拡張子.mov .qt
MIMEタイプvideo/quicktime
タイプコードMooV
UTIcom.apple.quicktime-movie
マジック
ナンバー
MOVImoov****mvhd
MOVImoov****cmov
MOVImdat
開発者Apple
種別メディアコンテナ
包含物動画音声テキスト

QuickTime(クイックタイム)は、かつてAppleが開発していたマルチメディア技術である[6]音楽動画画像テキストデータなどを取り扱うことができる。

なお、Mac OS X v10.6に搭載されているQuickTime XiOSのマルチメディア技術をベースに作られたもので、従来のQuickTimeとは基本的に別物のシステムである。詳細はQuickTime Xを参照。

後継技術は、AVFoundationである[7]

概要

QuickTimeを広義の意味で使うと、マルチメディアの技術に加えて、メディアプレーヤーはQuickTime Player(旧Movie Player)、メディアデータの編集、変換、保存が行えるソフトウェアはQuickTime Player Pro(旧Movie Player Pro)も含まれる。なお、QuickTime Playerは無料で利用できるが、QuickTime Proにアップグレードする場合は有料となる。なおQuickTime本体は通常版、Proとも全く同等のモジュールベースであるため、自らプログラミングを行なえばPro相当の機能が使えるほか、macOSであればAppleScriptからも制限なく機能を利用できる。iLifeでも利用されている。ただし、無料配布であってもライセンス料が発生する特許技術(AACなど)に関しては、Proからでないと利用できない。

狭義の意味では冒頭で示した通り、技術そのものを指す。

QuickTime自体はライブラリであり、AppleのソフトウェアであるiTunesFinal Cut Proといったマルチメディア系アプリケーションの動作の中核を担っている。その他、デジタルカメラやデジタルビデオカメラは、写真や動画の撮影や再生にQuickTimeを使用しているものも多い。QuickTimeのファイル(movコンテナ)は、トラックと呼ばれるレイヤー構造により、動画・音声のみならず、テキストトラック、チャプタトラックなどを含むことができるが、この構造はMPEG-4ファイルフォーマットであるMP4JPEG 2000のファイルフォーマットであるJP2などに採用され、そのベースとなっている。

歴史

1991年12月2日、Macintoshを中心とした展示会であるMACWORLD EXPOで、当時のAppleのCEOジョン・スカリーの基調講演で発表される。同時にQuickTimeコーデックを採用したアプリケーションとして、Adobe Premiereも発表された。

1998年リリースのQuickTime 3ではストリーミング再生の機能を加え、1999年に登場したQuickTime 4からはMP3 フォーマットに対応したほか、QuickTime for Javaが加わり、Java アプリケーションからQuickTimeの機能を使えるようになった。2000年にリリースされたQuickTime 5では、Macromedia Flashのサポートを加えた。

2002年にリリースされたQuickTime 6以降、QuickTimeをもととした国際標準の採用により、よりオープンな規格へと方針を変更している。QuickTime 6ではMPEG-4が採用され、QuickTime 7ではH.264が新たに採用されており、圧縮効率でも標準化の側面でも大幅な進化を遂げている。また、QuickTime 6.3では3GPP、QuickTime 6.5では3GPP2に対応しており、かつての第三世代携帯電話向けコンテンツの標準ツールの一つであった。

対応するOS

Mac OS X v10.2への対応は、QuickTime 6.5.3[8]まで、Mac OS X v10.3への対応はQuickTime 7.5[9]まで、Mac OS X v10.4への対応はQuickTime 7.6.6[10]までである。

macOS 10.15 CatalinaではQuickTime 7フレームワークと32ビットアプリケーションはサポートされないため、QuickTime Player 7を使用することはできない。

2016年4月、QuickTime Windows版のセキュリティアップデート提供が終了したことが明らかになった[2][3]。2016年4月16日、米国コンピュータ緊急事態対策チーム (US-CERT) は、AppleによるQuickTime Windows版のセキュリティアップデート提供終了に伴うアンインストール推奨情報を発表した[4]。2016年4月20日AppleはQuickTime 7 for Windowsのサポート終了を告知した[5][11]

尚、Windows 95への対応はQuickTime 5.0.5まで、Windows 98及びMeへの対応はQuickTime 6.5.2まで、Windows NT 4.0への対応はQuickTime 6.1まで、Windows 2000への対応はQuickTime 7.1.6[12]までである。2015年、Windows XPに対してはQuickTime 7.7.6をもって対応終了となった。

API

macOSではClassic Mac OSから移植・整理されたAPICarbonで構築、提供されている。WindowsへのQuickTimeの移植は、幾重ものバージョンアップにともない混沌としていたQuickTimeライブラリのAPIが整理されたことで簡潔になり、移植に大きく貢献した。

QuickTimeは旧Mac OS系の技術であり、OPENSTEPのAPIの流れをくむCocoaでのオブジェクト指向プログラミングとの親和性が課題になっていたが、macOSでのプログラミングの幅を広げるため、QuickTime 7 よりCocoaでQuickTimeライブラリを参照するためのQuickTime Kit (QTKit) が提供されるようになった。これによりソフトウェア開発者は1行のコードも書くことなく、強力なCocoa APIでQuickTimeを利用できる。QTKit導入後はCarbonアプリケーションを含めてQTKitを利用することが推奨されていた。

Mac OS X v10.6で導入されたQuickTime XはCocoaベースで作られたものでQuickTimeとは異なる技術であるが、QTKitを使っている限りQuickTime XとQuickTime双方に同じAPIでアクセスでき、プログラマーは両者の違いを意識する必要はない。

QuickTimeの特徴

フォーマット
QuickTimeフォーマット(.mov)やMP4フォーマットのほか、AVIフォーマットやAdobe Flashも再生できる。ただし、コーデックによっては互換性がなく、プラグインが別途必要になる場合がある。
グラフィック
JPEG 2000TIFFPNGなど、最新のフォーマットをサポート。Photoshopのレイヤーも読み込める。
オーディオ
MP3AACApple Losslessの採用によりさらに高音質・高圧縮を実現。
ムービー
H.261H.263MPEG-4H.264、3GPP/3GPP2、Pixletにも対応し、高画質ながらもコンパクトに保存。
macOS High Sierraでは、HEVCにも対応している[13]
参照ムービー
ムービーのリンクと再生範囲を記録したものである。ムービーにおけるエイリアス、ショートカット、シムリンクである。
ヒントトラック
QTSSでのストリーミングを行うためのトラック。パケットごとの区切りを示す。おおよそ元ムービーの5~8割の容量になる。
インタラクティブ
ユーザーの操作に応答するインタラクティブなコンテンツを再生できる。
Virtual Reality(仮想現実)
QuickTime VR英語版により、360度パノラマムービーの作成/再生が可能。Cubic VR英語版(360度パノラマだけでなく、上下方向の表示も可能)やObject VR英語版(立体物を周囲から見回すようなVRムービー)も構築可能。
モバイル
3GPP、3GPP2の採用により、携帯電話とパソコン間でのマルチメディアコンテンツの相互通信を実現。AMCフォーマットも作成/再生可能。
インターネット
無償のストリーミングサーバソフトウェア、QuickTime Streaming Serverによりマルチメディアコンテンツを配信。QuickTime Broadcasterを用いれば、簡単に生中継を配信可能、QuickTime Streaming Serverのオープンソース版であるDarwin Streaming ServerはLinux、Windowsなどでも運用出来る。
拡張性
拡張性があり、新しいファイルフォーマットにもすぐに対応する。QuickTimeコンポーネントを用いれば、MPEG-2DivX、iPIX、On2VP3、ZyGoVideo、WMVなどの再生・作成も可能。
クロスプラットフォーム
WindowsにもQuickTimeが提供されている。
AltiVec対応
PowerPC版Mac OS Xでは、SIMD演算機能であるVelocity Engine (AltiVec) に対応し、PowerPC G4/G5の能力を引き出すことができる。
ストリーミングSIMD拡張命令 (SSE) 対応
インテル版macOSでは、SIMD演算機能であるSSEに対応し、Intel Core, Core 2の能力を引き出すことができる。

特筆すべき点は、トラックによるファイル構造の柔軟性であり、movファイルといえど、ビデオトラックのみを含むもの、音声トラックのみを含むものといったものが作成可能な点である。例えば、既存のmovファイルにヒントトラックを追加するだけでストリーミング配信が可能になる。トラックは認識さえ出来れば、JPEGでもDivX、WMA、H.264(一部別途プラグイン)が含まれていても、同じコンテナ上で再生出来る。また、どんなコンテナであっても認識さえできれば同じコーデックで再生できる。

QuickTimeにおいてムービーの様々なトラックは、画像におけるレイヤーと同じように利用できる。

QuickTime Playerの再生可能なファイル形式

  • 音声ファイル:mp3, mov, aiff, wav .flac
  • 動画ファイル:mov, avi, 3gpp, 3gpp2
  • 画像ファイル:jpeg

その他

イースターエッグ
QuickTime をインストールしたマックを、コマンドキー、optionキー、Qキー、Tキーを押しながら立ち上げると、起動画面のアイコン列にQuickTimeが加わる瞬間、開発スタッフの写真がQuickTimeムービーで表示される[14]

脚注

出典

  1. ^ Mac に QuickTime Player 7 をインストールする
  2. ^ a b JVNTA#92371676: QuickTime for Windows に複数のヒープバッファオーバフローの脆弱性”. 2016年4月15日閲覧。
  3. ^ a b Apple、「QuickTime for Windows」のサポートを終了、アンインストールを推奨”. Internet Watch (2016年4月15日). 2016年4月15日閲覧。
  4. ^ a b Apple Ends Support for QuickTime for Windows; New Vulnerabilities Announced” (英語) (2016年4月16日). 2016年4月19日閲覧。(英語)
  5. ^ a b QuickTime 7 や QuickTime 7 Pro についてわからないことがある場合”. Apple (2016年4月20日). 2016年5月14日閲覧。 “Additional information / Apple では、QuickTime 7 for Windows のサポートを終了いたしました。”
  6. ^ 中原 1997, p. 135.
  7. ^ Technical Note TN2300: Transitioning QTKit Code to AV Foundation”. developer.apple.com. 2020年1月22日閲覧。
  8. ^ QuickTime 6.5.3 for Mac OS X 10.2.8
  9. ^ QuickTime 7.5 for Panther
  10. ^ QuickTime 7.6 for Tiger
  11. ^ “Apple、QuickTime for Windowsのサポート終了を正式に告知していたことが判明”. INTERNET Watch (インプレス). (2016年4月28日). https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/755761.html 2016年5月4日閲覧。 
  12. ^ QuickTime 7.1.6 for Windows”. 2011年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月19日閲覧。
  13. ^ “Apple 製のデバイスで HEIF/HEVC メディアを扱う” (日本語). Apple Support. https://support.apple.com/ja-jp/HT207022 2018年4月1日閲覧。 
  14. ^ 中原 1997, p. 138.

参考文献

  • 中原晃司、梶浦正規著『マッキントッシュ礼賛』株式会社カットシステム、1997年6月1日。ISBN 4-906391-45-1 

関連項目

外部リンク

  • Apple - QuickTime:右隅の「QuickTimeを拡張する」からProのライセンスキーが購入可能。

Qt

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 05:13 UTC 版)

PyQt」の記事における「Qt」の解説

一つモジュール上記すべてのモジュール含まれるクラス統合するこのため、Qtモジュール読み込んでおけば、あるクラス含まれているかどうかを心配する必要がなくなる。しかし、一つモジュール統合することで、アプリケーションメモリ使用量増加させる、Qtフレームワーク全体読みまなけれならないなどの欠点生じる。この統合されモジュール使用するか、個々モジュール使用するかは個人好みになる。

※この「Qt」の解説は、「PyQt」の解説の一部です。
「Qt」を含む「PyQt」の記事については、「PyQt」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「Qt」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



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