ファッション&ビューティ業界において、店頭スタッフこそがホスピタリティーを最も体現する存在であることに、異論を挟む人はいないはずだ。商品カテゴリー、ブランド、店舗によって客層もニーズもさまざまだからこそ、ホスピタリティーに“正解”はない。それぞれが考え、店頭で実践するホスピタリティーについて18人に聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年1月13日号からの抜粋です)
仲希望
「ユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)」新宿店販売員、DXセールスマスター
入店した瞬間から始まる思いやり
ホスピタリティーとは、思いやりとおもてなし。辞書通りの回答ですが、私にとって一番しっくりくる解釈です。お客さまが入店された瞬間から表情、歩く速度、目線を観察します。お急ぎなのか、何か目的があって来店されたのか、一挙一動にヒントが隠れているからです。それに合わせてお声がけしたり、お客さまが困ったときにすぐに視界に入る距離感を保ったり、アプローチはさまざまです。経験を積むにつれ商品知識も増え、提案の幅も増えました。確かにそれは強みになっていますが、お客さまの目を見て笑顔であいさつする基本がホスピタリティーをご提供する上で何より大事。最近では、外国からのお客さまも増えました。たとえ外国語を流ちょうに話せなくても、あいさつと表情で伝わるホスピタリティーがあるとも感じています。
お客さまからお洋服以外のお話をしてくださることも多いです。例えば体形の悩み、仕事や生活環境の変化についてなど。意図的に引き出しているわけではありません。話しやすい雰囲気が作れているということは、こちらのホスピタリティーが伝わった結果だと思います。お客さまから「元気になりました」といったお言葉いただくと、信頼関係を築けたのだとうれしくなります。
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