3ヶ月連続アルバム第1弾を先行配信!! 東京スカムの星・どついたるねん、ロング・インタビュー!!
いまを生きるバンド、どついたるねんが、3ヶ月連続でアルバムをリリース!! 銀杏BOYZ全メンバーから絶賛され、2013年には写真集発売、渋谷WWWでのワンマンも成功させるなど、アンダーグラウンドからオシャレな層にまで注目を浴びる、2010年代最高のスカム野郎たち。3ヶ月連続アルバム第1弾となる『サムライ伝説どついたるねん』は、2013年12月9日、レーベルからの制作金が振込まれた翌10日から新曲作り開始。スタジオに入り、猛練習猛特訓を経て、14日からピースミュージック中村宗一郎のもと、途中ブレーカーが落ちるなどのトラブルを乗り越えてレコーディングを終了。完成した全12曲のなかには、ブックオフCMでおなじみ、あのねのね「この場所で光を」のカバーや、ブルーハーツの「ラブレター」のどつ流カバーも収録。ライヴで評判を呼び収録を望まれた「Long Hot Summer」「遠浅の部屋」などの新曲はあえて未収録。どついたるねんがいまやりたい曲だけを収録したグレーテスト・ナウ・アルバム!! 高円寺にあるいい感じに古びた喫茶店で、彼らのいまを切り取ったインタビューも掲載です!!
3ヶ月連続アルバム・リリース!! 第1弾アルバムを一週間先行配信
どついたるねん / サムライ伝説どついたるねん
【配信価格】
wav 単曲 180円 / まとめ購入 2,000円
mp3 単曲 150円 / まとめ購入 1,800円
【Track List】
1. ポコロンチャ / 2. 鴉 / 3. 川 / 4. この場所で光を / 5. ばっちこーい! サラダバー / 6. ルビー / 7. Midnight Déjàvu / 8. ラブレター / 9. CATS / 10. 風立ちぬ / 11. フライデイナイトエンジェルス / 12. ジャネンバ
INTERVIEW : どついたるねん
ユーモアを取り込んだり、ナンセンスさを求めたり、激しいパフォーマンスをしたり、人と違ったことを求めるバンドは多い。それがバンドの色となるのだから、追い求めて当然のことである。しかし、しかし、しかし、それらを活かすために最も必要なことがあるとしたら、それは思いっきりがよいかどうか、やりきるかどうか、そこにつきると思う。過剰なまでにやりきるということは一つの芸術でさえある。そして、自分たちのパフォーマンスを出し切ることで、スカムをオシャレにまで反転させてしまったバンドがいる。それが、どついたるねんだ。
かつては、どつハウスという一軒家にメンバーで住み、音楽制作や動画制作などをしつつ、路上で酒を飲んだりしていたという彼ら。インタビュー中に、バンドは仕事じゃないんだし、やりたいときにすぐやればいい、と語ってくれたワトソン。気持ちいいくらい思い切りバンドをやることができのは、そういう考えが根底にあること、そこに行動力が伴っているからのことだろう。同時に、そうした時間がいつかなくなってしまうかも… という恐れを持っているからこそ、いまを表現することに全力になれるに違いない。しかし、そんなセンチメンタリズムさえも、彼ら自らの勢いによって吹っ飛ばしてしまう。ああ、なんてロマンチックなバンドなんだろう。平日月曜日の夕方、高円寺の古びた喫茶店で、メンバー5人に話を聞いた。
取材・文 : スカムライター西澤くん
写真 : 浜公氣
初ライヴは、コンロでカレーを煮詰めて3人がジャンベでわー
ーーいきなりなんですけど… 僕、どついたるねんのことが、昔から好きで。
ワトソン : マジですか?
ーーどついたるねんの写真集を企画したSPACE SHOWER BOOKSの南日(久志)くんが、東京に出てきたときの最初の友達なんですよ。彼からスカムなバンドとかイベントを教えてもらって、それ以来東京でおもしろい人がいないかなって思っていたんですけど、とんでもないやつらが出てきたーと思って。元々、音楽がきっかけになったというより、友達としての繋がりみたいなものが強かったんですか?
山村 : いやー、音楽ですね。
ーーへえ。最初はどういうことをしていたんですか。
鵜飼 : そこの2人(先輩、ワトソン)が、キーマカリーズっていうバンドをやってて。
ーーそれは、どんなバンドだったんですか?
先輩 : アヴァンギャルドで、尖りに尖ってました。8回くらいメンバー・チェンジして(笑)。
ワトソン : 馬糞を撒いたり、カレー作ったりとかね。
ーーカレー(笑)?
ワトソン : 初ライヴをスタジオでやったんですけど、曲が始まったら、コンロでカレーを煮詰めて。3人がジャンベでわーみたいな感じで叩いている。
一同 : ははは。
ワトソン : そしたら客が少しずついなくなっていって。それでもやり続けていたら0人になって、「やったー!」みたいな感じ(笑)。
ーーそりゃあ、メンバーはついていけなくなりますよ(笑)。そのあと、どういうきっかけで他のメンバーが入っていくんですか? 最初は山ちゃんさんですよね?
山村 : 僕は、ワトソンくんとかと違うバンドでベースをやってたんですけど、「キーマカリーズのベースがいなくなったから、やってくんねえ?」って言われて。
(頼んでいた飲み物が届いて飲み始めようとした瞬間)
先輩 : え、これチンカス浮いてんじゃん!
ワトソン : ミルクのあれじゃなくて?
先輩 : 入れてねえし(笑)!
ワトソン : さっき、みのもんたみたいな人いたよね?
鵜飼 : あははは。
ワトソン : そいつじゃね?
先輩 : あいつが座りながら? ふざけんな(笑)!
優しさをスルーされたから本当の悪になった
ーーいきなり脱線しすぎ(笑)!! どついたるねんっていう名前をつけてからも、尖ったことをやっていたんですか?
先輩 : コイツ(ワトソン)に、アコギをガムテでぐるぐる巻きにして(笑)。
ーーえっ? どういうことですか?
先輩 : ストラップじゃなくて、ただ体にアコギがくっついてるっていう。
一同 : 爆笑
ーーなにがやりたかったんですか?
ワトソン : 最初は人の嫌がることをやろうっていうのはありましたね。
先輩 : 人の迷惑というより、人が嫌がることをしたいっていう。
一同 : ははは(笑)。
ーー例えば、どういうことが人の嫌がることなんですか?
ワトソン : なんだろう、自己満?
先輩 : 自己満ですね。誰も喜ばないじゃないですか? カレー作って。
山村 : カレーってわりと嬉しいじゃん(笑)。
鵜飼、先輩 : あー確かに。
ワトソン : そこは優しさが出てるんだろうね。
山村 : その優しさをスルーされたから本当の悪になったみたいな。
一同 : ははは(笑)。
ーーでも中心には音楽があったわけですよね?
先輩 : あります、あります。
ワトソン : そうですね、音楽がなきゃ集まってなかったっていうのは、ずっと言ってる。
ーー音楽も変わったものを聴いていたんですか?
ワトソン : いや、普通にあややとか超好きで(笑)。
先輩 : 初めて渋谷に走って買いにいったのはあややです(笑)。
ワトソン : いま思うと、変わったものはそんなに聴いてなかったですね。
ーーてっきり、ネットを中心に曲を聴いていたのかなって思ったんですけど。
ワトソン : ああ。YouTubeとかは、先輩を通して知ったんで。
先輩 : タダで観れんじゃんつって。ランシドとバズコックス観まくったわー。
ワトソン : 人生とかハナタラシとか、LUNA SEAのインディーズ前とか、そういうのを観てて。ブートとか、わざわざVHSとか買わなきゃいけないのに、そういうのをいつでも観れて。それがでかかったかもしれないですね。対抗して、なんか奇抜なことをしなきゃって思ったし。
ワトソンが「女にロックはできねえ」とか言い出して
ーーメンバーの話に戻りますけど、鵜飼さんはどのタイミングで加入されたんですか?
鵜飼 : 「MY BEST FRIENDS」って曲の頭だけ、打ち込みで作ってくれって言われて、ちょっと参加して。それを作った後ぐらいに、下北のモスに呼ばれて「入ってくれ」って言われて。
ワトソン : いま、完全に嘘ついてるんですけど。
一同 : ははは。
ワトソン : 本当は、坂本移動動物園っていう、俺らよりもっとアヴァンギャルドなニューウェイヴ・ユニットをやっていたんですけど、こんな尖った奴がいるんだと思って。相当影響を受けて、そこで仲良くなって。
鵜飼 : 俺らも、キーマーカリーズを自分たちのイベントに呼んだりして仲良くなっていって。
ワトソン : それで、坂本移動動物園がちょっと停滞してきて、なんか暇そうだから呼んだって感じです。
ーー4人が集まったとき、どついたるねんという名前にしたんですか?
鵜飼 : 俺が入るちょっと前から、もうどついたるねんになったって聞いたけど。
ワトソン : 名前をいっぱい変えてて。本当はいまも変えたいんですけど。
ーーそんなに思い入れがあるわけでもない?
ワトソン : ないですね。
鵜飼 : ちょいちょい変えたいよね。
ワトソン : 変えたい。
鵜飼 : 貴乃花っていう案もなかったっけ?
山村 : 違う。貴花田から貴乃花になるみたいな感じじゃなかったっけ。
先輩 : 貴乃花(ex 貴花田)みたいな(笑)。
一同 : ははははは。
ワトソン : それのほうが絶対おもろいじゃん。そっちのほうがテンション上がるわ(笑)。
ーーどついたるねんって結局何人いるんですか(笑)?
山村 : トライヴが何人かって話ですか? まあ、ざっと25人くらい。
一同 : ははは。
ーーでも、どついたるねんとしてメンバーに選ぶ基準があるわけじゃないですか? そこの境界線ってなんなんでしょうね?
ワトソン : あー、女好きは好きじゃないですね。
先輩 : 女の子とかをすげえ入れたくなって入れても、こいつ(ワトソン)が「女にロックはできねえ」とか言い出して。
一同 : ははははは(笑)。
ワトソン : くそおもろい(笑)。
先輩 : 友達の女の子とかを練習に連れてきても、その日に「女にロックはできねえ」って言われる。
一同 : はははは。
先輩 : 男尊女卑が半端ない(笑)。そのわりに「女入れたら売れる」とか言ってて。
ワトソン : あと、暇な奴。売れるとかじゃなくて、楽しくてやってるものなので、暇は条件ですね。それこそ一昨年くらいから、ずっとメンバー募集してるんですけど、いい人がいないですね。ここで募集してもらってもいいですか?
嫌がることをやってもなんにもならなかった
ーー書いておきます(笑)。30歳ぐらいになると、現実的な生活とのかねあいで、解散するバンドも多いじゃないですか。暇っていうのを中心に置くと、年齢があがったとき、大丈夫かなって思うんですけど。
ワトソン : だから、そろそろ終わりですね。リアルに。
一同 : ははは。
先輩 : 暇じゃなくなったら。
ワトソン : そういうもんなんだろうなって。それこそ銀杏BOYZを観てても思いますよね。そういうのを思い始めましたね。多分みんな。
先輩 : あとは、全員高層マンションに住めるくらい金持ちになったら続くだろうね。
ワトソン : あーそうだね。
ーーいま、楽しいことをやろうみたいな?
山村 : いまを大事にするっていうのが、ロックンロールの大前提だと思うんです。
一同 : ははは。
鵜飼 : 決まった!! みたいな顔をされても。ははは。
ーーははは。
山村 : 基本的に、そんなに先のことを考えるのが向いてないっていうか。1ヶ月先のバイト代も待てないような感じなんで、自然とそうなるんだろうと思います。
ーーかつては、どつハウスっていう一軒家で共同生活をされていたそうですけど、そこはどういう場所だったんですか?
先輩 : 高円寺の早稲田通りを渡ったくらいの場所にあって、最初はここ(ワトソン)と、もう1人トムっていう奴と住み始めて。
ワトソン : そうですね。音で会話しようって。あと、先輩が前に言ってたんですけど、箔を付けたかったっていうのがあって(笑)。
先輩 : 誰だったっけな。BUMP OF CHICKEN、UVERworldとか、SEKAI NO OWARIとかが共同生活してたんで、影響されて。
ーー先のこと考えられないとか言って、めっちゃ考えてるじゃないですか(笑)。
一同 : ははははは。
ーー実際4人で住んでいると、どういう毎日になるんですか?
山村 : まあ、飲んだりとか。
ワトソン : でも、映像を毎日撮ったり、かなり活動的にはなりましたね。
ーーどついたるねんになってからは、人が嫌がることをしようっていうのは薄れてきた感じですか?
ワトソン : そうですね。いまは完全に人が喜ぶことをしたいですね。
一同 : ははははは。
ーーどこで意識が変わったんですか?
ワトソン : どこだろうなあ。… やっぱりさみしかった。
ーーさみしかったんだ(笑)。
先輩 : キーマカリーズのときは出なかったんですけど、打ち上げにも出るようになて、そっからかな。
ワトソン : 山ちゃんとか、優しいやつなんで、人に嫌がることとかやめようぜって。
ベースマン木本 : でも、エアガンめっちゃ撃ってんじゃん(笑)。
山村 : はははは。
ワトソン : なんか、好きな人ほど悪口を言ったりとかしちゃってたんですけど、山ちゃんは好きな人に素直に好きって言えばいいじゃんって。そういうところに影響されてきたっていうのはあって。だから、自分らが楽しいだけじゃなくて、お客さんも喜んでくれたほうがいいなって、普通に思えるようになりましたね。
山村 : やっぱり、嫌がることやってもなんにもならなかったから。
ワトソン : そうそう、なんにもならなかった。
山村 : 嫌がらせ方も、地味な「ちょっと嫌だなあ」みたいな感じだから。
ワトソン : オールバックにしたりとか。
ーーそりゃあわかんない(笑)。
ワトソン : ははは。そうですね、いい格好すればいいのに。極端に言ったらフルチンになったりとか嫌じゃないですかやっぱ。そこだよね。
ーーでも、大阪の初ワンマンのステージで、うんこをしたって話を聞いたとき、「いやー、やっぱり最高なやつらだな」って思ったんですよ。
山村 : ははは。
ーーお客さんも4、5人とかでしょ? しかも3人ぐらい身内で、1人だけ純粋なお客さんがいたっていう。
山村 : 詳しいですね。
ーー本当に憧れてたんですよ。
山村 : ははは。
次のアルバムに198曲入るんですよ(笑)
ーーいまのところ、アヴァンギャルドな部分しか話してないんですけど、音楽のことも聞いていきたいと思います。それまではライヴを中心に活動していたわけですど、音源化もしていくようになるわけじゃないですか? やっぱり曲を世に出していきたい気持ちもあったんですか?
先輩 : なにかを残したいというより、CDが出るっていうのはお祭りみたいな感じで。レコーディングもしたことがなかったし、したら楽しくて。
ーー音源化することで自分たちを盛り上げていこうって?
山村 : そうですね。昆虫キッズの高橋(翔)さんが「アルバム出そう」って言ってくれて。それで出して。それによって意識が外に向いた感じはありましたね。
ーーアルバムを出したことによって気持ちが変化していった?
ワトソン : しましたね。
山村 : それまで無力無善寺で月1とかでライヴをしてたんですけど。お客さんも誰もいないなか、ただやっていて。それで飲みにいって、「じゃ!」っていうような感じだったんですけど、CDを出したりしてちょっと話題になったというか。
鵜飼 : リアクションがあったりね。
山村 : それとか、自分たちで企画をやって、お客さんが来たってことに感動したり。そういうことがあって、そういう方向にちょっとずつ行ったと思うんですよね。そういう経験ってあんまりなかったから、嬉しかったんだと思います。
ーー今回のアルバムでブックオフのテーマ曲をカバーしてますけど、ブックオフの100円コーナーの音源を掘って聴いている感じとか、そういうのもあってのリスペクトなのかなって。
ワトソン : それはないですね。
山村 : ははは。
先輩 : ははは。でもブックオフはすげえ好きです。
ワトソン : 俺も好きっす。
ーーはははは。でも、YouTubeで曲を聴くとか、ブックオフで安いCDを買ってネタを探したりとか、そういうジャンク感をすごく感じるんですけど。
ワトソン : それっていいんですかね?
ーー僕はすごくいいと思うんですよ。CDもYouTubeもネット上の無料音源もすべて並列に受け取っている感じが当たり前に出せているから。だから、どついたるねんの音源を説明するにあたって、今回のアルバムのジャンルはこれだ! みたいのは違うと思っていて。もっとぐちゃーって混ざって、そのまま出ている。だからそれほど音楽的コンセプトとかないでしょ、アルバム毎に。
先輩 : ない。今回レゲエだ! とかないし。アルバムは本当に適当ですね。
ーー曲のストックは多いんですか?
ワトソン : 『サムライ伝説どついたるねん』の次のアルバムに、198曲入るんですよ(笑)。それでなくなりましたね、ストックが。
山村 : ははは。
ワトソン : その次の作品も作んなきゃいけないんですけど、いま本当に0で。この間、シンセサイザーを4万ぐらいで買って、みんなで集まっていじったんですけど、なにもできなくて。
一同 : ははは。
鵜飼 : 4万無駄にした感じ(笑)。
ワトソン : マジでやべえなって。誰かがトラックをくれたらいいんですけど。
ーー逆に、198曲も作れるのに、なんでいきなりできないのかがわからない(笑)。
一同 : ははは。
ワトソン : 寄せ集めをしちゃって。クズみたいなのも全部入れたんですけど。ぶち込み過ぎて、さすがにもう空っぽ状態で。
「大きい数字を好まない人は大きくなれない」って言われたから
ーー2月から3ヶ月連続でアルバムを出すんですよね? 前も2ヶ月連続で出してましたけど、なんでこんな出し方をするんですか?
ワトソン : うちらは夏に強いんですけど、冬には弱くて。冬は寒いから籠っちゃうんです。それをあんまり籠らないようにして、自分らを盛り上げようと思って。
ーー夏に強いっていうのは外で飲んだりできるからってこと?
ワトソン : そうです。
山村、先輩 : ははは。
ワトソン : Tシャツ一枚でいいじゃないですか? 冬の服って高いじゃないですか? だから、あんまりストックがないんですよ。服が被るからテンション上がらないんですよね。
鵜飼 : そうですね。
ーー『サムライ伝説どついたるねん』は、12月にレーベルからの振込があり、翌10日から新曲作り開始したそうですけど、かなり短期間で作ったんですね。
ワトソン : そうですね。だから全然よくないですよ。
一同 : ははは。
ワトソン : 1曲目「ポコロンチャ」は山ちゃんと作りはじめて、結構いいねってなったんですけど。
山村 : 最初に作ったんだっけ?
ワトソン : そうそう。他は本当ゴミっす。って意味では、「ポコロンチャ」もゴミなんですけど。
一同 : ははははは。
ワトソン : 次の2枚組は結構いいです。
鵜飼 : ははは。
山村 : 逆に。
ワトソン : 逆にそう。昔のちょっとよかった曲とかも入っているから。
鵜飼 : 意外と曲っぽいのも入ってるしね。
ワトソン : そうそうそう。198曲もあるからおもちゃ箱みたいな。
山村 : ドライヴしながら聴くといいかも。
ーー前も99曲入りのアルバムを出してましたけど、ああいうような感じの、わりと短い曲が入っているんですか?
山村 : そうです、そうです。
ワトソン : 4秒の曲がかなり入ってます。
ーーあはははは。最初から198曲入れようと決めて作ったんですか?
先輩 : うん、それだけは決まってました。
ワトソン : 「大きい数字を好まない人は大きくなれない」って言われたから。
山村 : ははは。マジで?
ワトソン : 俺すげえ2とか言いたがるけど、ダメだなって。198とか、なるべくでかい数字で言わないとダメだって。
山村 : そうなんだ。だとしたら、音楽史上でも大きなとこいったかもね。
先輩 : でも、アナル・カントは5000曲入ってるアルバムがあるらしいし。
一同 : ははは。
先輩 : 1曲のトラックを4曲分だとか言っているみたいで。
山村 : それずるいよね(笑)。
先輩 : くそずるいよ。
人生で1番楽しいです、マジで
ーーさっき、外向きになったっていったじゃなないですか? そこはもうちょっとサービス精神が出てきたりしないんですか? だって、曲は作れるわけじゃないですか? メロウな曲とかを作れる技術はあると思うのに、そういう物は作ったりしない?
ワトソン : ちゃんと環境が整ってないから、それに見合うことしかできないっていうか。メジャーとかで制作費をもらって、オランダ・レコーディングとか出来たら最高の物ができるんですけど、限られたものでがんばるってなると、これがいまの出せる限りの力なのかなって。だから、もうちょっとマーケットを広くしないと。あと、飽きっぽいっていうのもあるのかな(笑)。
山村 : あると思う。
ワトソン : やっぱり、飽きっぽいよね。俺らって。
山村 : 飽きるっていうのは人間の恐ろしいところですよね、本当に。
ワトソン : 同じことやりたくないっていう。そういう性分っていうのはありますね。
ーーなんか変な意味じゃなくて、僕は、どついたるねんって2010年代に出てきた最高のスカムだと思っているんですよ。
ワトソン : はははは。
ーーでも、WWWでワンマンをしたとき、お客さんにおしゃれな人が多かったじゃないですか? スカムも行き着くとこまで行くと、おしゃれになるんだって感動して。
先輩 : 根がおしゃれなんで。本当に。(かなり嬉しそうな顔で)
ワトソン : そこ、太字で。
先輩 : 根おしゃれなんで、スカムなことをやっていても、それは、おしゃれな人にはウケるんですよ。(かなり嬉しそうな顔が続く)
一同 : ははははは。
ワトソン : ザッツ・オール。
先輩 : ファッションからなにから、根がおしゃれ。
ワトソン : そのパーカーもおしゃれだよね。
先輩 : このパーカーも、このヘアバンドも。
ーーそれ、殺害塩化ビニールのTシャツじゃないですか(笑)。そういう受け入れられた環境とかでやっていることはどう思いますか。
ワトソン : 最高っす。
先輩 : ははは。
ワトソン : 人生で1番楽しいです。マジで。
ーー〈バンドやってて今が1番楽しい〉って、歌ってますもんね。
ワトソン : あ! 聴いたんですか?
ーーはい。
ワトソン : まじか!! 終わった。
一同 : ははは。
ーー銀杏BOYZは9年ぶりのアルバムを作り終えて、3人のメンバーが抜けちゃったじゃないですか。それもわかるんですけど、やっぱりさみしくて。だから、どついたるねん、ずーっと続いてってほしいなってすごく思いますね。このメンバーがバラバラになっちゃったらできないでしょ?
ワトソン : できないですね。なにもできないです。
一同 : ははは。
ワトソン : 山ちゃんは、多分トラック運転手になるんですけど。
一同 : ははははは。
山村 : 職業・トラック運転手(笑)。
ワトソン : それよりは、どついたるねんを頑張ってやったほうがいいですね。
※追記 : 後日、どついたるねんメンバーから、以下のメッセージが届きました。
このインタビューを読んでカチンと来たロックな女募集! ワトソンの金玉握り潰せるやつかかってこいや!!
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LIVE INFORMATION
hy4_4yh presents ハイパーアワー!
2013年2月25日(火)@渋谷WWW
出演 : hy4_4yh / どついたるねん / opening act
時間 : 開場 19:00 開演 19:30
料金 : 予約 ¥1500+D 当日 ¥2000+D
Profile
どついたるねん
東京で一番かっこいいバンド。先輩(G)、ワトソン(Vo)、山ちゃん(Mara)、うがい(Key,etc)、IGAXX(Dr)のメンバーで2007年結成。銀杏BOYZ全メンバーから絶賛され、高橋翔(昆虫キッズ)プロデュースにより2011年1stアルバム『ダディ』発売。そこに収められたGREEN DAY「バスケットケース」のカヴァーを本家ビリージョーが絶賛、PUFFYに次ぎ日本語カヴァーが許される。また、N.E.R.D.のファレルからもラブコール、来日したTHE DRUMSからは前座要請があった、など世界的にその名が轟いた。2012年3月、前田敦子(AKB48)脱退発表と時を同じくIGAXXが脱退するもSTUFF田口(大学生)と超絶テクのベースマン木本(大学生)が加入、5月に活動再開を発表し、そこからYouTubeで毎日新曲を発表していく(監督・岩淵弘樹)。12月31日、ヴィレッジ・ピープルと雅-miyavi-を下敷きに、ノイエ・ドイッチェ・ヴェレ、シカゴ・アシッド・ハウスの影響など80年代的な香りもナウかっこいい全13曲を収録した2ndアルバム『1986』を発表、続けて翌2013年1月3rdアルバム『どどどどどついたるねん』を発表。