タイトル通り、私の友人はキャバクラで働き大学の学費を稼いでいる。
友人の名前をミカとしよう。ミカは今年の3月にバイトで知り合った友人で、大学2年生だ。誰もが振り返る、超絶ウルトラパーフェクトビューティーでキュートな女の子。
最初、ミカは心の壁が分厚かった。同い年なのに敬語を使ってくるし、やたら自分を卑下してこちらを持ち上げるしで、「絶対こいつ家がやばいな」と察した。
色々と力技を駆使して私はミカの心の壁を破って打ち解けることに成功した。ある日、ミカは私に複雑な家庭事情を打ち明けた。
ミカの家は所謂「機能不全家族」だ。カルト宗教信者の親の下で育ち、彼女は今も、恐らくその洗脳が抜けていない。
ミカの母は高校3年生の頃、癌で亡くなった。亡くなる前から、治療費が高額だから離婚したいだとか家族内で分裂が起こったり多くの問題があって、ミカは治療費を稼ぐために受験生ながらバイトに追われ、その上周りの大人は母親の死後処理なども全て彼女に押し付けた。
そんな中で勉強に集中できるはずもなく、成績は落ち、彼女は望んでいなかった大学へ進学した。
1年目は無利子の奨学金を月5万借り、祖母から残りの学費を援助してもらっていた。しかし家の家賃や自分と弟の生活費、そして母の治療費へ充てた借金を返す為に稼がなければならなかった。父親は単身赴任をしているが稼ぎが良くない。
彼女はキャバクラでバイトをし始めた。大学まで片道2時間かかるから、早朝に家を出て学校へ行き、夜は遅くまでキャバクラで勤務。そして帰宅・・・。
2年生になる前、借金完済の目途が立ったので、キャバクラを辞めた。そしてこのバイトを始めたということだった。
しかし今年の夏、ミカが通っている大学は祖母が進学を反対していた所だったこともあり、祖母はミカへの学費支援を打ち切った。ミカは、自分で学費を稼がねばならなくなり、キャバクラへ戻った。
私とミカが知り合ったバイトは、1年続けることを条件に採用される。だからミカはこのバイトを辞めず週2で入れ、キャバクラでも働き、学校も通い・・・と睡眠時間も休む暇もない日々を送った。
結果、ミカは倒れ、やむを得ない為こちらのバイトは辞め、稼ぎの良いキャバクラを続けることにした。
ミカがバイトをやめた後、私は電話で「キャバクラで夜まで働いて、睡眠時間もままならないまま早朝家を出て・・・って体に負担かけてまで、ストレートで大学卒業することにこだわる必要ある?」と尋ねた。
ミカは「母ちゃんの遺言に、4年制の大学を卒業して欲しいって書いてあったんだ~、今生きる意味、それがすべてって感じだから・・・」と言った。
「家の問題とか、自分を大事にすることを覚えなきゃいけないこととか、痛感したよ。精神科も受診した。大学も4年生になれば楽になるから、あと1年頑張れば大丈夫!」とミカは言う。
お母さんの遺言を守りたいのはわかる。遺言は故人からの最後の贈り物だから、大事にしたい。私も大切な人を亡くしたことがあるからわかる。
それでも、大学を卒業するのは、今じゃなくていいと思うし、私はミカに体を壊すような生活を送って欲しくない。ミカの家族は今までミカを大事にしてこなかったし、それが変わることは正直望めないと思う。
私のエゴだっていうことも、他の家の事情に口は挟めないことも、彼女の意思を尊重するべきであるのは分かる。
でも、長年家族や周囲に洗脳されて、真面目な気質に付け込まれ本来大人が負うべき責任を押し付けられ、間違った自己責任論を信じ込む彼女の意思通りにすることが良い結果につながるだろうか。
弟はまだ中学生だし、ミカは精神病の正式な診断が下っているし、二人とも公的機関によって保護を受ける権利がある。一度休んだって良い、というか休むべき。
それにミカは今までの苦労を鑑みると、どこでだって働いていける。大変だけれど、一旦働いて学費を確保してから通うとか、通信制を利用するとか、方法は他にもあると思う。学費の高い、今の私大に拘る必要もない。
勉強だって、私も自分の勉強に毎日追われているから一緒にするし、家から逃げたければ手段を一緒に考えるし実行を助ける。ご飯ならいくらでも奢る。
私が全て何とかすることができるわけではないし、自分の意見を押し付けるべきではないし、人の人生に介入する権利も、止める権利もない。ミカの人生だからミカ自身で考えて選択することだ。
ウチの母ちゃん や 友人見ていて思うことは 水商売を一生の仕事考えている者 以外、立ち入るべからずやな 若さが金になることを覚えて得られるものなど何も無い