去年のざっくり今頃、若者はプログレなんて聞くなよ~という事を書いた。
1年経ったが、とりあえずCD屋を見てもライブに出かけても特段若者が聞き始めた雰囲気はない、書いた効果かどうかは定かではないが(恐らく関係ない)、とりあえず題名の目的は継続的に達成されていると見て間違いはないだろう、が、
去年はまだジジイしかいねえよぉ(笑)とネタに出来るくらいの精神だったのがディスクユニオン冴えない薄毛の男性しかいらっしゃらないプログレコーナー(あのリュックサック率は本当に何なんだ)やジジイにまみれてのライブ鑑賞(スティーブヒレッジとGongはよかったですね)、若い子もいるよ(笑)などという、俺はこの辺りには自然がねえなと言ってるのにぽつぽつと並ぶ街路樹を指さしていやあるやん(笑)、と同等の言論をぶつけられたりし、あれから1年、1年、1年…
何か素敵な魔法でもかけたのかな?
クラブチッタへ向かう方向だけ、何故かおっさんかジジイしかいない光景。
これを見て、俺はなんとなく思った。
……
若者にもプログレを聞いてほしい!!!!!!!!!!!!!!!!!聞いてくれるような事を書こう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!俺もデケえ野外フェスにドサドサ出まくるプログレバンド達で盛り上がりてえ、家で女の子と二人プログレを聞いて、アハンウフンエモい雰囲気になりてぇんじゃ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!おい!!!!!!!!!70年代の日本ロックファンのメインストリームだったとかぜってぇ嘘だろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!じゃあなんで20年代だとメインストリームじゃねえんじゃ!!!!!!!!!!!!!!クソが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ドームでワンマンライブしろよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
というわけで始めてまいります。蜘蛛の巣のように予防線を張り巡らせた結果所々「事が多い」という文言を多用するハメになったのでこの文章では「事が多い」=「@」と定義します。
おじさまは(個人差がデカいとはいえ)若者好き@。おじさまから見るとなんとなく好きな若者がさらに自分の趣味であるプログレを聞いている。これは…?恋が始まる
事は無いもののそこそこの好感度が叩き出せるのは想像に難くない、というか出る。居酒屋で意気投合したおじさまにに酒奢ってもらったもん俺。へぇ~若いのにプログレなんか聞くの!?いいねぇ~とでも言わせたらもう勝ち確モーション。
この年功序列社会におけるおじさまの立場や金銭的パワーは若者の比ではなく、それなりに人生経験という面でも上手なので、交友の潤滑油として聞いてみるというのはそこそこにアリではないですか?俺の唯一の同年代プロトモ(プログレ友達)はなんかキーボード譲ってもらったらしいですよ?
…この前はジジイとか酷い事ばっか言っちゃって…ごめんね?あんなのうそうそ、俺らお兄さん達の事大好きだから。PFMの正式名称言えない奴はモグリとか、Soft Machineで一番好きなアルバムとか、そういういっぱいプログレの話しようね?チュッ♡
音楽自体が時間芸術なので既にタイパという面では悪いがその中でもプログレはクラシックと同じくらい悪い@。しかしあえて、あえて長い方を取る事により精神的余裕を味わえる。そうなのかな。
だいぶ円熟したジャンルなのもありプログレはネット上に体系的な情報が多い。
名盤まとめサイトから名盤でもなんでもない奴までかなりの量を分類網羅してるサイト、英語に拒否感が無いなら世界中のプログレをまとめたデータベースサイト http://www.progarchives.com/ まである。ググればだいたいすぐに出てくる。
まだ発展途上のジャンルの場合アーティストの情報がSNSやニュースサイトをちゃんとチェックしたりネットを駆けずりまわらないと出てこなかったりする@のを比べると情報収集が楽だ。こんなもん誰も聞いとらんやろwwww的な音源もどこかの知らないおじさまがレビューしてたりする。
テキトーにググればOK!ストリーミングに音源がたくさんある!Youtubeにも(時には合法、時には違法で…)丸々映像やら音源やらが上がっている!と音楽の複雑さとは裏腹に入門者フレンドリーな面がある。
全体的に何らかの部分で凝っているジャンルである。凝りに凝った結果そん所そこらの音楽には出せない非日常世界が展開されるのだ。
こんこんと雪の降る古い日本家屋からイギリスの深い森の向こう、果てはヤバそうな異星の儀式や謎の宇宙的空間などを非常にダイナミックに想起させる音楽というのはそう見つからない。無論視覚的だけではなく、強烈に鬱的な心象を与えてきたり、ようわからん驚きだったり…と部屋で一人ヘッドホンをしてじっくり耳を澄ますと音の向こう側にある普段の生活では出会う事の無さそうななんか凄い世界に精神を飛ばすことが出来る。
先進的なロック、聴いとるんですが!?とアピールすると職場や学校でイケてる人と思われる可能性がある!!
プログレはミクスチャー的である@。クラシックやジャズに始まり、ケルト等ヨーロッパの伝統音楽、果てはガムラン等、世界中の様々なジャンルとロックとの結合を試みている。プログレを橋掛りに知らないジャンルを好きになり、聴く音楽の幅がグングン広がる。もしかしたら一生を捧げられるような物に出会えるかもしれない。
同じくらいミクスチャーしがちなジャンルにメタルがあるがあっちは溢れ迸る圧倒的パワーのせいで全てをメタルに塗りつぶしてしまうので、○○メタルに慣れたころいざ元のジャンルを聞くとパワー不足を感じるのだ。圧がね。足りんよね。なんか。
その分プログレは割と素材の味生かしがちなので参照元聞いても割と大丈夫。
あとプログレは概念的なジャンルなので本当にいたるところ、全く関係なさそうなアーティストにもその面影を感じられたりする。終わらない音楽探求の世界へ、飛び込もう!(まあ皆さんそこまで飛び込みたいかと言われると微妙かもしれない)
最寄りのおじさまにお尋ねくださいませ。
と突き放すのは良くないですね。
個人的には、最初は新しいバンドのスタジオ盤orライブ盤、もしくは大御所バンド(King CrimsonとかYesとかそのへん)のライブ盤やライブ映像をYouTubeで見るのがいいと思う。
まず初めに70年代のスタジオ盤を聞くのはやめた方がいい。スタジオ盤ならなるべく最近の、どんなに古くとも1990年代以降に出た作品を聞いた方がいい。
ライブ盤はバキバキでも、スタジオ盤だと70年代周辺はどれもこれもやたら音が弱く聞こえる@のだ。これは音作りの古さや現代との方向性の違いからくる@。一番はドラム。70年代や物によっては80年代のプログレのドラムは現代の感覚からすると迫力が弱いかあまり耳なじみの無いプロダクションがされている@。次点はギターの歪み@。
もしSpotifyユーザーならばそこそこ近年の作品をある程度網羅的に取り上げているNeo Progressive Rockというプレイリストをおススメする。400曲くらいあるのを見てげんなりするかもしれないが、別に全部聞く必要は1ミリもないのでとりあえずこれをシャッフル再生して適当にザッピングして気に入った物を探すと良いかもしれない。
そうかもですね
👦「ねーこれキャンプ場にひとりできてるおねーちゃんに話しかけにいくおじさんだよね」