2025-01-05

結婚が面倒?だったら兄妹で同棲してみよう!

世の中には色々な生き方があるけれど、結婚ってなんだか面倒くさい。そう感じているのは、私だけじゃないはず。恋人との関係楽しいけれど、苗字が変わるとか、親戚付き合いとか、結婚式とか、想像するだけでうんざりしてしまう。

結婚」という二文字が頭をよぎるたびに、逃げるように漫画の中に没頭していた私、楓(かえで・28歳)に、ある日、雷が落ちた。

「ねえ、お兄ちゃん私たち、このまま結婚せずに、ずっと一緒に暮らすってどう思う?」

夕食の食卓で、向かいに座る兄、聡(さとる・30歳)に、私は突拍子もない提案をしてみた。

聡とは、2歳違いの兄妹。物心ついたときからいつも一緒だった。ケンカもするけれど、一番の理解者であり、何でも話せる大切な存在実家を出てからも、お互いの家は徒歩10圏内。週に何度も食事をしたり、映画を観たり、まるでルームメイトのような関係だった。

私の言葉に、聡はポカンと口を開けて固まっている。無理もない。私も、ほんの数分前まで、こんなことを考えていなかったのだから

「え、楓、何言って…」

だって、考えてもみてよ。結婚って、色々面倒じゃない?苗字が変わったり、親戚付き合いが大変だったり、結婚式とか、準備が死ぬほど大変そうだし…」

私がまくし立てると、聡は苦笑いを浮かべた。

「まあ、確かに、世の中にはそういうイメージがあるけど…」

「そうでしょ?それに、私たちは、もうずっと一緒にいるようなものじゃない?今更他人と暮らすとか、考えられないし…だったら、このまま兄妹で一緒に暮らした方が、ずっと楽じゃない?」

私は、畳みかけるように言った。聡は、少し考えてから

「…確かに、楓の言うことも、一理あるかもしれないな。俺も、今更他人と暮らすのは、ちょっと想像できないし…」

聡の言葉に、私の心臓が高鳴った。もしかしたら、この突拍子もない提案、受け入れてくれるかもしれない…!

「それに、経済的にも助かると思うんだ。家賃とか光熱費とか、折半できるし。それに、お互い一人暮らしだと、どうしても食生活が偏りがちだけど、一緒に暮らせば、ちゃんご飯も作れるし…」

私は、メリットを次々と挙げた。聡は、真剣な表情で私の話を聞いている。

「…まあ、楓の料理は、たまに微妙な時もあるけどな…」

聡がニヤリと笑った。

ちょっと!それは余計でしょ!」

私はムッとしたが、聡が冗談を言うほど、この話を真剣に考えてくれているのだと思うと、嬉しかった。

「…でも、本当に、兄妹で同棲って、アリなのかな…?世間体とか…」

聡が、少し不安そうに言った。

世間体なんて、気にすることないよ!私たちは、誰に迷惑をかけているわけでもないし。それに、私たちは、ただ一緒に暮らすだけで、変なことをするわけじゃないんだから!」

私は、力強く言った。

「…そうだな。確かに、楓の言う通りだ。俺たち兄妹が、一緒に暮らしたいと思って、一緒に暮らす。それの何が悪いんだ?」

聡の言葉に、私は満面の笑みを浮かべた。

「お兄ちゃん…!」

「…よし、決めた!私たち、兄妹で同棲しよう!」

こうして、私たちの、ちょっと変わった同棲生活が始まった。

とは言っても、私たちは、今までも、ほとんど一緒にいるようなものだったので、生活自体は、それほど大きく変わらなかった。ただ、今まで別々だった家賃光熱費が一つになり、食費もまとめ買いするようになったので、経済的にはかなり楽になった。

それに、一人暮らしの時は、どうしても外食コンビニ弁当が多くなりがちだったが、一緒に暮らすようになってからは、ちゃん自炊するようになった。料理が得意な聡がメインで作り、私はたまに手伝う程度だが、それでも、温かい手作りご飯を一緒に食べるのは、とても幸せ時間だった。

もちろん、兄妹だからケンカをすることもある。些細なことで言い争ったり、お互いの生活習慣の違いにイライラしたり。でも、私たちは、どんなことでも、ちゃんと話し合って解決するようにしている。それは、今までもそうだったし、これからも変わらないと思う。

私たち同棲生活は、世間一般の「普通」とは違うかもしれない。でも、私たちにとっては、これが一番自然で、心地の良い形なのだ

結婚という形に囚われず、自分たちにとって一番幸せな形を選ぶ。それも、一つの生き方だと思う。

私たちは、これからも、兄妹として、そして、ルームメイトとして、支え合いながら、楽しく暮らしていくことだろう。

この選択が、私たちにとって、最良の選択だったと、心から思っている。

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