幼少の頃、俺には親友がいた。 そいつと出会ったのは幼稚園の年長の時だ。 俺が通っていた幼稚園にそいつは転入して来た。俺たちはすぐに仲良くなった。 未熟児で早生まれだった俺は人一倍体が小さく、何をするにも周りに遅れを取っていた。いじめられることも多かった。 そいつはそんな俺にいつも付き合ってくれた。何をするにも二人一緒だった。 幼稚園を卒業し、俺たちは同じ小学校に進学した。 一緒に行った入学式。校門で一緒に写真を取り、二人でドキドキして列に並び、名簿を見た。 俺たちは同じクラスだった。 学校では毎日一緒に校庭を走り回った。 放課後は補助輪の取れたばかりの自転車を漕いで、お互いの家を行き来した。 家に遊びに行く前には必ず電話をした。 当時は携帯電話も無かった時代だ。きっと電話の前で待っていたのだろう。 電話をかけるといつもすぐにそいつが出た。 「今から行っていい?」「いいよ、早く来てね!」 そ