そして現在、これは最終段階を迎えている。なぜなら、人々は「新しい」こと自体に価値を見いださなくなってきたからである。つまり、「新しい」ものに飽きたのである。「新しいもの」を消費することは「新しく」ないのである。新しいものを消費することの繰り返しに飽きたのである。 これに企業はどう対応したか。 新しいぜいたく品を売りつけても、人々は飽きている。あるいは、すぐ次の新しいものに移る。賞味期限が短くなっている。これでは、持続的に儲けられない。 そこで、単なるぜいたく品ではなく、ぜいたく品を必需品に仕立て上げ、すべての人々に永続的に消費させるようにしたのである。必需品たるぜいたく品、やめられないぜいたく品、そう、すべては「麻薬」になったのである。 かくして「麻薬」は途上国へ 現在の経済成長は、次々と新しい麻薬を生み出して、本当は必要のないぜいたく品を必需品に仕立て上げて、消費を増大させ続けようと、企
