東日本大震災直後に開かれた主要な政府の会議で議事録が作成されていなかった問題は、2つの意味でわれわれはこれを深刻に受け止める必要がある。 まず、そもそも議事録の作成が法律で定められている以上、これは違法である。意思決定の内容の是非やその過程の問題点などを後世に明らかにしていく上でも、議事録は不可欠だ。もし本当に議事録が作成されていなかったのであれば、なぜそのようなことが起きたのかを十分に検証し、会議が自動的に録音されるシステムを作るとか、記録係が不在のまま会議を行うことを禁ずるなどの対応が必要になるだろう。 しかし、もう一つこの事件は重大な問題を提起している。それは、日本では「あの時は非常時だったから」という言い訳が、いとも簡単に通ってしまうことだ。 エネルギー関連の有識者会議でも、電力の自由化を議論する中で、自由化に反対の立場をとる原発推進派の委員から「このような非常時には制度をい