1970年代の企業爆破事件で指名手配されていた「東アジア反日武装戦線」のメンバー、桐島聡容疑者(70)を名乗る人物が警視庁に身柄確保され、その後病院で死亡した事件。半世紀にわたる逃亡生活や容疑者の人物像に世間の興味が集まる中、“無責任な勝ち逃げ”は断じて許されないと批判するのは、メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』著者で、米国在住作家の冷泉彰彦さんです。被害者、遺族はもちろん日本社会にとっても害悪でしかなかったテロリストの本質を暴きます。 東アジア反日武装戦線の「正体」 右か左かというと、たぶんどっちでもなく「黒色=アナキスト系」と言われていた爆弾テロ集団として、「東アジア反日武装戦線」というグループがありました。1974年から75年にかけて11件にものぼる連続爆破事件を起こし、その多くは企業を狙ったものでした。 つまり、日本経済というのは「悪」であり、これに反対して爆弾テロを行うという