「北九州の恥」と言われた貸衣装店主 成人式を2カ月後に控えた2023年11月9日、北九州市小倉北区「貸衣装店みやび」本店。店名が書かれた重い観音扉を開けると、衣装ケースの壁に視界が覆われた。 一つひとつの箱には、2カ月後に着物に袖を通す新成人の名前が書かれている。店内はショールームというより倉庫のようだ。足元から天井まで積まれた衣装ケースに窓からの日差しが遮断され、蛍光灯の明かりだけが局所的に店内を照らしている。数分おきに電話が鳴る慌ただしさの中、上下黒でシックにまとめた小柄な女性が現れた。 斬新なアレンジを施したきらびやかな着物の新成人たちが毎年話題となる、北九州市の「ド派手成人式」。その仕掛け人が、「貸衣装店みやび」を営む池田雅さん(52)だ。現在では1回の成人式につき、1000人から1400人程度の衣装を手がけている。