「帰ってきたウルトラマン」は1971(昭和46)年4月2日(金)から放送が始まった。その翌日には「仮面ライダー」が始まり、この2作品が第2次特撮ブームの起爆剤となったのは周知の通りである(同年1月からは「宇宙猿人ゴリ」がスタートしていたが)。 その年私は小学校2年生。幼稚園に入る前から「ウルトラマン」や「マグマ大使」「ジャイアントロボ」などに登場する怪獣に強く魅かれ、怪獣ごっこや怪獣お画描きに明け暮れていた少年にとって、新作がテレビに登場するというのは何より心が躍る出来事であった。しかも「帰ってきたウルトラマン」を演じるのは若手俳優の菊池英一(現・きくち英一)氏。日本大学芸術学部演劇学科での父(青江舜二郎)の教え子である。 菊池氏は以前から何度かうちに遊びに来たことがあり、私なども可愛がってもらった記憶がある。根っから優しい気立ての持ち主で、1967年4月にわが家が読売ランドから生田に引越