司会者「一回、前回までの流れをまとめましょうか。かなりこのシリーズも読者が増えてきたみたいなんで。まず、アイドルとは日本の明治以来の近代化政策の進展と不可分である、と。近代化の過程で学制が登場した。ここで子供たちははじめて農村や共同体から切り離され、子供だけの期間を与えられることとなった。ここで西洋型の音楽教育を受けたりするわけだが。だが、明治期の学制とはつまるところ富国強兵政策の一環でしかない。忠実な兵士や工場労働者を育成するための機関に過ぎなかった。だが、戦後、教育は富国強兵政策とは切り離された。国際競争力を身につけるため的なボンヤリした目的は残ったが一次産業から二次産業、そして三次産業へと産業構造が変化するなかで学生の期間はドンドン延長された。60年代まではギリギリ集団就職などで、義務教育から二次産業への就労がスムースに行われたが70年代以降、半数以上の子供が高校へ進学するようになる