「あなたがカッコいいと思う人物は?」と聞かれたら、迷うことなく漫画『MASTERキートン』の主人公、平賀=キートン・太一の名前を挙げる。キートンは、軍の特殊部隊で身につけた技術をもとに、危険を伴う保険調査員の仕事をこなしながら、考古学者になる夢を持ち続けている。物語のクライマックスで、たったひとり発掘作業に臨むキートンは本当にカッコいい。たとえひとりきりだろうと、情熱に突き動かされるまま、彼は黙々と大地を掘り返すのだ。 考古学への情熱では本書の著者も負けていない。子どもの頃、映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』を観てインディ・ジョーンズに魅せられて以来、その熱が衰えたことはないという彼女は、新しい研究分野「宇宙考古学」の第一人者でもある。 「衛星考古学」や「衛星リモートセンシング」とも呼ばれる宇宙考古学は、人工衛星などで取得したデータを解析し、地中に埋もれている人工物を見つけ出す最先