2017年を回顧するテレビや新聞の中で大きく取り上げられているのが、小池百合子・東京都知事だ。希望の党を立ち上げ、安倍晋三政権を倒すかと思われたが、「排除」発言で頓挫した。小池氏の慢心や計算違いが指摘されているが、失敗の本質は「自民党に対抗するには第二保守では無理」という政治的現実ではないか。その内実を考えてみよう。 小池氏は、希望の党の立ち上げを表明した際、基本路線として「改革保守」を明言。自民党に代わる保守政党を目指す考えを強調した。それが、衆院選の候補者選びの中で、護憲派やリベラル派を「排除する」という姿勢につながった。 民進党を離党して小池氏と合流した細野豪志元環境相も「保守二党論者」だ。細野氏は民進党が国政選挙で共産党と連携することを批判、外交・安全保障でも安全保障法制の即時廃案を訴えるリベラル派と距離を置いていた。細野氏は希望の候補者選定の実務を担い、リベラル派を公認しなかった