千葉県印西市に店舗を構えるレザーショップ「LEATHER PORT」。 当ショップの代表ブランド「名も無きビジネスシューズ」は、丹念な手作業でしか出現しない優美なフォルム、テーパードされたピッチドヒール、絞り込まれたウエストなど、数多くの美点を備えた「ハンドソーン10分仕立て」の一級品だ。 そんなマスターピースを生み出しているのは、中国南部で活動する名も無き靴職人だという。一体、中国の靴業界では何が起きているのだろうか。 無類の革製品好きであるライターのOyaが「LEATHER PORT」代表、井熊氏に伺ったお話を、前後編に分けてお届けしたい。 前編となる本項では、「名も無きビジネスシューズ」のディティールに迫る。 「良い靴を作る為に、好材料と高いレベルの技術を用いる……そんなのは説明するまでもない大前提。 ただ、材料、技術、構造、ラスト、作り手の審美眼と表現力、および思考、これらはすべて