観光で訪れたい都道府県ランキングでは毎年上位に位置し、景勝地やご当地グルメにあふれた広島県。特に、県中域に位置する西条は、兵庫県の灘と京都府の伏見に並んで「日本三大銘醸地」に数えられているなど、国内有数の酒どころでもあります。 そんな広島県の日本酒にはどのような魅力があるのでしょうか。西条に酒蔵を構える賀茂泉酒造の4代目であり、若手蔵元の全国組織「日本酒造青年協議会」で会長を務める前垣壽宏さんに話をうかがいました。 「純米酒」の先駆けとなった賀茂泉酒造「賀茂泉酒造は1912年(大正元年)に創業しました。西条には、私たち以外にも賀茂鶴酒造や賀茂輝酒造(現在は廃業)など、ここ一帯の地名であった『賀茂郡』から名前をつけた酒蔵が多いんです。歴史を遡ると、かつては京都にある神社の荘園だったようですね」 賀茂泉酒造の代名詞といえば「純米酒」。元来、日本酒は米・米麹・水のみを原料として造られていましたが