この著者の作品を初めて読んだ。久々にハマったSF。3部作である。「サザーン・リーチ・シリーズ」というらしい。1作目を読み始めた時点で、すでに3作とも出版済みだったので、1週間ほどでいっきに3作を読み終えた。印象は「懐かしさ」と「新しさ」。懐かしさの理由は「地上に出現した異世界」をテーマにしたSFであること。このテーマでは、ロシアのストルガツキー兄弟が書いた古典SF「路傍のピクニック」が有名だ。(タルコフスキー監督で映画化された「ストーカー」の原作といえばわかるだろうか。)また、ニューウエーブの 旗手J.G.バラードが書いた、終末SFの傑作「結晶世界」も同 じテーマの傑作だ。さらに異世界文明と人類との遭遇は、S・レムの「ソラリスの陽の下に」における、知性を 持った海と人類の関係に似ているかもしれない。要するに、かつてのSFの名作たちを彷彿とさせるところが懐かしいと感じさせるのだろう。さらに、