釈尊は具体的な生き方を説いた人であった。真理を理論だけで理解しようとしても苦を乗り越えて生きることは出来ない。釈尊のこうした考え方を示すものに 毒矢の例えがある。 マールンクヤと言う若い弟子がいた。かなり理屈っぽい人だったようだ。彼は 「いろいろ考えたが世の中には解からない事が沢山ある。わかるものならばそれをはっきり解からせて欲しい。それがはっきりしない限り私はこれ以上修行が出来ない。」と言い次のような質問をした。 「世の中は常住なるものか それとも無常なるものか 世界に果てがあるのかないのか 霊魂と身体は同一か同一でないのか 死後の世界は存在するのかしないのか 」と言ったような問題に悩み釈尊に解答を迫ったと言う。「釈尊が世界が常住であると思うならそうおっしゃってください。それに応じて修行します。世界は常住でない 無常なものだと思うならそうおっしゃってください それに応じて修行いたします