2016年10月 灰色文献と言っても、本が灰色なわけではありません。書店で簡単に購入できたり、多くの図書館に所蔵されたりしていて、誰でも読むことができるのが白色文献、関係者以外まったく入手できないか存在自体が公表されていない文献を黒色文献と呼ぶ時に、その中間にあたるのが灰色文献です。 考古学の分野には灰色文献がたくさんあります。遺跡について詳しい情報を提供している発掘調査報告書は発行部数が少なく、公共図書館にはほとんど所蔵されていません。考古学に関する論文も、大規模な学術誌だけではなく、歴史好きな人たちが同人誌のような小規模な雑誌に投稿しているものもあり、発行部数が少なく流通範囲も狭いために入手が困難となっています。他の文献で引用されたり、参考文献として挙げられていても元の文献を見ることが難しいこれらは、灰色文献と呼んでいいでしょう。 奈文研では考古学分野での灰色文献を減らすために、文献へ