最近、オーディオファンの間で“SACDの復活”が大きな話題になっている。きっかけは、ユニバーサル ミュージックが6月23日にロック/ポップス、ジャズ、クラシックの名盤20タイトルを発売したことだ。さらに8月、10月、12月にもそれぞれ11作品を発売するという。「パッケージメディアに将来はない」などと言われる中、なぜ今になってSACDが話題になっているのか。AV評論家・麻倉怜士氏に詳しく話を聞いた。 ――ユニバーサル ミュージックが発売した「SA-CD ~SHM仕様~」が話題になっています。なぜ今になってSACDを出したのでしょう? 麻倉氏: マーケティング的には、2009年にTEACのエソテリックブランドで発売された英DECCA(デッカ)の名盤タイトルが大ヒットして、それに刺激を受けたのですね。その音源提供はユニバーサル ミュージックだったので売り上げの状況も分かり、プライベートレーベルで