最近、日本の大手ITベンダーの間で流行っている言葉がある。もちろんIT業界のことだから、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things)など流行語は数多い。だが、これらは米国でブームとなり、日本でも広く注目されるようになった華やかな言葉だ。一方、私がこれから述べようとしている言葉は、漢字2文字とひどく地味だ。何のことかと言うと、「共創」である。 例えば、富士通が2016年5月12日に「共創サービスの体系化」なる発表を行った。この発表タイトルだけでは、ユーザー企業、特にIT部門の人には何のサービスなのか見当がつかないかもしれない。だが、富士通以外にも日立製作所、NEC、NTTデータなどが共創サービスの提供を打ち出している。まさに大手ITベンダーの間では、共創はAIやIoTにも勝るとも劣らない流行り言葉なのである。 では、共創とは何か。言葉を開くと「共に創る」である。言葉の主語