「また、その話を蒸し返すのか。もういいじゃない」 中日ファンの友人にこの話をすると、決まってウンザリとした表情を見せる。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で12球団で唯一、中日が代表選手を供出しなかった件だ。 連日、高視聴率をマークしたWBC。侍ジャパンの連覇に日本中が大いに沸いた。普段、プロ野球を見ないような人にも改めて野球の面白さを伝えた大会だった。だが、それと同時に、“反動”も大きかった。 2大会連続でMVPとなったレッドソックスの松坂は、右肩に異常を訴えて故障者リスト(DL)入り。マリナーズのイチローも開幕直後、胃潰瘍(かいよう)で初のDL入りを経験した。 他の日本代表選手も多かれ少なかれ、“WBC後遺症”にさいなまれた。唯一、無縁でいられたのは日本ハム・ダルビッシュぐらいか。もちろん、代表選手ゼロの中日勢も無縁。そして今、破竹の快進撃で首位の座を伺おうとしてい